エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

オオハンゴンソウの刈り取りと赤井谷地

2010-08-26 | 環境問題



 赤井谷地湿原の西側を走る林道脇で、草むらに入って何やら大がかりな草刈をしているグループに出会った。
車を止めると、咲き始めたオオハンゴンソウを刈り取っていた。
10袋位あったろうか、刈り取ったごみ袋をワゴン車の荷台に積みこんでいた。
市の教育委員会の方たちで、赤井谷地への侵入を防ぐためだと説明してくれた。

オオハンゴンソウは (外来生物法)により指定されている特定外来生物である。
 明治中期に観賞用に導入され、その後野生化し、現在では全国に分布する。
日光国立公園の戦場ヶ原や十和田八幡平国立公園では、在来植生への影響が出始めていることから、駆除作業が行われているという。

赤井谷地は「赤井谷地沼野植物群落」として天然記念物に指定されている貴重な湿原だ。
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猪苗代湖の北西岸で,比較的低標高に位置する高層湿原。
およそ4~5万年前の火山の噴火により,猪苗代湖の水位が高かった時期に湖沼であった地域が,
その後の水位低下と陸化によりおよそ2万年前から湿原が形成され今日に至っている。
このような湖沼から典型的な陸化遷移によってできた湿原は,日本では現在のところ赤井谷地しか知られていない貴重な湿原である。
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 会津若松市教育委員会では、最近(平成4年から)、赤井谷地の学術的価値の再検討と現状把握を目的に、
総合的な学術調査が行われ、報告書が作成された。
その調査結果に基づき、『赤井谷地沼野植物群落保存管理計画』が策定され(平成11年)、
天然記念物の管理団体に会津若松市が指定された(平成13年)。
 現在その計画に沿い、湿原からの漏水防止が図られたり、湿原内地下水位の自動計測など、
湿原の乾燥化を防ぐ方策がとられつつあるようだ。
貴重な湿原は今危機状態にあると思う。一度失われた自然は戻らない。


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4 コメント

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残暑お見舞い申し上げます。 (デン)
2010-08-27 21:12:30
相変わらず暑さが続いていますね。
赤井谷地沼は強清水へ続く道沿いあったと思います。戊申戦争の激戦地跡で近くに会津藩士の埋葬地を訪ねた折に脇を通り、一度は見たいと思っているところです。このような所でも外来植物の駆除を行わなければなてらない状況なのですね。

悲しいお知らせを一つお伝えします。
東京で学友であられ、肺がんの闘病生活をされていたK.Iさんが昨日永眠されました。緩和ケアーを受け自宅から安らかに旅立たれことは、本人の望みでもありました。ご冥福をお祈りいたします。
デンさん。ありがとう (会津マッチャン)
2010-08-28 15:50:48
 赤井谷地は、立ち入りはできませんが西側の高台から眺めることができます。植生が変わって、貴重ない生き物も少なくなっているようで残念です。
残念なお知らせいただきました。
 小学生のとき、学校も違うたしか1年間だけ一緒に科学を学びました。1,2年後輩でしょうか、わずかな付き合いでしたが、その後、お互いに何か気が合うところがありました。
 無念だったろうと思います。ご冥福を祈り、Iさんの分も頑張って生きたいと思います。
春車菊の仲間? (あほうどり)
2010-08-29 04:54:20
大反魂草は春車菊の仲間でしょうか?

この春に農家の庭先に咲く春車菊の画を描いたばかりなんで興味を持ちました。

農家の庭先で咲くだけなら綺麗なんだけれど・・

自然界ではやっぱりセイタカアワタチソウとか帰化植物は嫌われますねー それにしてもアメリカ原産がめだちますね。
Unknown (会津マッチャン)
2010-08-31 05:48:48
あほうどりさん、おはようございます。
いつも、秋にはヒメアカタテハがゆっくり蜜を吸いに集まっていました。今年初めて行政執行?貴重な湿原を守るためです、納得しました。
植物や昆虫の勢力争いより、温暖化がもたらす影響が大きいです。
最近、あのきれいだと思っていたオオキンケイギクも特定外来種であることを知りました。
庭に殖えていますがきれいです。
いろいろ考えさせられています。

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