日々呟く。

とうとよ/清貧の独り言。

どこまでリクエストしていいの?

2006年08月19日 22時07分24秒 | 司書日記
公共図書館のリクエストサービス。

これを使えば、その図書館の蔵書に存在しない本でも、手に入れることができる…可能性があります。

まあ、今のところ、私がリクエストした本は、ほとんど手配してもらえましたので、なにか読みたい、見たい資料があるなら、とりあえず問い合わせて見るのが良いと思います。


で、このリクエストサービス。
そうは言っても、なんでもかんでもリクエストすることはできるのか。

利用者側で、「こんな本はダメなんじゃないかなー」とか、勝手に遠慮してしまい、リクエストしない。
なんてことも多いのではないでしょうか。

図書館ごとの運営方針や、利用案内等に、リクエストや、購入基準などについて、明記してあれば、利用者も迷わないのですが、なかなか詳しく細部に渡って、その辺りの基準を示してある図書館は少ないようです。

示してあっても、大まかな基準で、結局各資料については、その時その時判断するとかいうものだったり。


私の町の図書館では、視聴覚資料についてはリクエストできないことになっています。
ですが、その他、いわゆる「本」については特に明記してありません。

以前、何かの時に、「専門的な医学書等はリクエストに答えられない場合がある」
と書かれていたことがあったのは覚えているのですが。
それについても、今私の手元にある利用案内や、インターネット上に公開してある運営方針には書かれていないことです。


特に迷うのは、漫画…コミック類なのではないでしょうか。
世の中には、漫画なのか小説なのか区別が付きにくいような資料もありますし…。

そんな訳で、本日、私の町の図書館でそれについて少し尋ねて参りました。

まあ、この前行った、読書アンケートの回答に、漫画が多く含まれていたので、それを図書館で用意してもらえるのか気になったからなのですが。


で、回答。

やはり、コミック類のリクエストに答えるのは難しいとのこと。
近隣の図書館に、そのコミックが所蔵されていれば、相互貸借などで提供することができるかもしれないが、そうでない場合は、ほとんどお断りすることになりますとのことでした。

つまり、自館でコミック類を購入する予定はないということなのでしょう。

ですが…。
私の町の図書館にも既に漫画は置かれています。
手塚治虫を始めとし、ドラゴンボールとか、横山光輝三国志とか…。

そう、読書アンケートの回答にも名前が挙がっていた、ゴーマニズム宣言もありました。

結局、この辺りの判断はよく分かりませんね。
ある程度知名度があったり、内容がいわゆる、「勉強に役立つ」ものだったりするならば、購入する場合もあるということなんでしょうか。


その辺りは良く分かりませんが…
今回は、実際に2冊本を予約してみました。

試しに…って奴で。

リクエストしたのは、DZ氏の読書アンケート回答に挙がっていた本。

「ワイルドライフ」の1巻と、「ゴーマニズム宣言」の1巻。

ゴーマニズム宣言は、私の町の図書館には、「新」からしかなかったので…。

リクエストする時に、「ゴーマニズム宣言」の方は手に入りそうだというようなことを言われました。
こちらは、他の図書館で所蔵しているところも多いだろうからと。


で、リクエストして帰ったのですが…。

当日のうち、早々に、「ワイルドライフ」に関しては用意できないとの電話がありました。
県内図書館すべて、所蔵していないとのことで。

確かに、県内公共図書館にはないようです。


ですが…。
国立国会図書館にはあるんですよね。

いままで、県内に資料がなかった場合、国立国会図書館から取り寄せるってことをして頂いていたのですが…今回は、それがなかった。
まあ、私が希望しなかったからなのですが、今までは希望しなくても、探して頂いていたので…。


つまりは、そこまで探さなかったってことなんでしょうか。

リクエストの際に、私自身も半分諦めていて、「見つからない場合は、お断りさせていただきますね」という発言に了承していたから、というのもあるのかもしれません。


でも…。
国立国会図書館にあるなら、本来は、取り寄せてもらえるはずなんだよな。


まあ…とりあえず。

私の町の図書館に関しては、
「コミックのリクエストは、受け付けているが、手に入る見込みは少ない。」
そんな感じみたいです。


これで私がもう一度、「国立国会図書館にはあるみたいなんで、取り寄せていただけますか?」ってリクエストしなおしたら…取り寄せてもらえるのかな…。


実験…するべきか。

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2 コメント

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Unknown (ヒゲ)
2006-08-20 11:43:55
ていうか国会図書館に無い本を探す方が難しいのでは。

確か国会図書館って個人出版物以外のほぼ全ての出版物を収集してるはずでしょう?

あそこにあるからってのは理由にならないかも。
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おっとどっこい。 (とうとよ)
2006-08-20 21:43:03
確かに、国立国会図書館には、日本国内で出版されたすべての出版物を収集する義務があります。

そして、それは個人出版物も例外ではありません。



ですが、個人出版物に関しては、納本制度も確立されておらず、収集に関して、ほとんど出版者の寄贈に頼っている状況のはずです。

まあ、それは逆に言えば、個人出版物でも、寄贈すれば国立国会図書館に所蔵されるということなのですが。



で…です。

納本制度により国立国会図書館には、国内すべての出版物が収集されているはずなのですが…。



実際はそうなっていないのが現状です。



日本の納本制度には、なにも拘束力はありません。

別に納めなくても、出版社は特に困らない。

それどころか、逆に出版社側に、納本することによって得られる利益もほとんどありません。



つまり、これもまた、個人出版物と同じで、出版社の寄贈…つまり好意に頼っているような状況なのです。





そんな状況なので…。

国立国会図書館には、日本の出版物の…まあ、だいたい半分ぐらい…しか集まっていないのです。



試しに、国立国会図書館で、自分の知っている本を片っ端から検索してみたらいいかもしれません。

きっと、すぐに引っかからない本が出てくるはずです。



実際、私が今まで、うちの町の図書館にいリクエストした本で、私の手元に届かなかった本。

今回の「ワイルドライフ」以外は、すべて、「国立国会図書館にもなかったので…」というのが、届かなかった理由でした。





ここにも、日本の図書館の現状が表れているのでしょう。



国内の出版物のすべてを所蔵していなければならない、法定納本図書館でありながら、結局それは果たされておらず、また、その事実について、世間にはほとんど知られておらず、さらに、世間はそれを知らないことで、特に被害を被っているという認識はない。



つまりは、図書館がその程度にしか見られていないと言うこと。

そして、その現状を図書館側も改善しようと言う努力が、すくなくとも見た目には表れていないのです。







と、なんかさも知っている風に書きましたが、今書いたことは、1年前の司書講習で教えてもらったことを、記憶に基づいて書いているだけで、自分でしっかり確認したわけではありません。



もしかしたら、細部に異なる部分があるかもしれません。





でも、大まかな部分では、あってるはずですよ。きっと。

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