私の住む街は下町っぽくて今でも冬になると夜警をやっていて、その当番が十数年に度、回ってきます。。今夜がその十数年に一度の日でした。
夜の8時20分に近くの神社に集合すると、集まっていたのは私の母親と同年代の方々ばかり・・・大丈夫なんだろうか?まず、反射材のついたベスト、工事現場の誘導員が持っている赤いライトが点滅する棒と、定番の拍子木が渡されました。拍子木は打つと大相撲の呼び出しさんが打つようにいい音が・・・しない。。割れてるし。
気を取り直して歩き始めると、割れていても拍子木の音は静まり返った町によく響きました。しーんとした中で打つのは結構気分がよかったです。地元とはいえ、普段は歩かない道や路地裏通りを歩く感じになるので、古い家がマンションになっていたり、空き地になっていたりして、その変貌ぶりがなかなか面白かったです。それにしても、人が歩いていない…私がよく歩く終電の時間帯と変わらないくらい人がいません。小一時間歩いて、塾帰りの子供2人、仕事帰りと思われる人が4~5人、犬を散歩させている人が3人だけ。江戸川沿いの道に出ると、町灯りがなくなり、星が思った以上によく見えました。
コースの終盤に通ったのが父が最後に入院した病院。今は増築・改装されていて、深夜に駆け付けた当直室の窓口も当時の面影はなくなっていました。
神社に帰り着いたとき、拍子木をわざと小刻みに打ってみると、一緒にいた小母さんが「紙芝居みたいだねぇ」と言っていました。そう言われれば、親戚が住む町には紙芝居が決まった時間に来ていて、拍子木で子供たちを集めていたのを思い出しました。
本来の目的は火事と放火の抑止なんだけど、私にとっては驚きと懐かしさがミックスされた不思議な1時間でした。。