先日の日本民家園での「お国言葉で語りっこ」で偶然再会したMさんに、「5日にみんなで城ケ島に行くけど来ない?」と声を掛けられたのがきっかけで、5月5日に神奈川県の城ケ島に行って来ました。
神奈川県三浦半島の南端に浮かぶ城ケ島、島の本土側は水産加工工場やお土産屋さんが並ぶ海岸地域の風景ですが、外海に面した南側は断崖が続いており、北海道あたりの離島を思わせる光景がみられます。
私自身にとっては学生時代にサークル活動で来たことがある懐かしい島でもあります。
北原白秋の“城ケ島の雨”には「雨は降る降る 城ケ島の磯に 利休ねずみの雨が降る」と唄われていますが、この日は快晴で利休ねずみ色の雨とは無縁の風も穏やかな過ごしやすい陽気でした。それでも、北側に傾いて枝を伸ばしている磯馴松が外海からの風の強さを、荒々しい海岸が波の激しさを巧みに代弁していました。
涼しい陽気が続いていても島には花が咲き乱れ、トンビが高々と舞っていて季節は着実に巡っていました。
さて、島めぐりも終わっていよいよ帰ろうということになってバスに乗り込みました。乗ってしまえば30分足らずで京浜急行の三崎口駅まで運んでもらえるとひと安心。ところが、城ケ島大橋を渡って本土に戻って暫くすると道が徐々に混み始め、ついには全く動かなくなってしまったのです。
携帯端末の位置情報で確かめる人、バスを降りて歩きはじめるグループ、同行のメンバーは位置情報で確認したところあまりにも進み方が遅いので「これおかしくない?」と言い出す。私も確認してみたが、確かに島から渡って僅かしか進んでいない。駅までは4キロ半もあるので、バスを降りて歩いてもせいぜい前のバスに追いつくのが関の山である。バスを追い越して行く歩行者を横目に忍の一字で待っていました。
バスに乗った頃は高かった日も夕景に変わりつつあるころ、ようやく「次は終点、三崎口駅です。」のアナウンスが入り、バスの中のあちこちから拍手が上がりました。バスは国道から駅へ入る右折レーンに入って三崎口駅に到着~!結局、城ケ島から三崎口駅までの6キロほどを2時間以上も掛かって辿り着きました。
思わぬところで時間が掛かってしまったけど、断崖の続く風光明美な海岸と磯馴松、そんな別世界から現実に戻るには、むしろこれくらいの時間が適当だったのかもしれません。