正月早々、二人の台湾人留学生が惨殺された事件は、台湾のマスメディアで大きく採り上げられているようだ。
台湾人の知人は「残念。怖い」と日本語で知らせてきた。
最新の情報では、同じ学校の台湾人男性が行方不明で、事件の重要な鍵を握っていると言われる。
この事件で私が一番印象に残ったのは、被害者・林(リン)さんのお祖父さんがインタビューを受けている映像。お祖父さんは、流暢な日本語で孫の悲運を嘆いていた。
言うまでもないことだが、このお祖父さんは台湾の「日本語世代」のひとり。「日本語がお上手」なのではなくて、かつて日本人として日本語で学校教育を受けた世代だ。もし、このお祖父さんが日本統治時代に恨みをいだいていたとしたら、孫を日本に留学させたりはしない。これで分かるのは、台湾人の親日感情は、現在の日本に対する憧れというよりも、家族の中で世代を引き継がれた感情であることが分かる。もちろん、これは本省人だけの感情だ。
「植民地支配は悪」「戦前、日本は悪い戦争をした」としか教えない日本の学校教育では、このような台湾人の心情は理解できない。
この事件を興味本位で眺めるだけでなく、何故、林さんのお祖父さんが綺麗な日本語で話していたか、ちょっとでも考えるのはムダではないだろう。
<台東女性殺人>被害者はいずれも台湾人留学生
毎日新聞 1月6日(金)0時39分配信
東京都台東区小島2のマンションの一室で5日、女性2人が血を流して倒れていた事件で、2人は首など約10カ所を鋭利な刃物で刺され、死亡したことが分かった。2人はこの部屋に住む台湾人留学生の林(りん)シエイさん(22)と朱(しゅ)立ショウさん(24)。警視庁組織犯罪対策2課は殺人事件と断定し、蔵前署に捜査本部を設置した。
捜査本部によると、この部屋は、2人が通う同区内の日本語学校の寮として使われているワンルームマンションの一室だった。検視によると、発見される1~2時間前に刺されたとみられる。
林さんは、別の部屋に住む2人の台湾人留学生の男性と北海道旅行に行く予定だった。しかし、約束の午前9時半になっても約200メートル離れた都営地下鉄大江戸線新御徒町駅に来ず、学生から連絡を受けた学校の教員が合鍵を使って部屋に入ったという。
林さんは玄関付近でダウンジャケットにブーツ姿で倒れており、近くに旅行用バッグがあったことから、外出直前に襲われたとみられる。朱さんはベッドの上で普段着姿だった。【内橋寿明、小泉大士、喜浦遊】
捜査本部によると、この部屋は、2人が通う同区内の日本語学校の寮として使われているワンルームマンションの一室だった。検視によると、発見される1~2時間前に刺されたとみられる。
林さんは、別の部屋に住む2人の台湾人留学生の男性と北海道旅行に行く予定だった。しかし、約束の午前9時半になっても約200メートル離れた都営地下鉄大江戸線新御徒町駅に来ず、学生から連絡を受けた学校の教員が合鍵を使って部屋に入ったという。
林さんは玄関付近でダウンジャケットにブーツ姿で倒れており、近くに旅行用バッグがあったことから、外出直前に襲われたとみられる。朱さんはベッドの上で普段着姿だった。【内橋寿明、小泉大士、喜浦遊】