Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ちまたの歪んだ認識

2008-05-13 12:37:51 | つぶやき
 矛盾した法案が国会で議論もなく決められてゆく。矛盾などどうでも良いという感じで、ふつうの考えではないことはごく簡単に解る。道路特定財源と言っている以上、道路を目的の枠である。そしてそれを暫定と言われるガソリン税でまかなってきたのも、その財源を利用して道路整備を推し進めようとしたものである。ガソリンの暫定税率をそのままで、道路特定財源を一般財源化するというのは、どう考えてもおかしな歪んだ考えである。年金掛け金を徴収しておいて、道路を造っているようなもので、本来目的があってガソリンに税金を掛けたというのなら、当然のこと一般財源化などという筋はない。道路整備に必要な財源に余裕が出てきたというのなら、ガソリンの暫定税率を廃止、あるいは引き下げて、あくまでもその税金は道路整備という目的のために使うのが当たり前ではないだろうか。そんな簡単なことですら説明ができないほど、政治も行政も歪んでいるし、そんなことを解らない国民も歪んでいる。

 5/12のgooのニュース項目に「一般財源化は高速道路の借金返済から始めよ」というものがあった。ふだんわたしも摩訶不思議な理論にどうも納得できないものが、緊急車両が通行するためにも一般国道の整備が必要だというものである。もし、本気に緊急性を考えるのなら、地方から病院が消えていく、今こそ高速道路の利用方法を再考する必要があるだろう。わたしの住む空間にも高速道路と一般国道が平行して走っている。加えて国土交通省所管の道路整備がはかどらないため、摩訶不思議な理由で農林水産省所管の大規模農道というものが、国道並の通行車両を呼んでいる。基本的に高速道路への進入箇所が今の倍程度あり、かつ高速道路が無料であれば、一般国道の意味合いはだいぶ違ってくるはずである。何度もバイパスを造る必要もないし、専用道路という空間を重点的に整備していけばよいはずだ。にも関わらず同じ国土交通省所管の二つの道路が整備されていくのだから、どちらも「必要」という地方の言葉になるのだ。現在一般国道で行われている整備は、ミニ高速道路のようなもので、人間が同居しなければ、高速道路と何ら変わらないのである。にもかかわらずそんな空間を求めていくから、危険も増えれば金も増える、ということになっていく。とくに地方にあっては、こうした高速道路整備を求める意見と、国道整備を求める意見を整理する必要があるはずで、そのためにも高速道路の無料化という財源として、道路特定財源を利用するという案は適しているはずである。それにしても、世論調査で「暫定税率はなくせ、でも特定財源の一般財源化は賛成」という国民は、筋が通っていないと思うが…。

 それともう一つ、所管の異なる二つの幹線道路について触れたが、国土交通省の造る道路と、農林水産省の造る道路建設費を、さまざまな諸費用を合算して比較すると、圧倒的に国土交通省の造る道路の方が高額なはずである。もちろん、まったく同じ設計内容で比較できるケースは少ないだろうが、そんな比較をやってみるとよい。簡単に言えば、かつて悪玉にのように言われた大規模農道の建設費は、国土交通省の道路に比較すれば、通行量が少なくても効率的な部分が少なからずあるはずだ。ようは国土交通省のツクリモノは贅沢だということ。ただし、安全度を重視すれば、農林水産省のものは低いだろうが…。
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