4/24(金) 16:00配信 AERA dot.
巨人・坂本勇人は新型コロナウイルス最大の被害者の一人だ。
昨年までに1884安打を放ってきた天才打者は、史上最年少2000本安打達成という大記録が期待されたが、プロ野球開幕のメドすら立たない状況下、その偉業への到達は消滅したも等しい。
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これまでの記録は68年、榎本喜八(東京)が達成した31歳7カ月と16日。坂本は今シーズンが予定通り開幕していれば、7月29日までに残り116安打と、十分射程圏内だったが厳しくなってきた。
坂本は06年オフのドラフト1位で青森・光星学院高(現・八戸学院光星高)から入団。2年目の開幕戦で早くも8番・二塁手として先発出場を果たすと、当時の正遊撃手だった二岡智宏の故障も重なり、すぐにショートの定位置を確保した。その後も原辰徳監督の英才教育のもと順調な成長を遂げ、チームの主力選手となったのは周知のとおりだ。
天才的な打撃がウリで12年に最多安打(173)、16年にセ・リーグ遊撃手としては初めてとなる首位打者(.344)と最高出塁率(.433)を記録。守備でもゴールデングラブ賞を3度受賞するなど、攻守にわたって高い能力を示している。甘いルックスとスマートな体型も重なり、巨人の球団史に残るスター選手となった。
「見た目からチャラい印象もあるが、野球に対して本当に真面目。打てなかったりミスすると、泣きながら練習していた時もあった。打撃も天才的と言われるが、とにかくバットをよく振る。あれだけ練習すれば結果が出るのはわかる。若い選手に見習って欲しい」
入団当初からよく知る球団関係者は、坂本の野球に対する姿勢は本物だと語る。
坂本は巨人在籍13年間で7度のリーグ優勝、2度の日本一を経験。近年は腰痛に悩まされることもあるが、一軍定着以来、中心選手として常にチームを引っ張ってきた。
「ジャイアンツで最後までプレーしたいという気持ちを今は持っています」(坂本)一時期はメジャー挑戦も考えたこともあったというが、18年オフに5年の長期契約を結び“生涯巨人”を選択した。
「メジャーに対する憧れは昔から口にしていた。しかし自らの立場などを考えメジャー挑戦を封印し、日本球史に残る選手になることを誓った。その中での目標の1つが最年少2000本安打。本人はかなり落ち込んでいるのではないでしょうか」(巨人担当記者)
小学校時代にバッテリーを組んだ田中将大は、メジャーの名門ヤンキースでエースとも呼べるレベルの投手となり、比較されて悔しい思いもしてきた(小学生時代は坂本が投手、田中が捕手)。様々なメジャーへの気持ちを封印、『日本でトップになる』と決意した矢先に目標を失った失意は大きいはずだ。
「口にはしないがやり切れないだろう。無念なはずなのに、今まで以上に熱心に野球に取り組んでいる。何かが吹っ切れたようです」と、前出の球団関係者は坂本の前向きな姿勢を大絶賛する。社会情勢も不安定な中、他球団からはトラブルも聞こえてくる。いつ開幕できるかもわからない。そんな中でも坂本は連日、準備を欠かさないという。
史上最年少2000本安打達成できなくとも、坂本の価値が決して下がることはない。そして、これから狙えるものは他にも沢山ある。
張本勲氏(元東映ほか)が達成した3085本の最多安打。そして立浪和義氏(元中日)が打ち立てた487本の最多二塁打(現在坂本は348本)という2つの大記録更新の可能性がある。昨シーズンはキャリアで2番目に多い173本のヒットをマークし、本塁打は自己最多を大きく上回る40本塁打を記録。円熟期を迎え、まだまだ成績が伸びそうな予感が漂うだけに、期待は大きい。
「試合数は異なるとはいえ、張本氏、立浪氏とも左打者。右投手が圧倒的多数であり、一塁への距離も近い左打者が有利なのは間違いない。右打者の坂本が成し遂げる意味は大きい」と巨人担当記者が続ける通り、これまで打撃記録を達成した多くは左打者だった。その壁を乗り越えることで、坂本は打撃技術の高さが史上最高レベルにあることを証明することになるだろう。
グラウンド内だけではない。私生活でも歴史に残るインパクトを残す可能性がある、と語るのは在京テレビ局関係者。
「モテ男だから各界女性からラブコールがひっきりなし。12月で32歳という年齢的にも結婚を考えていてもおかしくない。野球選手にありがちな女子アナなどではなく、誰もが知る超一流芸能人と結婚の可能性もある。かつてのジョー・ディマジオとマリリン・モンロー級を目指して欲しい」
ディマジオは56試合連続安打のMLB記録保持者でヤンキースの大スターだった。引退後に大女優モンローと結婚し、新婚旅行では日本を訪れるなど全世界を騒がせた。仮に坂本が人気絶頂の女性、例えば乃木坂46・白石麻衣や女優・本田翼などと結婚するようなことがあれば、それこそ世の中は大騒ぎになるだろう。
惜しくも最年少2000本安打達成は非常に厳しい状況となったが、多くの日本記録更新の可能性が残っている。そして近年少なくなった周囲を魅了するスター性もある。公私ともに話題を集められる坂本は大物だ。非常事態下の我が国において、スポーツの果たす役割は微妙たるものだろう。しかしこんな時代だからこそ明るい話題を提供して欲しい。坂本勇人にの“今後”には大いに期待したい。
最終更新:4/24(金) 17:36
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