自然に<独り勝ち>はなく、適者生存は世界の真理ではない

2022年11月03日 08時33分03秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽デューイの最大の貢献は、彼が革新主義運動の原理であった「メオリズム=人間は自らの知性的な努力によって社会を改良できる」の可能性を論証するため、論理を構築しようと試みた。

▽当時のアメリカ産業は弱肉強食の様相を呈し、生来の優秀性を備えた個人の自由な能力発揮の結果として社会が進化する、との思想がはびこっていた。
このような渦中に、デューイは困難な論争に取り組んだ。
「民主主義と教育」は、その論争に対する彼の応答と言えるだろう。

▽世界は多様な要素で構成され、互恵的・調和的に関連している。
自然に<独り勝ち>はなく、適者生存は世界の真理ではない。

▽環境の変化が起きた際に、人間は協同で新たな文化や関係性を創造することによって、集団で生き残り、社会を更新できる。

▽人間は、理性を持つ唯一の存在として尊重されるべきではない。
知性は環境に適応しようとする全ての生命体の活動に見られ、人間は広く環境に関わることができる。

▽デューイは、課題解決に知性を用いる人間の努力の様式を「民主主義と教育」で「経験」の概念にまとめた。
それは慎重かつ意図的、内省的に解決に向かう人間の行動を意味する。
人間は自らの行動に対して絶対的な確実性を保証することは不可能だが、知性を用いれば、その確実性を最大限まで高められることを示している。

▽豊富な経験を持つ人は、知識(意味)の蓄積と多様な問題に対応する能力を有するゆえに、問題解決の過程を一段と明確に見通すことができる。
その人は、世界で多くの要素と互恵的な関係を築き、宇宙は、その人から行為を肯定的に応答するだろうと信じることができる。
デューイは、この自己信頼の生き方を「宗教的な経験」として論じた。

▽私たちの世界は、科学技術の貢献によって大きく進歩し、生活も豊になった。
しかし、利己主義や、他者の生命を尊重しない思想を持つ人間によって、紛争や戦争、多くの不公正が社会に蔓延している。
どうすれば互いを思いやる人間を育むことができるだろうか。

▽文学が人類の未来を開く鍵である。
文学を読むことが人々の心を変える重要な方法の一つである。
さまざな地域の文学を読むことは、世界を理解するに役立つ。
異なる文化や信念を学ぶことで。人類が共通点を持っていりることを知る。
「文学を読むことで、より深く自身を理解し、人生について新しい視点をもつことができた」などの学生の声が寄せられている。
読書文化をさらに発展させ、次世代を担う人材を育成するこだ。


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