NHK
広島と長崎に原爆が投下されてから80年になるのを前に、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会が声明を発表しました。
声明では「今や、被爆者健康手帳所持者は10万人を割り、平均年齢は86歳を超え、残された時間は少なくなりました。一方で、核リスクは極限に達し、科学者が警告する『世界終末時計』が終末まで89秒とこれまでで最短時間を示すなど、かつてない危機に直面しています」と危機感を示しています。
去年、ノーベル平和賞を受賞したことについては「私たちが一貫して訴えてきた『核兵器をなくせ』『戦争をなくせ』『ふたたび被爆者をつくるな』に今こそ耳を傾けようと、ノルウェー・ノーベル委員会が世界に呼びかけたのです。危機感の薄さへの警鐘です。裏返せば、国際社会が被爆者の声にすがらなければならないほど、危機打開の手立てに窮した表れとも言えましょう」としています。
そのうえで「今、最優先の課題は、私たちにそっぽを向いている核保有国を、そのリーダーたちを1ミリでも動かすことです。『核軍縮から廃絶』と『核被害者援助』を進める唯一の実効力ある核兵器禁止条約に早く近づけることです。それには、『唯一の戦争被爆国』を自称する日本政府の役割が不可欠ですが、同条約の締約国会議へのオブザーバー参加さえも拒否」などと核保有国や日本政府の姿勢を批判しています。
そして声明の最後に「私たちの運動は国内外の多くの支援のおかげで持続してきました。この運動を次の世代のみなさんがさらに工夫して築いていかれることを期待します。私たちは、核兵器が人間とは共存できないことを、命ある限り訴えてまいります。国民と世界の皆さん、平和国家の道を確かにして人類の危機を救うため、ともに核兵器も戦争もない人間社会を求めてまいりましょう」と呼びかけています。
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