兵庫県知事選から、その言動がさらに注目される『NHK党』立花孝志氏
『NHKから国民を守る党』立花孝志氏の言動がますます注目を浴びている。
11月29日には自殺した兵庫県庁職員のPCの中身を公開。
また、12月2日に斎藤元彦兵庫県知事を公職選挙法違反で郷原信郎弁護士が刑事告発したことが明らかになると、 「これは郷原弁護士による完全な虚偽告訴罪だと思料します」 と、公式Xで刑事告発することを宣言。
“告発合戦”の様相を呈してきた。 だが、この少し前、立花孝志氏の『NHKから国民を守る党』をめぐり、注目の判決が下されている。NHK党がジャーナリストの「選挙ウォッチャーちだい」こと石渡智大氏を名誉毀損で訴えていた訴訟で、東京地裁は11月27日、原告の請求を棄却した。
◆事実関係を争わず棄却 そもそも事の発端は、今年7月の東京都知事選挙におけるNHK党の選挙掲示板の使用に関し、ちだい氏がSNSや動画サイトで同党を 「反社会的カルト集団」 「サリンをまかないオウムみたいなもん」 などと発言したこと。
原告のNHK党は 「原告を裏切った人やその家族を大量に殺害する危険な宗教団体であるという事実を摘示して、原告の社会的評価を低下させるものである」 と主張し、160万円の損害賠償を求めて提訴した。
これにちだい氏側は「反社会的カルト集団」と論評した根拠となる18の事実を提示。NHK党側は大半について事実関係を争わなかったため「裁判上の自白」(民事訴訟法179条)が成立し、訴えを棄却した。
裁判長は「反社会的カルト集団」などの表現について 「原告について、違法と評価される行為を平然かつ盲目的に次々と行う集団又は団体であると述べていると解される」 などとし、 「原告に係る特定の事実を摘示したものとは認められず、意見あるいは論評を表明したものと認められる」 と述べた。
NHK党の立花氏はただちに控訴を宣言したが、「裁判上の自白」が成立しているため、高裁で判決が覆る可能性はほぼゼロ。
ちだい氏は判決後の会見で 「裁判所はNHK党を『反社会的カルト集団』と呼んでもなんら問題がないとの判断を示した」 と胸を張った。
判決日同日、立花氏は自身のユーチューブチャンネルを更新し、12月8日告示、15日投開票の大阪・泉大津市長選に出馬する考えを明かした。
かねて来年1月の兵庫・南あわじ市長選に立候補する考えを示していたが、1ヵ月前倒しで別の市長選に出馬意欲を見せたのである。
これに永田町関係者は 「ちだい氏との判決日当日に泉大津市長選出馬をブチ上げ、話題を散らせて裁判のニュースをかき消そうと考えたのでしょう」 と指摘する。
もっとも立花氏は 「泉大津市選挙に立候補を決めました。泉大津市に父親と母親が大阪に移住して、生まれてきたのが私です」 とアピールしているが……。
◆話題をばら撒くだけ撒いた先には…… 前出の永田町関係者は 「市長選には現職の南出賢一市長が立候補を表明していて、ワンサイドゲームになる。本当に(立花氏が)出るのか、私は懐疑的ですね」 と語る。 立花氏は立候補の理由について、くだんの動画でこうも話していた。
「マスコミがすごく変な動きをしている。立花を完全に無視するというような動きがある」
「マスコミの動きを知るために立候補する。私の敵は兵庫県の県議会よりもテレビや大手新聞のオールドメディア」 と、最近のトレンドである「vs既得権益」の構図を押さえているのはいいとして、マスコミが“無視する”とはどういうことか。
「立花氏は兵庫県知事選で斎藤元彦氏を再選させたという自負があり、大手メディアが己を“目の敵”にしていると言いたいのでしょう」
無視をするなら、それは“嫌がらせ”だと。しかしメディア側から言わせると、単に立花氏が扱いにくいだけ。
議論しても平行線だし、映像を撮られて、本人の許可なく晒される可能性もある。ましてや、『反社会的カルト集団』扱いされているんですよ。
いくら選挙とはいえ、そんな集団の主張を公共の電波を使って垂れ流すのはいかがなものか」(テレビ局関係者) 良くも悪くも話題を提供することで、存在価値を高めてきた感もある立花氏。
メディアが続々と撤退すれば、さらに先鋭化することも予想される。
「大手メディアが無視すれば、SNSや動画を介して支持者と独自のコミュニティーを形成することも考えられます」(同・テレビ局関係者)
兵庫県知事選では百条委員会委員長の自宅兼事務所への街宣での名誉毀損と脅迫容疑で刑事告訴される見込みだ。
刑事告発や立候補など、次から次へと“新たな一手”を打ち続ける立花氏。だが、“包囲網”は徐々に狭まっているようだ――。
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