大阪でM6.1、震度6弱の地震。
千葉のスロースリップ地震が、内陸部の群馬県にまで及んだと注目されたばかり。まるで、ロシアンルーレットのように、震源地が移り変わる。
先日、日本土木学会が南海トラフ地震が起きたときの被害想定額を発表。1410兆円、国家予算の15年分という、気が遠くなるような額だった。その結果、日本は世界の最貧国の一員に転落するかもしれないという警鐘が鳴らされた。
地震学者は決して断定的な物言いはしないけれども、「今回の大阪での揺れは南海地震の前触れだと考えられます。今後も西日本での大きな直下型地震に気を付ける必要があります」と言い出すジャーナリストが現れた。
いよいよ近づくカタストロフィ。なのに、パフォーマンスだけの都知事サンは「五輪」「おもてなし」の〇〇の一つ覚え。強力な防災対策を進める気は一向にないらしい。
これで、東京五輪が開催できなくなる確率は、五割以上になったと思うのだが、どうだろうか。
「南海トラフの前兆か、大地震が現実的に」と専門家 大阪地震女児ら3人死亡
桐島瞬2018.6.18 13:28dot.
18日の通勤時間帯に震度6弱の揺れが大阪を襲った。専門家は、南海トラフ地震が起きる前に西日本で内陸型地震が頻発することを挙げ、大地震がいよいよ現実的
気象庁によると地震の規模はマグニチュード6.1。高槻市など大阪府北部で震度6弱を観測し、近畿地方の広い範囲で震度5を記録した。大阪府内で震度6弱の揺れを観測したのは1923年以降、初めて。この地震で外壁の下敷きになった9歳の女の子と80歳の男性ら3人が死亡。住宅火災も発生した。
今回の揺れをもたらしたのは「有馬―高槻断層帯」の東端近く。地震学者の都司嘉宣氏は、1995年の阪神・淡路大震災で動いた「六甲・淡路島断層帯」の北側の延長上に当たり、その影響かも知れないと話す。
「六甲・淡路島断層帯は、有馬―高槻断層帯と重なるように高槻を経由して京都付近まで伸びています。95年の地震では揺れが六甲付近で止まっていたので、そのとき残されたエネルギーが今回放出されたのかも知れません」
同じく地震学者の島村英紀氏は「大阪府の枚方市から羽曳野市まで南北に延びる生駒断層帯とも近く、そちらの可能性もある」という。
今回の大阪の地震に加えて、ここのところ千葉、群馬で地震が発生し、桜島では爆発的噴火も発生している。これらは一見無関係に思えるが、東日本大震災でプレートが大きく動いたことで日本列島全体の地震活動が活発になったことが遠因にあるという。
気になるのは、今後30年以内に最大でマグニチュード9クラスが見込まれる南海トラフ地震との関連だ。
「南海トラフ地震のサイクルは100年に一度。すでに前回から72年が経ち、プレート間のひずみがかなり溜まっています。南海地震が起きる前には、近畿地方で地震が多くなることが知られていて、今回もその一つと捉えることができます」(都司氏)
「詳しいメカニズムはわかっていませんが、前回の南海トラフ地震(1946年)が起きる前にも北但馬地震(1925年)、北丹後地震(1927年)、鳥取地震(1943年)といった内陸直下型地震が続けて起きています。同様に5年前には兵庫県淡路島でM6.3、3年前には徳島でM5.1の地震が発生していることを考えても、今回の大阪での揺れは南海地震の前触れだと考えられます。今後も西日本での大きな直下型地震に気を付ける必要があります」(ジャーナリスト・桐島瞬)