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エセー モンテーニュ (著)

2019年12月11日 14時11分30秒 | 社会・文化・政治・経済
 
モンテーニュ (著), 原 二郎 (翻訳)

真実でさえ、時と方法を選ばずに用いられてよいということはない。
私たちはつい、正しいからいいじゃないかと思いがちだ。
科学が隆盛する時代には、DNA鑑定やカメラが捉えているなど、動かぬ証拠が全てだという風潮がある。
にもかかわらず、正しさよりもTPOが先立つことを常に意識する必要があるのだ。
人間は客観的な事実と気持ちの交錯する中で生きている存在なのだから。
モンテーニュ は人間という存在について考え抜いた思想家である。
だからこそ、このことに気付いたのだろう。
真実を追求する科学がもてはやされる今の時代に、ハッとさせられる指摘だと思いませんか。
モンテーニュ の「エセー」には他に現代に通じる金言が、ふんだんにちりばめられている。
山口大学教授 小川仁志さん

TPO(ティーピーオー). Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合。Opportunityと使われることもある)の頭文字をとって、「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。
 

15世紀以前の歴史事例がよく出てくるが、そんなに知識がいるわけでは
ない。邦訳もこなれている。
「あんなことがあって、あんな奴がおりましてね、今日あんなことをすれば
こうなるのでしょうかね」という感じの文章が続くエッセイの古典。お涙、
お笑い頂戴のエッセイではないので、静かな部屋で落ち着いて、ゆっくりと
読む本でしょう。電車の中でなど読まないように。
 
 
ある人の本に紹介されていたので読んでみました。多くの人がレビューに書いているとおり、思いつくままに書かれているのでまとまりがないような感じがしますが、所々に出てくる言葉が「そうだよなぁ〜」と思わされるところがたくさんあります。
そんな意味で自分の思いついたときにマイペースで読める本だと思います。
歳相応に経験したあとに読むと更にいいかも。
 個人的には作者の当時の世界を引用して書いてるのを読んで、「この当時はこんなことがあったんだな」と歴史的なことも知ることができるのがいいな〜と思います。おすすめですね☆


単に、寝ころがってゴロゴロ読んでも面白い本です。

もちろん、笑うための本ではないですが、「ほほほぉ〜なるほどね〜!」と、なかなかに楽しめ、そして、ルネサンス時代の本だというのに、ITグローバリゼーション時代の人間が読んでも楽しめる。そういう意味のある本だと感じます。

そもそも・・・モンテーニュ自身が、さらに昔のプルタルコスの愛読者ですからね!さもありなん。

難をいえば・・・このエセー、一巻買ってしまうと止まらなくなって、結局6巻全部買うはめに陥ります。さらにもしかすると、モンテーニュの巻き添えを喰らってついついプルタルコスを全部集めるはめになってしまいます。
プルタルコスは日本語訳は絶版が多く、すべて買い揃えると結構お金がかかります。さらには・・・そこまで行くと今度はキケローが全部読みたくなって、選集を買うはめになって、これは誠に散財著しいです。


15世紀に書かれたものなのに同感できる。それはきっと、彼が非常に正直に率直に、しかも個人的に文章を書いたからだと思う。
けっして彼のように知識があるわけでもなく、思慮深くもないわたしでさえ、ああ、同じように考えるだろうなあと思ってしまうのだ。
自分はこうですよ、でもこういうのもアリですよね、という彼の言い方にはとっても愛を感じます。
読書に歓びを感じたい人、有意義に時間を過ごそうと思ってない人におすすめ。
とはいっても、読んだことは無駄にはなりませんよ。
何かを得よう、として読んだら「感じられない」と思います。お部屋でベッドに寝そべって読んで下さい。快感です。
わたし個人は後半である第3巻、岩波ワイド版だと5、6巻が好きです。


モンテーニュのエセーは 散歩に似ている。道草しながらも 悠々とその章のテーマを語る足取りは象の散歩のようだ。読む人は ある意味でその足取りに付き合わされる。「早足」の人は 時折いらいらするかもしれない。
それでもモンテーニュは急がない。
小林秀雄は徒然草をこの本に似ていると評しているが 徒然草がいずれも短く切れ味が良いのに比べると 全く違う。敢えて言うと 小林秀雄の「徒然草」は 徒然草自身に似て 短く鋭い散文詩のような作品であることを考えると 誠にエセーの悠々振りが際立つ。
この本は 真面目に1巻から読むような読み方は似合わない。象の散歩のように いつでも何処からでも読み始めて いつでもまた本を閉じる。
そんな読み方が正しいと思う。ゆっくり一生かけて読めば良い。僕も本を買って20年目であるが いまでも新しい。象にとっては20年間も大した年ではないのだろう。



 
 

 

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