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IOCの横暴か?選手第一か?

2019年11月04日 01時46分27秒 | 社会・文化・政治・経済

海外メディアは東京五輪マラソンの札幌移転をどう報じたのか

11/2(土) THE PAGE

東京五輪のマラソン・競歩競技の札幌への開催場所変更案が1日、正式決定した。東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪・パラリンピック組織委員会、政府の4者による調整協議が1日、都内で開かれ、条件付きで札幌への変更に反対していた東京都が受け入れた。事前協議なしに突然、一方通行での場所変更を決めたIOC及び組織委員会に不信感を抱いていた小池百合子知事は、最後まで同意はせず、「合意なき決定だ」と苦渋の選択であったことを明らかにした。

移転経費を都が負担しないこと、都と組織委員会が支出してきたマラソン、競歩の経費を精査、検証の上、別の目的に使用できないものは都に負担させないこと、他競技の開催地変更はもう行わないことが“交換条件”となり、メダル授与式は新国立競技場で行われ、パラリンピックのマラソンは東京で予定通り開催されることが決まった。


 また都民感情を抑えるため五輪後に「オリンピック・セレブレーションマラソン」というマラソン大会を東京で行うことも提案された。選手ファーストなのか、IOCファーストなのかわからない、不可解な突然の開催場所変更を海外メディアはどう伝えたのか。

 ガーディアン紙は「東京がマラソンを札幌に移す『苦渋の決断』を受け入れる」との見出しを取って「IOCによる驚きの決断に反対の姿勢を示していた東京都の小池都知事が不本意ながら(その意見を)取り下げた」と事実関係を伝えた。

 同紙は、「東京の7月と8月は、選手たちに不快感を与える高い湿度に加え、気温はしばしば30度を超える。1972年の冬季五輪を開催した札幌の、その時期の気温は日中で6度ほど低い。1964年の東京での前回の夏季五輪は10月に開催された。今回の動きは、東京のうだるような夏の暑さと湿度に、選手や観衆がさらされるのを防ぐために、2週間前に人気競技(のマラソンの開催場所)を移す判断がIOCから突如発令されたものだ」と、今回の開催場所変更の理由が、暑さ湿度の対策だったことを紹介した。

 だが、その一方で、東京都が、猛暑対策として、男女マラソンのスタート時間を午前6時、競歩を午前5時半に繰り上げ、コースの一部には、温度を下げるミストシャワーを設置し、道路上に遮熱性塗装を施すなどの努力をしてきたことも追記。
 また今回の札幌移転案が、表沙汰になってから東京は午前3時スタート案を持ち出し、IOCが「実行不能と退けていたこと」も伝えた。

「東京が、今、移転反対を取り下げたとしても開催地と五輪主催側は負担経費について話し合わなければならず、すでにチケットを購入し日本の首都の宿泊先を予約していた観客からの苦情にも対応しなければならない。長距離走の人気は、日本ではとても高く、マラソンは東京で大きな観衆を呼ぶことが予想されていた」と問題も提起した。

一方で、IOCの強引な手法に批判的だったのがワシントンポスト紙だ。同紙は「クールランニング。激しい論争の後、東京が五輪マラソンを少し涼しい天候の地へ移すことに合意」との見出しを取り、東京五輪のマラソン、競歩の開催地が、正式に札幌へ変更されたことを伝えた。
 開催地変更決定に至る4者協議の内容を伝える中で、「ジョン・コーツ調整委員長は、IOCのトーマス・バッハ会長が東京都民に今回の判断への理解を求める手紙も読み上げた。IOCは、東京がマラソンと競歩の開催地変更に関する費用を支払わず、競技開催のために負担した都市側の費用についても返済することに合意した」と説明。

 今回の騒動を「東京とIOCは、2013年に日本の首都での五輪開催をすると宣言した際に、夏の高い気温に関する懸念をはぐらかしていた。東京への招致では、東京側は『東京は、選手たちが最高のパフォーマンスを出せる温暖で晴れの日が多い理想の天候にある』と主張。IOCは『天候的な理由から(東京を)選んだ』と言及していた。専門家は、夏に五輪を開催する本当の理由は『天候ではなく金にある』と話している。五輪が開催される8月は米国や世界各地のテレビ放送の要求に合致し、最も利益を生む時期にある」と、IOCへの皮肉をこめてまとめた。


 海外のメディアや、ファンも9か月後の東京五輪への関心はまだ薄く、これらの記事に対するコメントもそう多くはなかった。
 だが、「東京のコンディションがどれだけ完璧なものなのか実証するために、都知事を華氏90度(摂氏約32度)、湿度60%の部屋に呼んでランニングマシンでマラソンを走らせるべきだったんだ」という選手ファーストの場所変更を支持する声や、「なぜ今頃までこういう問題を放置してきたのか」と、開催地決定から、6年間も、この問題が放置されてきたプロセスを批判する声も寄せられていた。

 選手ファーストの見地から東京の酷暑で行うマラソンに対しての議論が起き、開催場所変更案が出るのはもっともだが、なぜ、その指摘が今ごろになったのか。

突然の変更が、先のドーハの世界陸上での棄権者続出の悲劇を受けてのものであるならば、もし世界陸上がドーハで行われていなければ、このまま変更がなかったのか。

東京を開催地に選び、その後の準備、運営を定期的にチェックしてきたはずのIOC側の横暴はもっと厳しく批判されるべきで、今後の五輪のあり方も考え直す必要があるのだろう。


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