コロナだけじゃない!?日本人の死因の第3位が「肺炎」って知ってた?

2021年01月20日 14時37分45秒 | 医科・歯科・介護

1/20(水) 12:16配信

OurAge
肺炎というと、“お年寄りがかかりやすい病気”と思っていないだろうか?新型コロナウイルスの感染拡大で身近になった「肺炎」について、呼吸器外科医の奥仲哲弥さんに詳しく聞いた。

現在、日本人の死因の第3位が「肺炎」という事実!

改めて「肺炎」の怖ろしさを認識した昨今。あなたの肺は大丈夫?

新型コロナウイルスの感染拡大で、私たちは改めて「肺炎」の恐ろしさを身近に感じるようになった。
「コロナ禍以前から、肺炎は日本人の死因の第3位なんですよ。にもかかわらず、これまで肺炎があまり注目されなかったのは、肺が丈夫な臓器で機能の低下もじわじわとゆっくり起こることが多く、心臓病のように直ちに命を落とす危険性が少ないからかもしれません。

肺炎というとお年寄りの病気のイメージですが、最近は若い世代でも罹患するケースが増え、全世代で肺機能が弱っている傾向です。若いスタッフと階段を上っても、私より先に息切れしていることも多い(笑)。肺の機能が低下すると肺炎が重症化しやすいので、日々の“肺活”はとても重要です」と奥仲先生。

厚生労働省の調べによると、肺炎は2017年以降、日本人の死因の5位となったが、これは肺炎と誤嚥(ごえん)性肺炎を分けて集計するようになったため。そのふたつを合計すると死因の3位になる。

“全世代で肺機能が弱っている傾向”にある昨今。コロナの重症化もお年寄りだけの心配でないことがうかがえる。では、肺機能の低下を日常の中で知ることは出来るのだろうか? 次回は息切れや長引く咳と肺機能の低下の関係についてお伝えしよう。

教えてくれたのは

奥仲哲弥さん
呼吸器外科医。医学博士。山王病院副院長・呼吸器センター長。国際医療福祉大学医学部呼吸器外科教授。専門は肺がん治療で、呼吸法や呼吸筋ストレッチなどの普及にも尽力。著書に『医者が教える 肺年齢が若返る呼吸術』(学研プラス)
 
取材・原文/山村浩子

 

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変われない人に特徴的な思考パターン

2021年01月20日 14時32分05秒 | 社会・文化・政治・経済

2019.07.2 coachingjapan


自分を変えたい、人生を変えたい、と思っていても変えられない人がいます。そういうとき、人は、「変われない理由」ばかり見つけようとしています。

変われない理由があると、「こういうわけで、自分は変わらなくても良い」と納得することができるので、そこから何も変わらなくなります。

よくあるのが、

・親が悪いから
・国が悪いから
・社会が悪いから
・遺伝だから
・過去や前世がそうだから

などです。

そしてこれらを恨んだり、怒ったりするだけになります。原因は自分ではなくて、自分の外側に求めます。けっして、「私がずぼらだから」とか、「勉強をしていないから」などの自分で変えられるものに原因を求めません。また、簡単に変わるようなことを理由にしません。

もし、変えられるものに原因があるとすると、自分が悪いということになってしまいます。そうすると、「自分で変わらないようにしている」という事実を突きつけられてしまうので、そういうことはしないのです。

簡単に変えられない方が、自分も他の人も納得しやすいので、難しい理由にします。「飲み会に行っているので、ビジネスに使うお金がない」などというと「じゃあ飲みに行くのやめろよ」と言われてしまいますね。だから、「政府が」「親の教育が」という話にしてしまいます。

難しい理由で変われないと思いたい人はたくさんいるので、そういう人たちが集まって、その理由を強化していきます。やっぱりできないよね。社会が悪いよね。毒親のせいだね、と、盛り上がってしまうのです。「プログラマーになって年収を上げよう」「ビジネスを一生懸命やろう」などと考えるのは、大変なのでやりません。

この変われない理由探しは、本当に恐ろしいものです。以前、私はネットであるブログを見つけました。そこには、親のせいでダメ人間になった、と書いてありました。

その親というのが、エリートビジネスマンのお父さんで、何でも買ってくれて、教育熱心で、子供にも理解がある人でした。私には、よくある、アッパーミドルの家庭にしか見えませんでした。しかし、そのせいでダメ人間になった、と主張していたのです。

これでは、どんな家庭環境であっても、親のせいにできてしまいます。本人はそれを固く信じているので、当たり前のことだと思っています。こんなふうに、変われない理由探しは、どんな状況でもできてしまうので、とても危険なのです。

こういう人は、どんな境遇であっても、人のせいにしてしまいます。人からしてもらったことへの感謝を忘れて、どんなに良いことでも、悪いことに変換してしまうのです。もちろん悪いことが来たら、そのままにしておきます。

「変われない理由が正しい」理由を探す

変われない理由を探す人は、次に、「変われない理由が正しい」という理由を考え続けます。

自分の考えや、偉い人の言ったことや、学問などを使って、徹底的に自分の説を強くしていくのです。

・社会の制度がいかに間違っていて、一市民にはどうしようもできないか
・毒親にこんなことや、あんなことをされた
・遺伝は科学的に何%の影響がある

などです。このようにして、自分の説をどんどん強化して、「変われない自分」もどんどん強化していきます。もちろん、他にも同じような人がいるので、強力な理論ができていきます。学問的でカッコよく見えるので、そこで満足してしまいます。

これは、はっきり言って「すごく無駄な時間」になります。

そういう暇があったら、政治家にメールしたり、会いに行けばいいし、セミナーの一つでも行けばいいのです。その時間に、家の中を掃除して、片付けしたりした方がよほど人生が良くなるというものです。

変われない理由を考えている人は、頭が悪いというわけではありません。少なくとも、「変われない理論」を作れるくらいには、頭がいいのです。ただ、方向性が間違っているので、どうしても無駄なことをしてしまします。

優秀なコンピューターでも、何を計算させるかによって、有用にも無駄にもなります。無駄なことを高速で処理したところで、やはり無駄です。ゴミしか出てきません。それなら、何も考えずにジョギングでもした方が有用です。

変わらないものに原因を求める人の悲しい結末

変わらないものや、変えるのが難しいものに原因を求めて諦める、というのは一見楽なことに見えます。確かに、労力も創造力も使わないのですから、その意味では楽なことは確かです。

しかし、これはものすごいマイナスを含んでいます。何かというと、生命力が下がるのです。心理学で、電気ショックを犬に与える実験があります。一方の犬は、電気ショックを止められるのですが、もう一方の犬は、止められずに、電気ショックを受け続けます。

その結果、電気ショックを止められない犬は、諦めて、へたり込んでしまいます。そして、うつ病と同じ状態になるのです。これは、学習性無力感と言います。

変わらないものに理由を求める人は、自分から、電気ショックを止められない犬になっているのです。無力感を感じて、生命力が大幅に下がり、うつ病のような状態になる人もいます。もっと言うと、死ぬ人もいます。

楽な方に流されているつもりが、抜け出せないようなものすごく辛い状況に自分を追い込んでしまうのです。何をしても無駄だ、お先真っ暗だという感じになります。

私は催眠術を使って無気力状態から抜け出してもらうことはできるのですが、人のせいにして変わろうとしない人にセッションはできません。自分事だと思える人じゃないと、成長することはできないのです。

そういう人は、私と話をしても、ストレスになったり、怒りが湧いてくるだけなので、損するだけです。

変わるためには、変えられるものにフォーカスする

変われない人が、変われる人になるにはどうしたらいいかというと、自分に原因があることを認めなければいけません。自分が変わらない状態を作っているのは、自分以外にありません。

そして、自分の考えや行動は変えることができます。考え方や行動が変われば、必然的に自分を取り巻く状況は変わるのです。

年収が不満なら、仕事をもっとやったり、やり方を工夫したり、起業や転職を考えれば良いでしょう。また、年収が高い人や、ビジネスが上手くいっている人に、相談すればいいのです。

また、友達が欲しいなら、新しいグループに入ったり、自分が行かないところに足を運んでみればいいです。人のいいところを見たり、人によくしてあげられるようにしていけば、人から好かれたり、頼られたりするようになります。

国や親や、過去のせいにしていたら、文句を言っているだけでいいのでとても楽です。ただそれは、いばらの道ではないかもしれませんが、地獄につながっている道です。破滅したいのならそうしてください。こんなにきつく言うのは、私が破滅した人を何人も知っているからです。文章では、これくらい言わないと、伝わらないでしょう。

自分の思考や行動を変えることは大変なので、自分以外のものに責任転嫁をしたくなります。しかし、そうやっていたら、何も変われないし、自信もなくしてしまいます。本当に人生を変えたいと思っているのなら、自分が変わると決めるしかありません。

そうしたら、自信が出てきて、余計なことは気になりません。人の気持ちを変えるのは難しくても、自分の行動や思考は変えられます。変えられることにフォーカスして、前向きに進んで行く方が良いのです。

変われる理由を考える

変われない人は、変われない理由を考えるというお話をしてきましたが、変わりたいなら、変われる理由を考えましょう。変われる理由を考える脳の回路を使っていないだけなので、そこを強化してあげればいいのです。

脳の神経回路は、使えば使うほど強くなっていきます。スポーツの新しい技を覚えるのと同じことです。

具体的には、変われない、できないと思ったときに、変われる理由や、できる理由を紙に書き出します。

・内気なので恋人はできない → 内気な人の方が合う人がいる
・遺伝なので、頭が悪い → 小学生レベルからやり直せばいい

こんなふうに、変われる理由やできる理由を考えていきます。ないと思っても、絶対にありますので、あるという前提で探しましょう。

変われる理由が考えられるようになると、何かやってみようという気持ちになるし、どんな状況であっても解決法はあるはずだと思えるようになります。何もできない、と思っていたときよりも、やる気や自信が高まるでしょう。

具体的にやることは、小さなステップに見えるかもしれませんが、それは実は大きな違いなのです。スポーツも、毎日同じような練習をしているようでも、3年くらいやったら、比べものにならないくらい上達しています。

変われる理由や、できる理由を考えて、一つ一つ試したり、実践したりしていくことがとても大切です。その積み重ねで、人生が大きく変わっていくのです。

自分以外のせいにするのをやめる

そして、自分以外のせいにするのもやめましょう。もし、そう思ってしまったら、そのたびに修正してください。

自分のビジネスが上手くいかなときに、「政府が」「親が貧乏で」などと考えたら、「これはダメだ」と止めましょう。そして、「自分のマインドセットは正しいのか」「十分行動できているのか」などのように修正しましょう。

もちろん、国の経済が沈めば、その影響を受けることはあります。しかし、その中でも、上手くいっている人がいるし、伸びている人がいるのですから、やはり自分が原因なのです。

そもそも、国のせいにしたって、何も進歩はしません。自分の行動として、地元の政治家にアドバイスや援助を頼むならいいですが、言い訳をしているだけでは、変わらないのです。

コーチングでは、自己責任という重要な考え方があります。自己責任は、自分の思考や行動は、自分で選んでいるということです。もちろん、その結果に対しても選択があるので、その意味で結果責任も含んでいます。誰かの責任ではありません。

自分が変わらないは自己責任です。ただ、自己責任は、一人でなんとかする、という話ではありません。自己責任をちゃんとわかっている人は、人に頼むことができます。

サラリーマン思考や、労働者思考ではわからないかもしれませんが、自分でビジネスをやっている人は、自分の行動次第で売り上げが変わったりするので、自己責任がよくわかります。状況を変えるために、人に頼むのは当たり前のことです。

サラリーマン思考だと、基本的に給料も変わらないので、「今月の給料が3分の1になった!」ということは滅多にありません。責任も曖昧なので、自己責任が理解しにくいのです。日本の企業は特に責任が曖昧です。

世の中、働く人の9割近くは労働者なので、自己責任という考え方は一般的でないかもしれませんね。しかし、ビジネスに限らず、人生のどんな面でも、最後は自分はどうするのか、しかないわけです。

変われない理由を考えることも自己責任だし、今やめるか、続けるか選べるます。もちろん癖になっているからすぐに直らないこともありますが、直すと決めるのも自分で選べます。

まず、変われない理由を考えて、何かのせいにすることをやめてください。そして、新しい思考を身につけるために、自分の考えを修正していきましょう。

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人気商売の「ヤクザ」はどう変わったか 「暴排条例」全国整備完了から10年が経過して

2021年01月20日 14時30分07秒 | 事件・事故

1/20(水) 11:01配信

デイリー新潮

6代目山口組の司忍組長

 去る1月14日、一般市民を狙ったとされる4つの事件で殺人などの罪に問われている、北九州の特定危険指定暴力団「工藤会」のトップ・野村悟被告に対し、検察は死刑を求刑した。暴力団排除条例はこれらの事件が発端となって施行され、全国に整備が展開。2011年に完了した。それから10年、どんな変化があったのか。暴力団の動向に詳しいノンフィクションライターの尾島正洋氏がレポートする。

暴力団を離脱してうどん店に命を懸けた男 「警察に呼ばれて…」

 全国の暴力団構成員が近年、減少の一途をたどっている。

 暴力団構成員は最盛期だった1963年には10万人を超えていたが、警察庁の最新データとなる2019年末時点では約1万4400人となっており大きく減少した。

 1992年に施行された暴力団対策法の運用が本格化したほか、バブル経済が崩壊したことでシノギと呼ばれる資金獲得活動が困難になったことなども要因のひとつとしてあげられる。

 しかし、長年にわたり暴力団犯罪の捜査を指揮してきた警察当局の捜査幹部らは、「暴力団排除条例(以下、暴排条例)が全国で整備されたことが最も大きく、効果的だった」と指摘している。

 今年は暴排条例が2011年に全国での整備が完了してから10年を迎える。減少傾向著しい近年の暴力団情勢を振り返る。

みかじめ料の支払いを禁じ

往時の工藤会の事務所

「暴排条例の大きな特徴は、繁華街の飲食店などがみかじめ料(用心棒代)を暴力団側に支払うことを禁じたこと。悪質なケースは店舗名や企業名が公表される。これは営業面でイメージダウンとなることは間違いない。条例をきっかけに法人、個人の暴力団との絶縁がかなり進んだ」

 と、前出の捜査幹部が成果を強調する。

 減少の傾向は国内最大の指定暴力団・山口組も同様だ。

 山口組は内紛から2015年8月に分裂し離脱グループが神戸山口組を結成、対立状態となったが、分裂前の2014年には約1万300人の構成員が確認されていた。

 だが、2015年末には山口組約6000人、神戸山口組約2800人となり、分裂を勘案しない元々の山口組系と捉えると約8800人で1万人を割り込んだ。

 減少傾向は続き、最新データとなる2019年では、山口組約4100人、神戸山口組約1500人と6000人を割り込んでいるのが実態だ。

 首都圏を拠点に長年にわたり活動している指定暴力団のベテラン幹部も、「長いこと一緒にやっていた連中で、暴排条例が出来てからヤクザを辞めていく者が急に多くなった。(資金提供をしてもらっていた)カタギ(一般人)の方から『付き合えなくなった』と言われて急に関係がなくなってしまったようだ。急にいなくなるなど、行方不明ということも多い」と実情を明かす。

 暴排条例以前の警察による暴力団の取り締まりは、暴対法の運用がメインだった。

 暴力団による繁華街の飲食店などからのみかじめ料の徴収の禁止や、対立抗争事件が起きた場合には事務所の使用制限など活動に制限を設けた。

 しかし、みかじめ料の徴収が発覚しても公安委員会から中止命令が出されるだけで、暴力団側からすると、「恐喝で逮捕されるよりは、中止命令で済むなら軽いもの」という感覚だった。

 

「カタギのみなさんに…」
 特に工藤会については、

・1998年の元漁協組合長射殺事件
・2011年の建設会社会長射殺事件
・2012年の福岡県警元捜査員銃撃事件
 
 などの凶悪事件を引き起こしたとして、トップらが逮捕され組織が大きく縮小した。

 工藤会に対しては、同業者も冷ややかだったようだ。

 都内を拠点にしている指定暴力団幹部は当時、「カタギのみなさんにかわいがられることもヤクザの仕事のうち。スナックのママさんらを切り付けることにどのようなメリットがあるのか」と懐疑的な見方をしている。

 福岡県で始まった暴排条例は全国で順次、施行が続き、2011年10月に東京都と沖縄県で暴排条例が施行され全国整備となった。

 暴排条例の規制により暴力団側への資金提供のパイプが大幅に縮小したことが暴力団構成員の減少にもつながっているのが実態となっている(後編に続く)。

尾島正洋
1966年生まれ。埼玉県出身。早稲田大学政経学部卒。1992年、産経新聞社入社。警察庁記者クラブ、警視庁キャップ、神奈川県警キャップ、司法記者クラブ、国税庁記者クラブなどを担当し、主に社会部で事件の取材を続けてきた。2019年3月末に退社し、フリーに。著書に『総会屋とバブル』(文春新書)。

週刊新潮WEB取材班編集

2021年1月20日 掲載

 

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多摩総合医療センターと墨東病院職員がコロナ感染 - 東京都が発表、入院・外来の通常診療は継続

2021年01月20日 13時59分15秒 | 医科・歯科・介護

1/20(水) 14:15配信

医療介護CBニュース
 東京都新型コロナウイルス感染症対策本部は19日、都立墨東病院(墨田区、一般719床、精神科36床、感染症10床)の診療放射線技師1人(常勤職員)と都立多摩総合医療センター(府中市、一般697床、精神30床、結核29床、いずれも予算定床)の看護師1人(常勤職員、病棟勤務)が新型コロナウイルスに感染したことが判明したと発表した。【新井哉】

 墨東病院職員の感染を巡っては、対策本部が8日、一般病棟の看護師1人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表。12日に医師、看護師それぞれ1人、14日に看護師2人、15日に看護師1人が新型コロナウイルスに感染したことが判明したと発表していた。医師を除き、いずれも同じ病棟に係わっていた。

 今回感染が判明した診療放射線技師は、この病棟における感染とは「関連はない」としている。この診療放射線技師と接触があった職員12人(いずれも診療放射線技師)については、「所管保健所から濃厚接触者に該当すると判断された者はいない」と説明。「健康観察を継続し、症状が出現した場合は検査を実施する」としている。

 多摩総合医療センターの看護師については、13日に同居家族が抗原検査で「陽性」が判明し、自宅待機としていた。15日に発熱の症状が出現し、18日に「陽性」が判明したが、8日以降は勤務がないため、「院内に接触者はいない」と説明している。

 墨東病院と多摩総合医療センターの診療に関しては、いずれも所属部署の職員に現在症状を訴える者は出ていないことなどを挙げ、「外来・入院とも通常診療をこれまでどおり継続する」としている。

CBnews

最終更新:1/20(水) 14:15
医療介護CBニュース

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アミノ酸に新型コロナウイルス治療薬の期待 長崎大で研究始まる〈週刊朝日〉

2021年01月20日 13時47分42秒 | 医科・歯科・介護

1/20(水) 13:33配信

AERA dot.

5-ALAの新型コロナへの効用などについて講演する長崎大学大学院の北潔教授/撮影=大崎百紀

 新型コロナウイルス感染症の国内の感染者が出て1年が経つ。しかし、事態は収束を見るどころか、感染者が増える一方だ。死者も増えており、有効な治療薬の開発が待たれる。そんな中、一筋の光が見えてきた。5-アミノレブリン酸(5-ALA)という天然のアミノ酸の一種が、コロナへの効果が期待できそうなのだという。

【写真】5-ALAを製造しているネオファーマジャパンの工場内

 5-ALAは、ヒトの体内にある物質で、加齢とともに減少する。5-ALAを体内で作る力が落ちると酸素を使う力が下がり、エネルギーも作れずに免疫力が極端に落ちる。体温も下がり、病気の元にもなる。

 この5-ALAが知られるようになったのは約10年前。人工的に作れることがわかり、5-ALA含有のサプリメントや化粧品が登場した。医療の現場では、ブルーライト照射とあわせて脳腫瘍(しゅよう)と膀胱(ぼうこう)がんの診断薬として活用されるようになった。海外では皮膚がんの治療薬にもなっている。

 そして現在、新型コロナの予防と治療に、この5-ALAを活用しようと研究を進めているのが、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の北潔教授だ。北教授は3大感染症の一つ、マラリアの治療薬の開発中で、その過程でこの5-ALAが新型コロナへの効果が期待できることがわかった。

 昨年2月から研究を始め、5月に試験管内の実験で新型コロナウイルスの増殖の抑制効果を確認。未承認や適応外の薬の効果を調べる特定臨床研究を開始させる段階に入った。

 5-ALAが新型コロナウイルスを抑える仕組みはこう考えられている。

 一定量の5-ALAを体内に投与すると、ウイルスの表面にあり、人の細胞に感染する際に重要な役割をする突起のような「スパイクたんぱく質」につくことで、ウイルスの細胞への侵入を防ぐ(予防)。すでに感染した人に投与すれば、ウイルスの増殖を抑え、また体内でのサイトカインストーム(免疫系の暴走)を抑制する(治療)。

すべてのステージの患者の治療に有効で、変異株にも強靱(きょうじん)な対応が可能だろうと北教授は言う。

 5-ALAの研究開発をする製薬会社「ネオファーマジャパン」(東京)のチーフサイエンティスト田中徹さんは、高い期待を寄せる。

「1月14日(日本時間)、5-ALAのサプリメントを用いたコロナ患者に対する症例報告が、プレプリント(査読前の論文)で公表されました。世界中の研究者の目に留まることになるでしょう。今回公開された症例の一つは、救急搬送されて集中治療室(ICU)で人工呼吸器につながれた患者さんが、5-ALA投与3日で人工呼吸器を離脱し、一般病棟に移られました。これは通常では考えられない回復と言えるでしょう」

 前出の北教授もこう話す。

「高い安全性で、安定供給(国内工場での製造)も可能、価格も適切。一日も早く治療のための認可を受け、多くの患者に投与できるようにしたいです」

 市販の風邪薬のように、簡単に入手できる日が来ることを期待したい。(本誌・大崎百紀)

※週刊朝日オンライン限定記事

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コロナ禍で起きた医療への大きな変化…看護師が綴った「医療が差別に晒される時」

2021年01月20日 13時29分25秒 | 医科・歯科・介護

1/20(水) 11:12配信

文春オンライン

『医療の外れで』(木村映里 著)晶文社

 病院には、様々な属性を持つ人々がやってくる。看護師6年目の木村映里さんは、自身も摂食障害、うつ病、ナルコレプシーなどいくつかの病を抱えながら、日々仕事と向き合っている。医療者でもあり患者でもある立場から、医療のさまざまな場面でどうしたら「傷付ける人/傷付けられる人」という関係性が生まれるのを止められるのかを考えながら綴られたのが本書だ。多忙の中、看護師と執筆活動を両立させる原動力はどこにあるのだろうか。

【写真】この記事の写真を見る(2枚)

「看護師の仕事が忙しすぎて、せっかく頭に様々な医療や学術的な知識が入っていても、心が追い付いてこないんです。それを整理するために書いているところがあります」

 学生時代、木村さんはいわゆる水商売のアルバイトをしながら学費を稼いでいた。看護師になり、立場による社会的信用度の落差を感じる場面も多いという。

「友人がDV被害を警察に訴えに行く時に付き添ったことがあるのですが、最初は、若い女の2人連れだったからでしょうか、高圧的な態度を取られました。それなのに、私が看護師をしていると言ったら、急にピシッとした態度になった。ひどい話ですよね。資格職の信用ってこういうことなんだな、とも感じました」

 本書には「生活保護」「性風俗」「セクシュアルマイノリティ」「性暴力」「依存症」「医療不信」など9つのテーマが設けられ、医療現場における差別、患者側の本音、当事者としての自身の経験などが綴られている。現場からの誠実なレポートとも、当事者研究とも、エッセイとも、多様な読み方ができる一冊だ。

「よく、誰しもマイノリティの要素を持っている、と言われることがありますが、私自身はそういうわけではないと感じます。良くも悪くも、マイノリティのことなど想像もつかないような人たちはいると思う。マイノリティの要素って、一つあると重なりやすくなると感じます。例えば私の場合、ナルコレプシーが原因でうつ病になったと思いますし、摂食障害もそこに関係しています」

 大学卒業後、最初に就職した病院でうつ病になったが、転職した病院の環境は肌に合っていた。

「医療はチームの仕事なので、一人ではできない。そこの人間関係が良いのがありがたいです。自分の『居場所』がある、と思えることも大事ですね」

 世界的なコロナ禍で、医療の現場の疲弊が叫ばれている。そこで大きな変化を目の当たりにしたことが、9章「医療が差別に晒される時」に綴られている。

「これまではどちらかといえば、医療者が患者に対してどうしても差別してしまう、と感じていました。でもコロナ禍で、急に差別される側になってしまった。人々がGoToなどで出かけていってコロナにかかってしまった時、本人は責任を取れない。それを負うのは我々医療現場の人間です。色々な政策や意見を見ていると、時々、人として扱われていない感じがします」

 それでも、看護師の仕事を一生続けたいという。そのためには健康であることが必須。摂食障害により空腹を感じることが難しいため、意識して食事を取るようにしている。

「勤務している急性期病棟は、とてもやりがいがあります。主体的に関われる、仕事に責任がある、ということで、逆に生かされているような気がします。妊娠や出産でキャリアが途切れない仕事でもあります。看護職は、フェミニズムとも切り離せません。今後はそういったことも書いていきたいと思います」

きむらえり/1992年生まれ。日本赤十字看護大学卒。2015年より看護師として急性期病棟に勤務。17年に「看護教育」で「学生なら誰でも知っている看護コトバのダイバーシティ」を1年間連載。本作が初の著書。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年1月21日号

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「東大病院がコロナ拠点病院に手を挙げないのか」“病床崩壊”が止まらない〈週刊朝日〉

2021年01月20日 13時20分59秒 | 医科・歯科・介護

1/20(水) 11:32配信

AERA dot.

外出自粛を訴える小池百合子都知事 (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの感染爆発による医療崩壊が差し迫っている。その渦中、東京都では、都立広尾病院など3病院が“コロナ専門病院”として始動する。他の都立・公社病院でも通常医療を縮小し、病床を確保する。崩壊は止まるのか。

【感染リスクの高い場所は断トツであの場所】

*  *  *
 ある都立病院の内科医が、院内の実情を語ってくれた。

「コロナ治療にあたる医師スタッフは、呼吸器や循環器、消化器など集中治療ができる診療科が中心となり、一般外科などは応援として補われる予定です。看護師も多く必要となるため、一般病床の一部を閉鎖してあてがう形になります」

 通常の診療は減らし、新規の入院は制限していくことになるという。

「緊急性のある疾患の治療や入院が必要な患者さんは他の病院に依頼することになります。一方、緊急を要しない治療であれば、患者さんには、治療再開を待っていただくか、他院を紹介することになると思います」

 だが、大都市を中心に感染者の爆発的な増加は収まりそうになく、病床の逼迫に拍車がかかる。都がコロナ患者向けに用意したベッド数は4千床だが、1月15日時点で入院患者数は3020人。およそ8割が埋まっている状況にある。14日に開かれた、都内の病床数などの警戒レベルを判断するモニタリング会議では、専門家から、医療提供体制が破綻(はたん)の危機にあるとの見解が出た。

 小池百合子知事は15日に記者会見を開き、都立・公社14病院をコロナ拠点病院とし、現在の計1100床から計1700床に増やすと発表。

 都立広尾病院、公社豊島病院、公社荏原病院の3医療機関は実質的に「コロナ専門病院」とし、広尾はコロナ患者以外の新規外来や入院の受け入れを休止。豊島と荏原は産婦人科と精神科の救急以外はすべての入院や診療を取りやめる。

 他の都立・公社病院でも通常の病床を一部閉鎖し、コロナ病床に切り替えて運用していく。これで病床の逼迫(ひっぱく)は食い止められるのか──。前出の内科医は厳しい見方だ。

「今回のコロナ専用ベッドの増床は焼け石に水になりかねません。新たな体制で運用を開始した序盤ですべてのベッドが埋まってしまい、その後はまた重症の患者さんを含め、選別して受け入れる状況に戻ってしまうと思います。入院してもすぐに退院できる患者さんも少なくなっているのです」

 搬送した患者の受け入れ先がなかなか決まらない事案も増えている。現状、この内科医の病院でも救急患者を断らざるを得ないことがあったと、苦しい胸中を明かす。そのうえで、こう訴える。

「私たち一人ひとりの医療従事者は、与えられた医療資源と自分の体力が続く限りの働きしかできません。現状では、完全にそのキャパシティーを超えています」

 現在、24時間救急体制を行う急性期病院が全国に4255カ所ある。このうち、新型コロナを受け入れている割合は、公立病院が約7割、公的病院が約8割だが、民間病院は約2割にとどまる。このため、厚生労働省は感染症法を改正し、医療機関への患者の受け入れ協力を「要請」から「勧告」に強めるという。

 民間病院でコロナ患者の受け入れが進まないのは、中小規模の病院が多いことも理由の一つだ。第1波でコロナ専用病床を開設しながら、後に閉鎖せざるを得なくなった都内の民間病院がある。その院長が匿名を条件に取材に応じてくれた。

「通常病床を閉鎖して、一つのエリアを完全にコロナ病床だけにする工事に1カ月かかりました。さらに専従の職員に感染症のトレーニングをするのに1カ月要しました。そうしてコロナ病床が開設できたころには第1波が収束に向かっており、患者さんがあまり来ない状態が続いたのです」

 コロナ病床を確保したため一般病床が減り、通常治療を制限。院内感染も発生し、救急診療や新規患者の受け入れが一時停止に追い込まれた。経営は悪化し、コロナ病床をやめて救急病床に戻さざるを得なくなった。

「中堅の民間病院ではコロナと、心筋梗塞や脳卒中などの救急患者の両方を診るのは難しかった。地域医療への貢献という意味では、発熱があるばかりに診てもらえない救急患者を積極的に受け入れていく病院であるべきだとの考えに至りました」

コロナを重点的に診る病院と、その他の疾患の救急患者を引き受ける病院との役割分担が必要だと訴える。

「心疾患や脳卒中の人が救急医療を受けられないような状況こそ、最も回避すべき医療崩壊です」

■重症者ベッドが欧米より少ない

 一方、コロナ患者を重点的に受け入れていく都立・公社病院だが、気になるのは重症患者用のベッド数だ。広尾は12床、豊島と荏原が5床ずつ。最も多い都立多摩総合医療センターでも21床だ。都の重症者数は15日現在133人で、今後も増加する可能性があることから、十分なベッド数とはいえないだろう。

 医療制度研究会副理事長の本田宏医師はこう指摘する。

「感染症の専門医も、集中治療の専門医も日本は非常に少ないのです。また、重症者用のICU(集中治療用)ベッドも少ない。ですから、欧米と比べて患者数がずっと少なくても、すぐに医療が逼迫するのです」

 本田医師によれば、人口10万人あたりのICUベッド数は、米国34.7床、ドイツ29.2床、韓国10.6床に対し、日本は7.3床しかない。重症患者に使用される体外式膜型人工肺(ECMО)は専門性が高く、1人の重症患者に何人もの医療スタッフが必要になる。

「厚労省はこの間、診療報酬を低く抑えて民間病院の経営を圧迫し、その一方で公立病院を減らそうとしています。そのツケがいま国民に回っているのです」(本田医師)

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師はこう語る。

「都立・公社病院のコロナ拠点病院化は、非常に大きな一歩です。しかし、医師数が少ないので、重症者用のベッドがつくれないのです。いま機能していない戦艦大和があります。それは、東京大学医学部付属病院です」

 今回、重点病院になった3病院の医師数は計417人だが、東大病院は約1300人もいる。

「なぜ、東大病院がコロナ拠点病院に手を挙げないのか不思議です。東大病院は文部科学省の管轄ですから、厚労省も都知事も要請できない。いますぐにでも総理がやるべきことです」(上医師)

 菅義偉首相は新型コロナとの闘いを「国難」と呼んだのだから、本腰を入れたらどうか。(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日  2021年1月29日号

 

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ポストトゥルース

2021年01月20日 12時58分30秒 | 社会・文化・政治・経済

リー・マッキンタイア (著), 大橋 完太郎 (監修), 居村 匠 (翻訳), 大﨑 智史 (翻訳), & 1more

現代を考える基本書

フェイクニュース、オルタナティブファクト…、力によって事実が歪められる時代はいつから始まったのか。政治や社会への広範なリサーチと、人間の認知メカニズム、メディアの変容、ポストモダン思想など様々な角度からの考察で時代の核心に迫る。アメリカ「PBSニュースアワー」2018年ベストブックノミネート&世界六ヵ国翻訳のベストセラー、待望の翻訳。

「誰かがわたしたちの目をくらませようとしている世界に対してどのように反応すべきか。これは、わたしたちが決定できることだ。つねにそうであったように、真実はいまだに重要である。わたしたちがこのことを理解するのに間に合うかどうかは、わたしたち自身にかかっている。」(本書より)

〇目次
第一章 ポストトゥルースとは何か
第二章 科学の否定とポストトゥルース
第三章 認知バイアスのルーツ
第四章 伝統的メディアの凋落
第五章 ソーシャルメディアの台頭とフェイクニュースの問題
第六章 ポストトゥルースを導いたのはポストモダニズムか?
第七章 ポストトゥルースとの戦い

 

 

公共の意見を形成する際、客観的事実よりも、感情や個人的信念に訴えた方が影響力がある。
背景には、特に2016年のアメリカ大統領選挙以降、事実や科学に基づかない説明を繰り返す政治家や、その支持者たちの言動がある。
政治的主張のために、事実に疑義が呈される異様な現状を本書は多角的に批判する。
まずは、<認知的バイアス>について言及。
虚偽がはびこる異常事態と対峙する。
「嘘が腐敗し悪化する前にそれに挑まなければならない」
一体、何が正しいのか-丹念に検証し続ける営みの重要性が、切実に伝わってくる。

内容(「BOOK」データベースより)

フェイクニュース、オルタナティブファクト…、力によって事実が歪められる時代はいつから始まったのか。政治や社会への広範なリサーチと、人間の認知メカニズム、メディアの変容、ポストモダン思想など様々な角度からの考察で時代の核心に迫る。アメリカ「PBSニュースアワー」2018年ベストブックノミネート&世界六ヵ国翻訳のベストセラーの翻訳。

著者について

リー・マッキンタイア Lee McIntyre
1962年生まれ。ボストン大学哲学・科学史センターリサーチフフェロー、ハーバードエクステンションスクール倫理学インストラクター。著書に、Philosophy of Science (Routledge, 2019), The Scientific Attitude (MIT Press, 2019), Respecting Truth: Willful Ignorance in the Internet Age (Routledge, 2015), Dark Ages: The Case for a Science of Human Behavior (MIT Press, 2006), Laws and Explanation in the Social Sciences (Westview Press, 1996).など。

大橋 完太郎(おおはし・かんたろう)
1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、神戸大学大学院人文学研究科准教授。専門はフランス思想、近現代芸術理論および表象文化論。著書に、『ディドロの唯物論』(法政大学出版局、2011年)。論文に「ポスト・トゥルース試論:現象と構造」(『美学芸術学論集』第15号、2019年)など。共訳書にカンタン・メイヤスー『有限性の後で』(人文書院、2016年)など。

居村 匠(いむら・たくみ)
1991年生まれ。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程修了。現在、同大学大学院博士課程後期課程在学および京都芸術大学非常勤講師。専門は美学・芸術学、ブラジル美術。論文に「エリア・オイチシカ《トロピカリア》における侵襲性と〈食人の思想〉」(『美学』第68巻第2号、2017年)、「オズワルド・ヂ・アンドラーヂの批評におけるブラジル性について」(『美学』第70巻第2号、2019年)など。

大﨑 智史(おおさき・さとし)
1987年生まれ。神戸大学大学院人文学研究科博士課程後期課程退学。現在、立命館大学映像学部講師。専門は、映画研究、視覚文化論。論文に「映像のなかのスクリーン――リアプロジェクションをもちいた多層的映像をめぐって」(『美学』第69巻第2号、2018年)、「モンスターに触れること――『キング・コング』における特殊効果のリアリティ」(『叢書セミオトポス15』、新曜社、2020年)など。

西橋 卓也(にしはし・たくや)
1992年生まれ。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程修了。現在、同大学大学院博士課程後期課程在学。専門は映画研究。論文に「『カサブランカにおける排除と包摂の力学――亡命者の表象を中心に』」(『第69回美学会全国大会 若手研究者フォーラム発表報告集』、2019年)。
 
 
ポストトゥルース現象をアメリカ合衆国における歴史的な生成物として捉え、その生成の過程を解明した書である。

第1章でポストトゥルースについて定義づけた上で、第2章は「科学的なものの否定」を題材とし、タバコの健康被害や地球温暖化という問題に対して、タバコ産業や化石燃料産業が行ってきた活動が紹介される。そのような勢力による活動により、科学的にはほぼ結論が出ているような事項についても日本で言うところの「両論併記」がなされ、それが科学的なものの否定につながっていくメカニズムが解き明かされている。
第3章は「認知バイアス」を題材とする。人間は信じたいものを信じてしまう。そんな心理的なメカニズムに関して、この分野では著名な研究を踏まえて議論が展開される。そして、そんな人間の心性を強化してしまう機能を果たすメディア環境の変化、とりわけニュース番組の変容を書いたのが第4章である。ここで、「科学的なものの否定」が勢いを増す。そして、事態を更に加速させるのがインターネットメディアの発展であり、これについて取り上げたのが第5章である。ここまで、ポストトゥルースに関する議論が俯瞰出来るように思うが、本書の特徴が現れるのはここから後。
第6章は、哲学や思想の分野で1980年代から幅を利かせることになったポストモダンがポストトゥルースを培養する素地になってしまった可能性を指摘する。この指摘は非常に鋭く、それに応答する30ページほどの附論を訳者が追加しているほどである。

ポストトゥルースという現象を深く理解する上では必読の文献となることは間違いない。
 
 
最近よく耳にするようになった「ポストトゥルース」という言葉。その社会的、文化的、政治経済的、歴史的、思想的背景を知りたくて手に取ってみたものの、期待外れに終わった。

本書に記されているのは、ジャーナリスティックな事件・事実の記述(トランプやその側近が何を言ったかやタバコ業界の宣伝戦略や米国のメディアの成り立ちや変遷など)と、心理学的な認知バイアスに関するありきたりな解説と、相対主義的な傾向を持つポストモダニズムの哲学と絡めたポストトゥルースの非常に凡庸な分析くらいのものである。

あまりにもすべてが平凡で評者は何も得るところがなかった、といっても過言ではない。ジャーナリスティックな記述に関しては、それがあまりにニッチ過ぎて、アメリカのポピュリズムやメディアに特異的な興味がある読者を除いては、きわめて退屈なものであろう。

心理学的な記述についても別段目新しいものはないし、ポストモダニズムとポストトゥルースの関係性についての分析にしてみても、我々の常識的理解を覆すようなスリリングな記述や示唆に富む洞察などは皆無と言ってよい。

著者が哲学者であるからには、もうすこしメタ的な視点からより深くポストトゥルースという事象を掘り下げてくれることを期待していたのだが、まったくの期待外れであった。本書には学問的な趣きはなく、どちらかと言えば、大衆受けするようなセンセーショナルでどこか俗臭の漂う筆致との印象を受けた。腰を据えてポストトゥルースという事象をじっくり考えたい読者には、とてもお勧めできる本ではない。
 
 
 
①ポスト・トゥルース(真実以後)は、分断社会を加速させる。フェイク・ニュースやデマが飛び交うアメリカ社会が格好の事例になる。
②米大統領選の結果が出る時を迎えたアメリカ社会。選挙戦に関してトランプ・バイデン両陣営が激しい選挙戦を繰り広げるが、フェイクニュースやデマが両陣営から飛び交い、危険な状況が生まれている。
③両陣営の選挙演説には、銃を携行して警備する危険な状況が生まれている。集会には銃を携行している者がいるというフェイクニュースが集会参加者の間に飛び交い、参加者に不安感を煽り立てる。
④フェイクニュースは相手に不安感を煽り立てることによって、分断化を一層高める危険性がある。
⑤今回の大統領選では郵便投票が導入され、トランプ大統領は郵便投票に否定的であり、バイデンが郵便投票で勝利した場合、連邦最高裁判所に対して訴訟を起こすと言われている。郵便投票には不正が避けられないというフェイクニュースをトランプは必ず起こる不正と認識しているのだ。
⑥フェイクニュースやデマに煽られることなく、正しく真実(トゥルース)を捉えるにはどうすれば良いか?
本書が参考になる。
お勧めの一冊だ。
 
 
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複合汚染 有吉 佐和子 (著)

2021年01月20日 11時29分26秒 | 社会・文化・政治・経済

 

複合汚染 (新潮文庫)

 

有吉 佐和子 (著)

新聞連載中から大きな話題に!
問題の本質は今でもひとつも変わらない。
稀代のストーリー・テラーが著した、恐ろしいまでの現実。


工業廃液や合成洗剤で河川は汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、有害物質は食物を通じて人体に蓄積され、生まれてくる子供たちまで蝕まれていく……。
毒性物質の複合がもたらす汚染の実態は、現代科学をもってしても解明できない。おそるべき環境汚染を食い止めることは出来るのか?
小説家の直感と広汎な調査により、自然と生命の危機を訴え、世間を震撼させた衝撃の問題作!

著者の言葉
日本文学古来の伝統的主題であった「花鳥風月」が危機にさらされているとき、一人の小説書きがこういう仕事をしたのがいけないという理由など、あるでしょうか。DDTとBHCが規制されて、ホタルやドジョウが息を吹き返してきていますが、都会にも農村にも奇妙な病人が増発している現状で、私は何もせずにはいられませんでした。
(本書「あとがき」より)

本書「解説」より
『複合汚染』は型破りの小説である。美男美女も出て来ないし、恋愛もないし、だいいちストーリーもなく、主人公もいない。およそ小説の常識からかけはなれている作品である。(中略)
しかし『複合汚染』は、間違いなく文学作品なのである。単なる科学的啓蒙の書でも、公害の告発の書でも、まして科学の解説書でもない。この作品から受ける感銘は、まさに文学的感銘にほかならない。ひとりの文学者が、その人間的、文学的必然性により、やむにやまれぬ気持で、文学者としての全身全霊を傾けて表現した感動的な文学作品なのである。
――奥野健男(文芸評論家)

有吉佐和子(1931-1984)
和歌山生れ。東京女子大短大卒。1956(昭和31)年「地唄」が芥川賞候補となり文壇に登場。代表作に、紀州を舞台にした年代記『紀ノ川』『有田川』『日高川』の三部作、一外科医のために献身する嫁姑の葛藤を描く『華岡青洲の妻』(女流文学賞)、老年問題の先鞭をつけた『恍惚の人』、公害問題を取り上げて世評を博した『複合汚染』など。理知的な視点と旺盛な好奇心で多彩な小説世界を開花させた。

 

「何事も、まずやれることからやって行く。最初は誰かが始めねばならない<善は急げ>。

<絵に描いた餅にするな>

「公害に最も大きい関心を寄せ、熱心に勉強し、実績をあげている政党は、どの革新政党よりも公明党」著者有吉佐和子が指摘する。

 

有吉佐和子さんの「複合汚染」を読んで愕然としている者です。
 これが書かれたのはもう20年以上前かと思いますが、果たして、あの時代と比べて、日本の「公害事情」は改善に向かっていると言えるのでしょうか?
 確かに最近は、「PCB」とか「光化学スモッグ」といった単語や、特に農業従事者に見られる病気といったことは聞きませんが、例えば「凶暴な子ども」(あの本で危惧されていた「被害」とは違うかもしれないし、公害とは何ら関係ないかもしれませんが)は増えていますよね?合成洗剤は平気で使われていますし・・・
 いったい、今、日本の汚染はどんな状況なのでしょうか。


複合汚染はもう30年以上前(1975年出版)の作品だと思います。
 当時は公害の概念が現れた直後で、まだまだ社会的に「無邪気」な状態であり、女史はその作品で警告を投げかけたわけです。
 現代では当時に較べれば規制もモラルも向上しています。
 農薬に関しても品目の淘汰はもちろんのこと、使用基準の厳守やトレーサビリティ(栽培履歴の検証性)は進んでいます。
 しかし、女史の警告する「複合」効果などは何世代かたたないとはっきりとは解りません。
 残留性の高い化学物質などはいったん投棄されてしまうと回収できませんし。
 危険度は確実に減少しているが完全にコントロールできているわけではない、程度に認識してください。
 
 「凶暴な子供」はむしろ別の要因でしょうね。
 時代ごとの社会環境で人間の精神は「規制される部分」と「解放される部分」が変わりますから、光の当て方で世代ごとに違った性質が現れる「ように見える」ということでしょう。

 

およそ50年前に警告されていた事が今だに形を変えて何も改善される事なく続けられている事実に改めて驚愕せざるを得ない。戦後少しばかりの物質的な豊かさだけを追い求め、最も大切な事をあまりにもないがしろにしてしまった。このツケは何世代にも渡って続く。今だからこそ、全ての日本人に読んでほしい。ここに書かれている事は、決して半世紀前の過去の出来事ではない。現在進行形の事なのだ。

 

書かれた年代を考えると、この本をもっと多くの方が読んでいれば今の日本は変わったのでは?
今からでも取り戻したいです

 

随分昔から言われてきている環境問題。
現在はもっと大変な事になっている。その辺りも頭に入れて一読して欲しい

 

企業の貪欲と政府の無策により消費者がこれほど危険な目に合っているとは、今まで全然知らないことでした。全く企業の宣伝に乗っかっていたかを思い知ることになりました。自分のことは自分で守らなければならないと、行動を促されました。

 

筆者の有吉氏自身が文中に書いてある(と記憶しているが間違いかもしれない)ように化学や環境科学の専門家ではないため、専門的すぎて読めないということはなかった。
また、環境の本については私自身はデータや図表ばかりと先入観を持っていたが図表よりも有吉氏の取材の過程に重きが置かれていて、評論家有吉氏というより(本職である)小説家有吉氏のように読み進められる。

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【主張】受診控え 持病悪化や重病発見の遅れ招く

2021年01月20日 11時27分17秒 | 医科・歯科・介護

2021年1月15日 公明新聞


新型コロナウイルスの感染を恐れ、医療機関を受診することを控えるケースが増えている。

厚生労働省は、過度な「受診控え」は持病の悪化や重大疾患の発見の遅れなど、健康上のリスクを高める可能性があると警鐘を鳴らしている。コロナ下でも必要な診療を受けることが重要だ。

日本医師会の調査では、昨年4月から8月までの小児科の外来患者が前年同期比で3割以上減少し、耳鼻咽喉科もそれに次ぐ水準で減った。日本私立歯科大学協会の調査では、一般患者の6割以上が受診を控えたいと答えた。

健診など健康状態のチェックで医療機関を訪れる人も減っている。日本対がん協会の調査では、2020年度のがん検診の受診者は例年に比べて3割以上減少する見込みだ。人間ドックの受診者が3割減っているとの調査もある。

いずれも新型コロナの感染拡大の影響とみられている。不要不急の外出自粛が求められていることも背景にあろう。しかし、「受診控え」のデメリットにも目を向ける必要がある。

特に、乳幼児は予防接種のタイミングを逃すと免疫の獲得が遅れる。また、初期のがんは大半が無症状であり、早期発見・治療には、定期的な検診が欠かせない。持病の悪化により新型コロナなどウイルスへの抵抗力が低下するとの指摘もある。

院内感染が不安な場合は、感染防止対策を徹底する医療機関にのみ発行される「安心マーク」を確認するのも一つの手だ。院内に掲示されているほか、日本医師会のホームページに医療機関名が掲載されている。現在、コロナ禍の特例措置として初診から利用できるオンライン診療も積極的に活用したい。

また、医療機関の受け入れ体制が逼迫しているため、通常診療は受けられないとの誤解もある。しかし、新型コロナ患者に対応しているのは一部の指定医療機関であり、むしろ普通の病院は「受診控え」によって経営に打撃を受けている。

国や自治体は、予防接種や健診の必要性を周知し、国民が健康維持に対する意識を高められるよう努めてほしい。

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受診控え

2021年01月20日 11時19分54秒 | 医科・歯科・介護

新型コロナウイルス対策を踏まえた適切な医療機関の受診(上手な医療のかかり方)について

1過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。

新型コロナウイルス感染症への感染の懸念から、緊急事態宣言下では、集団で実施する各種健診を延期するようお願いをしていました。ですが、宣言解除後も受診控えが続いてしまっています。過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。


2コロナ禍でも健診や持病の治療、お子さまの予防接種などの健康管理は重要です。

発熱、咳や腹痛などの症状は新型コロナウイルス感染症に限りません。それ以外の病気の可能性もあるため、必要な受診を控えると最適な治療が受けられなくなる可能性があります。
自覚症状が現れにくい病気は少なくありません。2人に1人はかかると言われている”がん”も、早期がんでは無症状であることがほとんどです。
定期的に健診やがん検診を受けることが生活習慣病の予防や、がんの早期発見・早期治療につながります。まずは自分の体をきちんと知ることが健康維持の第一歩です。
定期的に飲んでいる薬を切らすと、持病が悪化してしまうおそれがあります。持病がある方は、定期的な受診を。リハビリも可能な範囲で継続することが大切です。
また、健康な生活のためには、お口の健康管理も重要です。定期的な管理が中断してしまうと、う蝕(むし歯)や歯周病が悪化したり、高齢者では、お口のケアが十分にできないことで、 誤嚥性肺炎のリスクが高くなってしまうおそれがあります。

赤ちゃんの予防接種を遅らせると、免疫がつくのが遅れ、重い感染症になるリスクが高まります

予防接種のタイミングは、感染症にかかりやすい年齢などをもとに決められています。まだ接種期間内の方は、お早めにおすませください。生後2か月から予防接種を受け始めることは、お母さんからもらった免疫が減っていくとき、赤ちゃんがかかりやすい感染症(百日せき、細菌性髄膜炎など)から赤ちゃんを守るために、とても大切です。

乳幼児健診は、医師、歯科医師、保健師、助産師などに相談できる機会です

子どもの健康状態を定期的に確認し、育児で分からないことや悩んでいることは遠慮せず何でも聞きましょう。
新型コロナウイルスの感染の流行状況等を踏まえ実施方法等を変更している場合があります。お住まいの市区町村の母子保健窓口にお問い合わせください。


3医療機関や健診会場では、換気や消毒でしっかりと感染予防対策をしています。

現在、厚生労働省では医療機関に感染防止対策の徹底をお願いしています。医療機関では、院内感染防止のガイドライン等に基づき、感染対策に取り組んでいます。
さらに患者の皆さんにわかりやすいマークや自主的ガイドラインによる取組により、しっかりした感染防止対策が行なわれています。

予防接種は、事前に予約しましょう。医療機関によっては一般の受診患者と別の時間で受けられます。健診やがん検診は、受付時間や受診者同士の間隔などに配慮しています。受診時の注意事項を守って受診しましょう。

  • 受診の前に:体温を測定するなど、体調に問題がないことを確認してください。
  • 帰宅したら:手洗いなどの感染対策をしっかりしましょう。予防接種を受けた日も、お風呂に入れます。

※健康に不安があるときは、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・医療機関に相談しましょう。


4健康に不安がある時は、まずはかかりつけ医・かかりつけ歯科医に相談しましょう。

自己判断で受診を控えることで、慢性疾患の症状悪化や、そのために新型コロナなどのウイルスに対抗できない状態になることがあります。
かかりつけ医・かかりつけ歯科医に相談しながら健康や持病を管理していくことが新型コロナウイルス対策にもとても重要なため、心配な場合は、まずはかかりつけ医・かかりつけ歯科医に相談しましょう。

また、予防接種や乳幼児健診について分からないことは、お住いの市区町村へお問い合わせください。

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新型コロナ感染拡大が止まらない7つの理由

2021年01月20日 10時57分15秒 | 社会・文化・政治・経済

2020/11/27(金) 17:00配信

Forbes JAPAN

MR.Cole_Photographer / by Getty Images

米国ではほぼ毎日、新型コロナウイルスの感染者数が最多を記録し続けている。パンデミックが続くなか、そして季節が秋かから冬へと移るなかで、状況がなぜ悪化し続けてきたのか、その7つの理由について考えてみたい。


1. 湿度と気温の低下

新型コロナウイルス(SARS-CoV2)の感染は、湿度と気温の低下で拡大しやすくなると考えられている。湿度が下がり、空気中の水分が減少すると、飛沫はより小さく、軽くなる。含まれるウイルスの濃度が高くなった飛沫が、より長い時間、空気中にとどまるということだ。また、ウイルスは温度が下がると生存期間が長くなることも関連しているだろう。

さらに、気温や湿度が下がると、私たちの気道の状態も変化する。ウイルスなどを排出する機能が低下する可能性がある。


2. 事業活動・学校の再開

ロックダウン(都市封鎖)こそが「正解だ」という意味ではない。ただ、オーストラリア・クイーンズランド大学のイアン・M・マッケイ准教授(ウイルス学)はこの点について、次のように説明している。

──企業(や店舗)、そして学校には、物理的な距離を取ることや手洗いだけではなく、それら以上の対策が必要だ。さらに、施設の内部だけでなく、周辺のコミュニティーにおいても同様に対策を講じる必要がある。

だが、国全体としての、こうした対応が取られていない。“穴だらけ”の状態で事業活動や学校を再開すれば、より多くの問題を抱えることになる。


3. 集まる場所が屋外から屋内へ

屋外にいれば、換気の必要もなく、物理的な距離も取りやすい。だが、これらが自然に提供されるわけではない屋内では、換気を行い、人との距離を取る努力が必要となる。


4. インフルエンザなどの流行

インフルエンザやその他の呼吸器疾患を引き起こすウイルスの流行は、まだピークを迎えていないと考えられる。つまり、注意が必要なのはこれからだ。インフルエンザのワクチンは、接種しておいた方がいい。


5. 警戒心の緩み

ウイルスは目に見えない。仮に巨大なものであれば、人々の恐怖心や警戒心は、もっと高まっているだろう。目に見えない新型コロナウイルスへの感染は、一部の人を重症化させ、命を奪う一方で、軽症や無症状で済む人も多い。結果としてこのウイルスは巧妙に、自由に感染を拡大させている。

「感染拡大が収まらない」その他2つの理由
米疾病対策センター(CDC)によると、感染者の50%以上は、自分が感染していることに気づいてさえいない人たちから感染しているとみられている。

また、多くの人たちにみられる「パンデミック疲れ」も、大きな影響を及ぼしている。人々はパンデミックについて聞いたり、予防策を取り続けたりすることに、うんざりし始めている。


6. 誤情報の拡散

ドナルド・トランプ大統領の新型コロナ対策の顧問、(感染症やパンデミックではなく)神経放射線学が専門のスコット・アトラス医師はツイッターで、人々は新型コロナウイルスの予防措置に対して“立ち上がるべき”だと提言した(現在は削除されている)。

同医師のように、「感染を拡大させる」集団免疫戦略を提唱してきた人たちがいる。だが、伝染性の感染症に対して何の対策も講じなければ、感染はただ拡大し続ける。


7. 国家的計画の欠如

ウイルスは国境も州境も、地方自治体の境界も認識しない。マスクで感染を防がれたり、殺菌消毒剤で拭き取られたり、石鹸と水で洗い流されたりするまで、感染を拡大させ続ける。連邦政府は感染が拡大している地域を把握するため、検査体制と感染状況の監視体制を拡充させる必要がある。


記録は破られ続ける

これらの問題への十分な対応が取られない限り、新規感染者数も入院患者数も、そして1日あたりの死者数も、記録は更新され続けることになるだろう。また、休暇中に旅行などで人が移動すれば、さらなる感染拡大も考えられる。

Bruce Y. Lee

 

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ナッジとは

2021年01月20日 10時57分15秒 | 社会・文化・政治・経済

自由な選択を確保しつつ、人心を捉え、より良い行動を引き出す<ナッジ>という手法

ナッジ等の行動インサイトを活用した行動変容の促進

出典:第311回 消費者委員会本会議資料 環境省

• ナッジ(nudge:そっと後押しする)とは、行動科学の知見(行動インサイト)の活用により、「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」
• 人々が選択し、意思決定する際の環境をデザインし、それにより行動をもデザインする
• 選択の自由を残し、費用対効果の高いことを特徴として、欧米をはじめ世界の200を超える組織が、あらゆる政策領域(SDGs & Beyond)に行動インサイトを活用
• 我が国では2018年に初めて成長戦略や骨太方針にナッジの活用を環境省事業とともに位置付け(2019年の成長戦略、骨太方針、統合イノベ戦略、AI戦略等にも位置付け)

ひじ等でそっと押して注意を引いたり前に進めたりすること
• 特定の決断や行動をするようにそっと説得・奨励すること

選択の自由は残す(規制・強制ではない)

人が意思決定し、選択する際の「環境」をデザインし
それにより「行動」をもデザインすること

ナッジには、
• 特定の目的を達成したいという気持ちをもっている人の行動
を促進するものと、
• そのような理想的な目的をもっていない人に理想をもたせて
行動させるというものがある

「自分自身にとってより良い選択ができるように人々を手助けすること」が
目的(「良いナッジ」)

• 私たちの身の回りには、もともとナッジ(的なもの)があふれている。
• セイラー教授が2017年にナッジ・行動経済学関連でノーベル経済学賞を受賞して以来、諸外国同様、わが国でもナッジの活用を検討する組織が増えてきている。

ナッジはあくまでも政策オプションの1つにすぎない。ナッジかそれ以外か、の二元論ではなく、伝統的政策手法と補完し合って、施策の実効性を高めるためにナッジを活用できないか。
• ナッジの活用は他の政策アプローチと同様、人々の生活に介入し、行動様式に影響を及ぼすことがある。その活用に携わる人は、法令の定めるところに加え、高い倫理性が求められるもの。

• 「ナッジ」と言うと、目新しいものととらえられがちだが、実は行政で日常的に行われてきた
広報・普及啓発はまさにナッジ(的なもの)であり、身構える必要は無い。

 

 

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行動経済学の使い方

2021年01月20日 10時42分25秒 | 社会・文化・政治・経済

行動経済学の使い方 (岩波新書)

大竹 文雄 (著)

学ぶだけではもう足りない。研究と応用が進み、行動経済学は「使う」段階に来ているのだ。本書では「ナッジ」の作り方を解説する。人間の行動の特性をふまえ、自由な選択を確保しつつ、より良い意思決定、より良い行動を引き出す。その知恵と工夫が「ナッジ」だ。この本を通して、行動経済学の応用力を身につけよう。

大竹/文雄
1961年京都府生まれ。1983年京都大学経済学部卒業、1985年大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、1996年大阪大学博士(経済学)。大阪大学社会経済研究所教授などを経て、大阪大学大学院経済学研究科教授。専攻、行動経済学、労働経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

行動経済学の平易な解説書で高校生程度から読めそう。ただ、岩波書店で書名が難しそうな『行動経済学の使い方』となっていることで この方面に興味を持つ読者に少なからず限定されそう。内容は多岐にわたり伝統的経済学から派生して現在までの行動経済学発展を解説、行動経済学の実生活での合理的な利用(使用)が示される。個人的に問題ありと考えられるのは、65頁の「老後貯蓄の意思決定」で 老後に備えて若い時から貯蓄して投資ファンドで運用するお話。失敗するのが運用の仕方に問題がある場合には「その部分にナッジを適用」簡単な仕分け表あり云々。

前段でリスク回避でナッジは有効の話をしておいてリスク(プラスとマイナス幅)がある投資ファンドで運用とはどういうこと?みんなが短期、長期にプラスなんて市場ではあり得ません ナッジを適用(設定)できない設問だ。

適用できないから予測不能の「リーマンショックや東日本大震災、新型コロナのような」大きなマイナスリスクの発生も受け入れることになる。一生懸命に貯めた貯金を若い時から自己責任で丁半博打で!は いただけません。大手投資ファンドマネジャー(数理計算のプロ)でも勝ち続けることができないのに、ナッジを少しかじった人が的確にお金を稼げる?投資でなく地道に貯金しましょう。皮肉にも (面白いことに) 68頁では 自然災害時の予防的避難 があります。

ここは「投資損失の予防的避難は貯金で」と読み替えて、予測不能は現在バイアスから先延ばしせずすぐ対処(止めること)と教えています。参考までに『家でも会社でも使えるノーベル賞理論! 最新経済学の魔法 - NHK クローズアップ現代+』で大竹先生がナッジ理論を要約してます。検索可能です。

 

生意気にも知ってる事ばかりじゃない…と読み進んでいったんですが、確かに使える!と思ったのは、人間は確率0%の状況から小さい確率でも発生する可能性が出てくる思うとそれを過大評価し、100%から僅かに下振れのリスクが生まれると確実性が大幅に低下すると感じるというあたり。株で負けてる時に損切り出来ずに損失を拡大し、逆に上がっている時には僅かな利益確保を急いでしまうという個人投資家の行動もそのバリエーションだな、と感じました。また、現状維持バイアスは確かに強いと感じます。株でも一旦買ったら、持っているということだけでその価値が倍以上に感じるから、なかなか損切りできないんじゃ、と。保有する前後で価値は倍になると感じるとか、企業のキャンペーンの試供品配布は保有という現状維持バイアスに働きかけてるというのも納得(p.20)。

 他人から損失をこうむったら自分が得にならなくても仕返しや罰を与えたくなる性向(まるでホワイト国をめぐる最近の対応…)、回収できないサンクコストを理解できない誤謬、精神的・肉体的に疲労していたり金銭的に不如意だと意思決定能力が落ちるとか、納得的な話しが続きます。

 サイコロで6が連続して出るなど平均から乖離した後は、平均に回帰する確率が高くなりますが、こうしたことから、人の健康が悪化した場合、たまたま健康を回復する過程で民間療法を試すと「効果がある」と錯覚されやすいというのも面白かった。さらには、仕事や子育てスポーツでの失敗の後に叱責すると効果が出るというのも同じ錯覚といのには唸りました。たまたま失敗しただけで、普段は出来ているわけで、その時に叱って次にうまくいったとしても、実は平均へ回帰しただけというのは、実に説得力がありすす(p.38)。スポーツの世界では口で言ってもわからない時は…というのも少しはアリなのかなと思ってはいたんですが、確かに、失敗する方が少なくなるほど上達した後の習熟訓練などでは、たまたま失敗されたのをいちいち怒られては気分悪くなりますし、出来るようになるための上達訓練の時には、褒める方が効果ありそうで、叱るというのは良くない選択なのかな、と。

 証券ディーラーが半日単位で成績を確定する会社と一日単位で確定する会社では、行動が異なるという話しも面白かった。午前中に損失を抱えたディーラーは、午後によりリスクの高い投資をする傾向があるそうです。こうした一発逆転はたいてい上手くいくはずないので、長期的には問題に鳴ってくる、と。どちらも同じ人間がやるわけですから、いくらプロとはいっても、こうしたところは損切できない個人投資家と同じだな、と。長期的な目標のためにはその時点その時点で最適な行動をとるのがベスト。もし、出来なかったら、次善の計画をたてるべき、というのも納得的(p.139-)。

 

行動経済学を、プロスペクト理論、現在バイアス、互恵性と利他性、ヒューリスティックスの4つに整理して解説し(約40ページとコンパクトかつ明快!)、そのうえで「金銭的なインセンティブや罰則付きの規制を使わないで、行動経済学的特性を用いて人々の行動をよりよいものにする(p.iv)」ナッジの作り方や、仕事、健康、公共政策での応用例を紹介する。具体的なナッジの事例が豊富に紹介されているのに加えて、ナッジを設計する場合のチェックリスト(pp.58-64)が(やや羅列的ではあるが)登場するのが新鮮。
 ある研究で、緩和治療と延命治療のいずれかを選択するというきわめて深刻な意思決定でも「34%もの患者はデフォルトに影響されて、終末期医療の選択を決めていた(pp.147-148)」というのは衝撃的だ。医師のイメージする「合理的な」患者と現実の患者のズレである。
 「医者の多くは、どうして患者が合理的な意思決定ができないのかを疑問に思っており」「行動経済学を知った医療者は、『患者の考え方がやっとわかった』という人が多かった(p.199)」とのことだから、行動経済学やナッジの考え方を知る医師や患者が増えれば、双方の間の認識の溝(「医者の説明はなんて分かりにくいのか!」「患者はなんで分からないのか!」)が多少は埋められるのかもしれない。
 さて、私はこれから表「減量のナッジ」(p.157)を利用してダイエットに励もうと思うのだが、果たして実行できるのか。先延ばしにしそうだ。

 

この本は〈行動経済学の考え方とナッジについて解説し、その応用例を仕事、健康、公共政策の分野にかけて紹介しています〉
〈本書を読んで、多くの人たちが、日々の生活や仕事の仕方を少しずつ工夫するヒントにできます〉

とても役に立つ本です。

ナッジについて、私は教養として読ませていただきました。

直近で政府が利用していたナッジの例は、国家公務員の定年を引き上げる「国家公務員法改正案」と検察官の定年延長を可能にする「検察庁法改正案」を一体にして国会審議に上程した姑息な例です。
為政者のナッジには要注意です。

〈行動経済学は、人間の意思決定のクセをいくつかの観点で整理してきた〉

・プロスペクト理論
・現在バイアス(先延ばしなら、双曲割引曲線という用語の方が馴染みがあります)
・社会的選好
・ヒューリスティックス

私の場合、行動経済学の基礎知識は、個人の資産を運用する上で、陥りやすい「低次元の感情」を修正して「高次元の思考」に戻すために必要不可欠なツールです。

老後のために資産を形成する場合、本文中にあるように、
〈将来の所得予想と金利や税金の知識をもとに老後に必要な貯蓄額を正しく計算するための計算能力を持ち合わせている人が少ないと行動経済学では考えられている〉
そのとおりだと思います。

マシュマロ・テストにおいて、子供のときにマシュマロをもう1個もらえるまで最初のマシュマロを食べずに我慢できる子供は、追跡調査の結果、成人してから高所得層に入る確率が高いそうです。

金利、時間、コミットメントを上手に使う、具体的には天引きで年金保険に長期で加入すれば、確実な退職後の収入を確保出来ます。

残念ながら投資の結果は「ミズもの」です。「貯蓄から投資へ」という世の中の流れは、全く偽りです。

将来、財政困難が予想される日本では、日銀が毎年約6兆円の国内株市場のETFを購入して、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が約40兆円のETFを保有している、人為的に作られた政策相場です。

この本を読んでいるとき、世の中はコロナ禍の5月上旬です。

全国に緊急事態宣言が発出されて、中小零細企業、特に飲食店は休業要請に応じている店が多く見られます。
これは〈多数派の行動に合わせておくと安心〉という「同調効果」もあるのでは。残念ながら、5月末には倒産件数、失業者数が増加すると予想されています。

彼らに何が必要だったのでしょう。

〈いま現在の状況を将来に過度に投影してしまい、未来を正しく予測できないというバイアス〉の「プロジェクション・バイアス」や「現在維持バイアス」が政府と国民になかったでしょうか?

少なくとも外国で発生したSARSやMARSを教訓にして、あらかじめ対策を講じていなかった政府には責任があります。

現在にすべての答を求める生き方より、〈より長期の視野で参照点を無視した意思決定をしている〉生き方の方が、これからの不確実性の時代にふさわしいと私は考えています。

 

行動経済学とは何ぞや?と思い、買ってみた。この本のテーマは「ナッジ(nudge)」だ。これは、人々の行動を変えようとするとき、罰則や金銭的なインセンティブ(税金や補助金)で変えようとするのではなく、教育によって変えようとすることだ。この本では、日本を含む世界中のナッジの例を紹介している。その中でも「多数派の行動を強調する」ナッジが興味深かった。

例えば、社員の残業を減らそうとしている会社があるが、どうも社員がそれを守ろうとしない。そこで会社は「ルールを守っていない社員がXX%もいます」と警告する。しかし、行動経済学の観点から言うと、社会規範を守っていない人がたくさんいることを伝えてしまうので、逆効果であるそうだ。

では、どうですればいいか?多くの人がそのルールを守っていることを伝えればいいという(=多数派の行動を強調)。例えば「ルールを守っている社員がXX%もいます」など。

私はこの本を読んでから、目に入る注意書きを見るたびに、どうすれば行動経済学の観点から効果的な注意書きに変えることができるだろうかというナッジを考えるようになった。世の中に見られる注意書きを見てみると、ルールを守っていない人を強調するパタンが多い(店主の怒りだろうか?)。例えばトイレに入ってみると「トイレを汚く使う人がいます。みなさん、きれいに使いましょう」のようなトイレを汚く使う少数派に対しての注意書きがあるとする。これを行動経済学の観点から考えると、「多くの人がトイレをきれいに使ってくれています」とすればいいのだろう。これが罰則などを伴わずに人々の行動を変えるナッジなのだろう。

この本の巻末では、本の中で取り上げられた研究の概要が簡単にまとめられているし、出典も書かれているので、そこから読み始めて、実際に紹介されている本章を詳しく読むこともできる。

 

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人生の正解は一つではない

2021年01月20日 10時30分20秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽人は、窮地に陥ったから不幸なのではない。
絶望し、悲観することで不幸になるのだ。
▽大事なことは、ここからどうしていくかだ。
落胆して、自暴自棄になったり、諦めてしまうか。
それとも、<負けるものか>と、敢然と立ち上がるのかどうかだ。
▽いかなる状況にあっても、心は一歩も退くことなく、希望を燃やし、自分の人生を勝利していくことだ。
▽人生の正解は一つではない。
自分の足で歩んできた全ての経験に意味があるのだ。
▽「使命」を自覚する時、人間の生命は蘇生する。
その時、真の主体性が確立される。
▽精神と肉体に起こるさまざまな現象に左右されず、生命力をみなぎらせて、<自分にできることを精っぱいやろう>と決意して応戦する。

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