Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

お役所の非正規雇用

2008-05-02 21:26:42 | ひとから学ぶ
 先日地元の町の広報に職員一覧が入っていて顔見知りの人たちは今どこに、という確認をした。この町に住み始めてからそれほど長いわけではないが、以前よりもカッコ書きの職員名が増えたと感じた矢先、信濃毎日新聞に「非正規雇用3年で35%増」という見出しが見えた。カッコ書きは臨時職員を示すと説明がは端っぽにある。新聞で言うところの非正規雇用である。民間では人件費削減の立役者でもある非正規雇用が、いっぽうで所得減少の立役者にもなっていて、それが問題視される時代である。お役所でも財源問題の中で、非正規雇用が目立ってきているのだろうが、非正規雇用を問題視するなかでの役所での非正規雇用化が、批判を受けることも予想される。

 素人にはまったく知らないことなのだろうし、わたしもそんなことは知る由もなかったが、市町村が条例で正規職員の上限を定めているという。その正規雇用職員を減らせば、もちろん安い給与の非正規職員を増やすことができるのだろう。しかし、非正規雇用とは応急的なもの、いわゆる暫定税率と同じような主旨なんだろうが、それが何年も継続的に続く。ただし、同じ人が継続的ではなく、1年たんいくらいに入れ替わることになる。そのあたりは市町村ごと運用が異なるのだろう。そんな不安定要素を含んだ非正規雇用は、雇用される側にとってみればまさに臨時であるが、雇う側は立場としての名称を「臨時」として認識しているだろうが、現実的な業務内容はそうではない可能性も高いようだ。このあたりは、その全容を把握することは不可能だろう。非正規雇用と一口にいっても、その業内容はピンキリともいえる。正規雇用は減り続けるというのに、非正規雇用が増えていくということは、行政の効率化、スリム化というはものの、相反している実態を見せている。現実的に減員できないところまできていて、そのために非正規に頼らざるを得なくなる。ようは責任ある部分も非正規雇用者に頼っているはずで、明らかに必要な部分を正規でこなせなくなっているということになるのだろう。

 わが社でも継続的な臨時職員がいる。期間雇用ではあるが、継続できることから、雇われる側にしてみれば、一定の安定感はある。もちろん人員削減の対象にはなるが、それは正規雇用者も同様である。どれほど人員が削減されようと、臨時職員が皆無になることはなさそうである。ようは、非正規雇用を1人や2人切るよりは、正規雇用を切った方が効果大ということになる。同様の観点でみていけば、非正規雇用が増えるということは当たり前のことなのだろうが、これは民間も含めて改めなければならない視点だろう。とくに役所ともなれば、正規の給与を落としてでも、必要な人員は保っていく必要があると思うが違うだろうか。「行政が不安定雇用を膨らませている」との指摘かあるというが当然の視点である。非正規社員の正社員への転換制度導入などを義務付けた改正パート労働法が施行されたものの、公務員は対象外という。どこかおかしい、とは思わないか。
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