日本発達障害ネットワーク(JDDnet)は、発達障害関係の全国および地方の障害者団体や親の会、学会・研究会、職能団体などを含めた幅広いネットワークです。
我が国における発達障害を代表する全国組織として、従来制度の谷間に置かれ支援の対象となっていなかった、あるいは適切な支援を受けられなかった、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害のある人およびそのご家族の権利と利益の擁護者として、理解啓発・調査研究・政策提言等を行い、発達障害のある人の自立と社会参加の推進に向けて活動を行っています。
発達障害とは
すべての子どもたちはいろいろな可能性と個性をともに持って生まれてきます。発達障害というのは、そうした生まれながらの可能性や個性のあり方の1つだと私たちは考えています。
それらは、基本的に脳の機能的な問題が原因で生じているものです。障害という言葉は、成長の中で「困ること」が生じる場合につけ加える言葉です。
従って、その人の置かれた場所で「困ること」が全く生じないとしたら、リスクとしては何らかの障害になりうる問題があったとしても、障害ととらえる必要はありません。人々が発達障害の人たちのことを正しく理解し、その人が「困ること」をしっかり把握できることで、よりよく発達障害の人が生きていけることになります。そうやって、他者のことを考えられる世の中は、すべての人にとってもよりよい世の中になるだろうと信じます。
発達障害の代表的なものとして、知的障害、広汎性発達障害(自閉症)、高機能広汎性発達障害(アスペルガー症候群・高機能自閉症)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害などがあります。
発達障害といっても状態像は多様です。また、同じ診断名でも、子どもの個性や、発達の状況や年齢、置かれた環境などによって目に見える症状は異なります。
さらに、発達障害があっても、その人ごとの人がらがあります。障害があるということでひとくくりにするのは間違いでしょう。一人一人のことをしっかり理解しようとすることが大切です。
特に、自閉症を中核とする自閉症スペクトラムとも呼ばれる広汎性発達障害等の場合、その半数ほどは知的障害をもちません。
そうした高機能では今まで一般的にとらえられていた障害というイメージとは一見異なるように見えます。
しかし、幼少時からの一貫した指導がないと二次的な問題が大きくなり、知的な能力は高くとも社会適応は難しくなることがあります。
発達障害の人たちの場合、問題となるリスクを減らしていく意味でも、彼らのよりよい人生を確かなものにする意味でも、早期からの専門的な療育や発達支援が必要です。
日本発達障害者ネットワーク理事長になって
日本発達障害ネットワークは、発達障害のある方々が社会生活を送る上で様々な困難を来すことがないよう、あるいは困難に直面した際に支援をするために活動しています。
現在、当事者団体、職能団体、関連学会・研究会を中心に18の正会員団体と、当事者団体を中心とした43のエリア会員団体を有しており、単純に加盟団体の会員数を加えると15万名に達しています。
平成16年2月から12月まで発達障害者に関する検討会が厚生労働省で開かれ、文部科学省の関係者も同席していました。
当事者団体の関係者、国会議員、学識関係者などが話し合いをもち、先進的に対応をしている団体についても学びました。発達障害者支援法は、超党派の議員による議員立法として、平成16年12月3日に参議院の本会議を通過して成立しました。
この日に、検討会に関係した団体や個人が中心になって、この法律の円滑な運営を見守るためにJDDnet準備会が発足しました。超党派による「発達障害の支援を考える議員連盟」も設立され、現在は尾辻秀久会長を中心に150名の国会議員が参加して発達障害の支援が行われています。
平成17年12月3日にはJDDnet設立フォーラムが成蹊大学で開催され、正式に発足しました。発達障害は社会のさまざまな面で話題になり、“からかい”、“いじめ”、“不登校”、“ひきこもり”、“虐待”、“嗜癖”、“理解できない行為”など発達障害の裾野は拡がっているように思われます。
多くの社会的話題は発達障害への理解が不十分なことに基づいていると思われます。法律が成立して約10年経ち、発達障害は徐々に認知されつつありますが、その本当の理解はまだまだ不十分な面が多いように思います。
各会員団体などが力を合わせて、発達障害の理解啓発に努めるとともに、当事者・家族の立場に立った支援の充実に努めて行きたいと考えています。
市川 宏伸
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