エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

絶滅危惧の チョウ トンボ

2019-09-06 | 昆虫

 

 今年も,いつも心配しているチョウ、トンボのいのちのバトンタッチを確認出来た。

 3化のヒメシロがもっとも心配だった。何度かの訪問で確認出来たが、来春も心配は続きそうだ。


 コバネアオイトトンボ、マダラナニワトンボ

いずれも羽化後しばらく近くの林で過ごしていたが、8月末、秋めいてくると池を離れ、結婚相手を探しに近くの水路や林道に移動してきた。

マダラナニワトンボについては、これまでの観察で行動範囲ははせいぜい数百mと思われる。

そこで、好ましい水辺環境を見つけて産卵出来るのだ。

それまで数年続いていた場所で、連結打空産卵を繰り返していたが、ある年に突然、その水辺から姿を消してしまった。

いろいろな環境変化が考えられるが、例えば水位の変化で、産卵習性に適した水辺の陸地が没してしまったこと。

また、池全体がアメリカザリガニの侵入、増殖によりトンボ類が激減.死の池と化してしまった。

気になることは、ときどきネットを持った収集者に出会うことだ。これは、生息地が公表され、それに伴う対応が不十分だったと考えている。

 

マダラナニワトンボ 

 ♂ ♂  

 ♀ 

手前♂ ♀ 

 コバネアオイトトンボ

  ♂   オオアオイトトンボ オオアオイト     アオイトトンボ♂

シュレーゲル  ゴイシ産卵

    懐かしいこの緑は

アジアイトトンボ  マユタテアカネ♂

 ノシメトンボ♂

 

ヒメシロチョウ

これも局所的発生で、生息地の一切草刈りの影響が大きいと思われる。

関係行政にお願いし,4年前から影響の少ない除草を検討してきた。

しかし、昨年突然発生個体が激減し、今年は春から心配でならなかった。

何とか積極的な保護対策が急務だ。

デート 

  

お尻に卵が付いてま~す 

以下、ほんの一部刈り残されたオアシスで。

イチモンジセセリ ウラナミシジミ産卵 ツバメシジミ交尾

ジャノメチョウ♀イチモンジセセリ

  

 ミヤマアカネ♂ 

ウラギンスジヒョウモン  

  

 

僅かに刈り残された島には、お友達がいっぱい。正にオアシスだ。


ジャコウアゲハ 蛹化

2019-09-03 | 自然観察

昨日発見のジャコウアゲハの前蛹態が今日蛹化した。

生年月日不詳ながら、ヤマボウシに絡まったウマノスズクサで順調に育ち、直線距離3mか、居間の外壁にたどり着いた。

この蛹、今年の発生はないと思うが・・・。 

いま、孵化し始めウマノスズクサに穴を開け始めた幼虫と一緒に、来春我が家の庭から飛び立つ光景を想像した。

   

 

それにしても、母チョウは我が家の食草に滞在10日ほど、考えもしなかった。

ときどき2~3頭見かけていたが、このジャコウアゲハ、左の尾状突起が破れていた同じ個体だ。

いま、ウマノスズクサガ絶滅危惧種と聞いた。確かにあまり見かけない。

ようやくたどり着いたいのちの草、彼女もそう簡単には離れられないのだろう。

気にはしていなかったが、これまでは通りすがりに産卵というケースがほとんどだった。

前脚で一枚一枚、葉を間違いないかを確認しながら丁寧に産卵していた。

 一休み

  

  

ときどき思う。食草が全てだと。

でも、間違うケースも。近くのヤマノイモに産卵している。ここではウマノスズクサと絡み合っているので心配はないが。

確かに似ている。右下がウマノスズクサ

 

日々、その愛おしいいのちの営みを見つめてきた。

今朝は彼女に会えないでいる。彼女の、元気で精一杯のいのちをを祈った。


雨の中の自然観察

2019-09-02 | 教育を考える

雨の中の自然観察

 J小学校の放課後を利用しての子どもクラブの活動を手伝っている。

これまで、1回目は開講式当日6/21、雨天でもあり、昆虫じいちゃんの自己紹介、少し虫の話し。

教室での話しだけではと、にわかづくりの教材「葉っぱのかたち」に取り組んだ。 

一週間後の第2回6/28は,市のバスをお願いしこどもの森で自然観察を実施した。

3回目の今日は、正味1時間程でそれなりに充実した活動を計画していた。

しかし、出発までが長い。4年生以下の20名、指導付添5名で、30分遅れで出発した。

おまけに、出発直前まで止んでいた雨が、現地に着くころは本降りとなった。

折角の現地の自然の中だ。僅か15分程度だったが、雨の中を池のまわりを巡った。

「自然観察」の趣旨は前回同様、《それぞれの環境で精一杯生きている生きものの姿を見せる》こと。

当初思い描いた内容は消化できず、成り行きでの成果に期待することになってしまった。

マユミの葉にいくつものセミの抜け殻があって助かった。子ども達が争って抜け殻を採集した。

そこでは、アブラゼミ、ミンミンゼミ、♂と♀の判定などで盛り上がった。

ここではあらためてルーペが必要なこと(子ども一人ひとりと、我が視力からも)を思い知らされた。

雨降りにも,山際いっぱいにクズの芳しい香りが漂い、美しい紅ムラサキの花のこと、香り、茎の毛、根からのデンプンクズ粉、

最近、この根を狙うイノシシ、そして、秋の七草のこと等々を熱心に聞いた。

2度と忘れない名前となっただろう。

数名がニホンカナヘビの幼体を捕まえて大喜び、飼い方を聞いてきた。

ある子はアカスジキンカメムシの幼虫を持ってきて尋ねた。
 

今回、是非見せたかったオルリボシヤンマのテリトリー、ホバリング飛翔もこの雨降りでは現れず残念だった。  アジアイトトンボも・・・。

短時間の雨降りの中だったが、もう少し時間があれば...と思った。

 雨がなければ・・・

  アカスジキンカメムシの幼虫

「まとめ」もこの雨降り、バスへ戻って話すことに。

今回は、記録用に『第3回 自然観察 メモ』を準備したが、雨やら、時間やらであわただしく、後で書かせることとした。
   メモの内容   ○見つけた生きもの ・植物 ・虫や鳥など  ○思ったこと、考えたこと
        観察した生きものについて学校や家で本などで調べさせたい。

小雨決行と考えていたが、かなりの降りの中での観察となった。

中止の場合の教室での活動に備え、写真の他、チョウや、セミ、トンボの抜け殻、木の実類などの標本も準備していたが,またの機会としよう。 

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午前中は「森で遊ぼう」の事前調査で、金堀へ。

  

午後は雨の中の「こどもの森」へと、痩せた身には多少応えたが、充実した1日となった。