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「研修生」という名の奴隷労働―外国人労働者問題とこれからの日本

2021年04月05日 10時54分03秒 | 社会・文化・政治・経済

「外国人労働者問題とこれからの日本」編集委員会 (編集)

内容(「BOOK」データベースより)

熊本県天草の小さな縫製工場が倒産し、未払いの賃金も取け取れないまま、強制帰国を待つ中国人研修生。しかし彼女たちは、奇跡的にも労働組合のローカルユニオン熊本に出会い、裁判闘争に立ち上がった…。
2008年に熊本で開かれ、参加者に衝撃を与えた「外国人労働者問題シンポジウム」を軸に、非正規労働の最底辺に位置する外国人研修生の問題を広く深く考える。
 
 
 
送り出し国の送り出し機関も日本の受け入れ機関も共に実態は労働者派遣会社である。これは日本の国内法が禁止する二重派遣である。何故国内法が二重派遣を禁止するかといえば、二重派遣は余りにも問題が大きいからである。それなのに国際的な二重派遣を認めている外国人研修制度は制度設計者の悪意を感じる。
 
 
笑われの目に見えないところ実習生達が日本に経済を支えている状況がよくわかる。最低賃金や不安定雇用で働きたくない
日本人労働者。最低賃金でも働きたい実習生(出稼ぎ労働者)。その実習生から不法に搾取する経営者たちの実態が理解できる本。
 
 
米国国務省ですら「人身売買」として批判している日本の技能研修生制度。研修生名目であるが故に労働法の適用を受けないという役所の建前のため、送り出す国でも日本でも悪質なブローカーが介在しているほか、受け入れる企業は単なる安価な労働力と認識して時給300円で残業させ放題、といった過酷な労働条件となっている。結果、研修生の中からは毎年逃亡者も大変多い訳だが、国際問題化する寸前で留まっているのは、送り出し国の役所も「人身売買」利権の一翼を担って利益を上げているためである。

 本書は、熊本で地方労働者団体が中国人ワーカーを救出した後に法廷闘争を実施した際のシンポジウムの記録である。(この事案は大変悪質で、受け入れ企業の経営者が女性ワーカーに性的交渉を強要していたとされる。)労働団体関係者のシンポジウム記録、と聞くとイデオロギー色が強い本なんじゃないかとアレルギーを感じる読者もいるかもしれないが、実際、読んでみるとそれ程でもない。(本シンポジウムに関連の深い全労連:全国労働組合総連合というのは上層部が共産党系だとされているが、他党との連携も行うことがあるようだ。)被害者にしてみると母国の役人も日本政府も全く守ってくれない以上、こうして民間サポーターや労働団体に保護されるしかないため、ここで発表されている情報は貴重な記録であると言えるだろう。

 実際のところ、ちゃんと技能研修を行っている企業や団体も存在すると僕は信じたいが、それにしても余りにも深い「闇」が広がっている領域だ。暗澹たる気分になる。
 
 
 
日中間には、歴史認識で大きな隔たりがある。

誤解を恐れず言うなら、やはり日本はあまりにも
ペコペコし過ぎているし、靖国問題ひとつ考えても
他国には関係のないこと。

しかしながら、日中戦争のさなか
ある一部の日本兵が何らかの残虐な行為を
どんなに小規模であったとしてもやったのは事実だろう

その事実ひとつで、後世の歴史は語られてしまう
日本が満州国建国で、どんなに良いことをしたとしても。

前置きが長くなったけど

先日、東日本大震災で研修生を助けた日本人が
いたというニュースがあった

[・・・]

それとは逆に、この本にあるような事実が
今後ずっとしこりになって残るだろう

日本人はひどい、という記憶が何代も引き継がれるのだろう
それが少数だったとしても
 
 
或る投稿者のタイトルに 「ここで言う「外国人研修制度」とは、国際貢献、人材交流という、美名、建前のもとに行われる、金儲けシステムである」 とあるが、全くその通りですね (タイトル自身には同感です)。

但し、当該投稿者の論点は間違っていると思う。

もしも 「タイトルの通りに考えるならば」、正しくは 「人間が金儲けの心を持つ事を、如何にして全面排除するか」 を議論すべきである。

つまり、「外国人研修制度」 の問題だけで無く、「非正規労働者」 の問題も、根底は同じで、突き詰めれば 「人間が金儲けの心を持つ事」 が諸悪の根源なのです。

更に、もう少し言えば、「人間の物欲(金儲けの心)」、「人間の名誉欲(有名になりたい心)」、「人間の支配欲(他人をコントロールしたい心)」 が、世界中に、害毒を撒き散らしているのです (他人に対する害毒だけでは無く、「人間以外の全ての動植物・類への害毒」 も含めての話です)。

判り難いと思うので具体例を3つ書く:

(1)経済界の連中は、「(相手先国の人々の事など一顧だにせず) 相手先国を経済的に植民地化して、単に、低賃金労働を徹底的に利用し、金儲けをしたいだけ」 と云う事です。
   註:日本でも、ここ20年ほど前から、アメリカを中心とする 「金融資本主義」 を (積極的に)取り入れ、その方向に邁進している。従って、まず最初に「中国に進出し」、労賃が上昇して来ると、次は 「ベトナム辺りに転進し」、・・・、と云う具合です。また、日本国内でも、非正規労働者と云う、いわば 「使い捨ての雑巾的労働者」 の数が (どんどん)増加している。

(2)経済界の連中は、「自国の(汚染防止・等の)種々の規制が厳しいので、それらが(非常に)緩い所の開発途上国で出向いてビジネスをし、相手先国に公害・汚染を (大々的に)撒き散らしても、単に、金儲けをしたいだけ」 と云う事です。
   註:例えば、アスベスト規制が (日本では)厳しいので、「それを大量に使用している所の(昔に建造した)船舶」 の解体作業が日本では (実質的に)不可能なので、「バングラディッシュ辺り」 に持って行って (作業員への防護措置も無く)解体作業を行わせる、と云う具合です。

(3)これは、或る投稿者 {タイトル:「ここで言う・・・金儲けシステムである」} の言う所の「昔の女衒みたいに、・・・」 と云う記述の通りで、要するに、「(来日する人々も) 金儲けをしたい心を持つ」 と云う事が、根源的な悪である。

と云う訳で、人類から、「人間の物欲(金儲けの心)」、「人間の名誉欲(有名になりたい心)」、「人間の支配欲(他人をコントロールしたい心)」 を、全面的に抹殺する事が最上の方策なのです。そうすれば、世界中の人々全員が 「キリスト・マホメット・釈迦・等々」 のようになり得て、皆、幸福感を持てるでしょう(?!)。

まあ、どうせ、近々に人類は滅亡するでしょうから、人類の持つ <物欲(金儲けの心>・<名誉欲(有名になりたい心)>・<支配欲(他人をコントロールしたい心)> を話題にする事も、その内には無用になるかも知れませんね(?)。そういう意味では、日本が (世界に先駆けて)率先して滅亡するのが良いでしょうね、そう思いませんか(?!)。
 
 
外国人研修・技能実習制度の問題について、詳しく取り上げた本は多く出されていますが、外国人労働者との共生の視点で、この国の現状を客観的に捉え、問題提起している書としては画期的ではないでしょうか。今日の雇用破壊の問題に対しても言及し、今後のこの国の在り方に対しても多くの示唆を与える内容となっています。ぜひ、ご一読を!
 

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