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全国がん登録

2019年01月30日 16時29分58秒 | 医科・歯科・介護

1.全国がん登録とは何ですか

「全国がん登録」とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理する新しい仕組みです。この制度は2016年1月に始まりました。

「全国がん登録」制度がスタートすると、居住地域にかかわらず全国どこの医療機関で診断を受けても、がんと診断された人のデータは都道府県に設置された「がん登録室」を通じて集められ、国のデータベースで一元管理されるようになります。
図1 2016年1月からの「全国がん登録」の仕組み
図1 2016年1月からの「全国がん登録」の仕組み
なぜ、国はこのような仕組みをつくったのでしょうか。それには次のような理由があります。

現在、がんと診断された人のデータを余すことなく収集する仕組みには「地域がん登録」制度があります。これは都道府県がそれぞれの自治体内で診断されたがんのデータを集めたものです。

そして、都道府県にがんの情報を提供する仕組みが「院内がん登録」制度と呼ばれるもので、医療機関ごとにがんのデータを収集しています。さらに、国(国立がん研究センター)は都道府県や医療機関からデータを提供してもらい、わが国におけるがんの状況を把握しています(図2)。

図2 今までのがん登録の仕組み(2015年までに診断された患者さんはこの仕組みを使う)
図2 今までのがん登録の仕組み(2015年までに診断された患者さんはこの仕組みを使う)
 
しかし、都道府県ごとにデータを収集していると、住んでいる都道府県以外の医療機関で診断・治療を受けた人や、がんにかかってから他県に移動した人などのデータが重複する可能性があり、正しい情報が把握できないことが指摘されていました。また、すべての医療機関が地域がん登録に協力しているわけではないので、すべてのがん患者のデータを収集することもできていません。

つまり、今の仕組みではより正確ながんのデータを集めることが難しく、わが国の大きな課題となっていました。そこで、国は法律を整備し「全国がん登録」制度と呼ばれる新しい仕組みをつくったのです。

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