体力や免疫力の低下などに注意する必要
化学療法全般について
1.はじめに 2.がんについて 3.抗がん剤について 4.抗がん剤治療の副作用について 5.主な抗がん剤の副作用とその対策 6.臨床試験について 7.その他の日常生活における注意点
1.はじめに
この項は、抗がん剤治療を受けることになった患者さんへ、抗がん剤治療の理解を助け、安心して治療を受けていただくために作成しました。
抗がん剤治療においては、体のことや薬の副作用を患者さん自身がよく知り、私たちと一緒に治療し、つらい副作用を防いだり、少なくしたりして、安心できる日常生活を送ることが最も大切です。安心してがん治療を続ける方法を、私たちと一緒に見つけていきましょう。
ここでは、「がん」と「抗がん剤治療」がどのようなものかということや、代表的な「抗がん剤の副作用」とその具体的な「対策」について紹介します。
また、「日常生活における注意点」も参考にして、より安全に、安心して抗がん剤治療を受けることに役立てていただければ幸いです。
内容は簡単にまとめてあるため、ここに書かれていないこともあります。
疑問や質問がありましたら、どうぞ遠慮なく医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフにお尋ねください。
2.がんについて
正常な細胞は一定の規律をもって成長し、死んでいきます。ところががん細胞は異常で、分裂をいつまでも続け、まったく無秩序にどんどん増え続けます。
なぜでしょう?
がんは、遺伝子に傷がついて起こる病気であるということがわかってきました。正常な細胞には増殖をコントロールする遺伝子があって、無制限に増殖しないようにブレーキをかけるのですが、何らかの原因で遺伝子に傷がついて、細胞の増殖をコントロールできなくなると、細胞は無秩序に増え続けるようになります。これががん細胞の特徴です。
がんは、体のさまざまな臓器や組織に発生します。がんの多くはかたまりをつくって大きくなっていきますが、造血器がん(血液がん)のようにかたまりをつくらないものもあります。体のどこかにがんが発生して、それが周囲にしみ出るように広がる「浸潤(しんじゅん)」や、体のあちこちに飛び火する「転移」など、次から次へと新しいがん組織をつくることもがん細胞の特徴です。
がんの治療をして治ったようでも、そのときは残ったがん細胞がおとなしくしていただけで、時間が経って再びがん細胞が増殖してくる「再発」もあります。
また、がん組織はどんどん増殖しているので、他の正常な組織のための栄養をどんどん奪ってしまい、体は必要な栄養がとれず、衰弱してしまいます。
がん治療では、がんの種類や大きさ、部位、かたまりなのかそうでないのかなどによって、手術、抗がん剤、放射線などを単独で、もしくは組み合わせて行います。
がんの種類や進行の度合いにもよりますが、抗がん剤治療は次のような目的で行われます。
がんを治癒させるため
がんが転移・再発するのを防ぐため
がんの成長を遅らせるため
体のほかの部分へと転移しているかもしれないがん細胞を殺すため
がんによって起こっている症状を和らげるため
3.抗がん剤について
1)抗がん剤治療とは
抗がん剤治療は、内服や注射によって全身にくまなく抗がん剤を行き渡らせることにより、全身に広がる可能性のあるがん細胞や、すでに他の場所へ転移していたり、全身に広がっていると考えられるがん細胞を治療するものです。がんの種類によっては、第一選択の治療法として抗がん剤治療を行うことがあります。また、手術や放射線と組み合わせて補助的に抗がん剤治療を行うことや、がんを小さくするために手術の前に抗がん剤治療を行うこともあります。
2)抗がん剤の種類
「抗がん剤」は、その作用の仕方、作用する部位などによって、いろいろな種類に分類されます。いわゆる「抗がん剤」とは、がん細胞の細胞分裂過程に働き、がん細胞の増殖を妨げたり、細胞が成長するのに必要な物質を作らせない、あるいは過剰に産生させてがん細胞の死滅を促す「化学療法」のことをいう場合が多いです。この他にも、ある特徴を持ったがん細胞を攻撃する「分子標的薬」や、体内のホルモンの影響を受けて増殖するがんに対しては、そのホルモンを調節することによりがん細胞の増殖を抑える「ホルモン療法」なども、抗がん剤に含まれます。抗がん剤の多くは体のなかの正常な細胞にも作用するため、それが副作用となって現れてきます。化学療法は、分子標的薬やホルモン療法に比べて、一般的に副作用が強いのが特徴です。
がんの種類や状態、また個々の患者さんの健康状態によって、どのような抗がん剤治療が選ばれるかが異なってきます。がん細胞に対してより効果を発揮させるために、作用が異なる抗がん剤を組み合わせて用いることもあります。
3)抗がん剤の投与方法
抗がん剤には、錠剤やカプセル剤といった内服薬(飲み薬)と、点滴のように血管へ直接投与する注射薬があります。静脈のなかに点滴、注射するのが一般的ですが、がんの種類、状況によっては、動脈内、腹腔内、胸腔内、髄液中に投与することもあります。治療によっては、携帯用のポンプを使って、数日間にわたって持続的に抗がん剤を注入する方法もあります。
どのような間隔でいつまで抗がん剤治療を続けるかは、がんの種類、治療の目標、抗がん剤の種類や副作用の程度によって異なります。多くの場合、抗がん剤を投与する日と休む日を計画的に組み合わせ、そのスケジュールに沿って、繰り返し治療していきます。投与を休む日を加えることは、副作用を防止したり、体力や免疫力の低下などに注意する必要があるからです。もし抗がん剤の副作用が強く出た場合には、その量を減らしたり、投与を中止することもあります。
また、抗がん剤治療中に他の薬を使うと、薬によっては抗がん剤の効果や副作用に影響することがあります。以下に当てはまる場合には、医師またはその他の医療スタッフにお伝えください。
現在服用している薬がある。
健康食品や民間療法を行っている。
4)抗がん剤投与中の注意点
抗がん剤の点滴は、腕の静脈や中心静脈という大きな血管に、プラスチック製の軟らかい針や、カテーテルと呼ばれる細いチューブを挿入して行います。この軟らかい針やカテーテルに、点滴用の管をつなげて点滴をはじめます。
点滴は、無理のないリラックスした体勢で治療を受けることができます。点滴の間、体や腕をまったく動かさずにいる必要はありませんが、腕の静脈に針を挿入している場合、体や腕の動きで点滴の針が抜けやすくなることがあります。点滴の管が引っ張られたり、体のどこかでふんでしまったりしないように気をつけましょう。
点滴を受けながら体勢を変えたり、歩いたりすることもできますが、不自由な点も多いので、点滴の前にはトイレをすませておいたほうが良いでしょう。
腕の静脈から点滴する場合
針は、血管外に漏れにくい静脈留置針を使っておりますので、腕を動かしても簡単に針が抜けてしまったり、点滴が漏れることはほとんどありません。しかし、血管がとても細くて針が入りにくいときや、血管壁がもろくて弱いようなときには漏れることもあります。
抗がん剤の種類によっては、血管の外側に漏れてしまうと皮膚に障害をきたす可能性がありますので、針が入っている部分を安静に保つよう心掛けてください。
以下のような症状があるときには、針が抜けていたり、点滴が漏れていたりする可能性がありますので、すくに看護師を呼んでください。
点滴の針が入っているところに痛みがあるとき
点滴の針が入っているところが赤くなっているとき
点滴の針が入っているところの周りが腫れているとき
抗がん剤が皮下組織に漏れてしまった場合、抗がん剤の種類によっては処置を行う必要があります。
点滴の針を抜いた後は決してもまないで、しっかりと押さえてください。押さえ方が不十分なときには、内出血を起こすことがあります。針を抜いた後、5分間を目安に、指で押さえて止血を行うようにしてください。
点滴が終わって針を抜いたときには問題がなくても、2〜3日後、針が入っていた部分に赤み、痛みや腫れなどが生じる場合があります。針を抜いた後も、数日間は変化がないか観察するようにしてください。
自宅に帰ってから、針が入っていた部分の痛みや腫れが現れてきた場合には、患部を冷たい水や湿布で冷やし、病院へ連絡してください。
中心静脈に挿入したカテーテルから点滴する場合
患者さんによっては、腕からの静脈ではなくて、中心静脈という体の太い静脈へ点滴するために、鎖骨の下の静脈、首の静脈からカテーテルを入れる場合があります。カテーテルを外に出したままにする方法と、ポートといってカテーテルごと皮下に埋め込んでしまう方法があります。ポートは、一度埋め込むと半永久的に使うことができますので、長期間点滴を行う場合や、腕からの血管が確保しにくい場合などに便利です。
腕からの点滴と同様に、点滴の刺入部に痛みがあるときや、刺入部の周りが腫れているときは、すぐに看護師に連絡してください。
4.抗がん剤治療の副作用について
1)どんな副作用が起こるのか?
抗がん剤(とくに化学療法に用いられる薬剤)は、どんどん分裂して増殖しているがん細胞に作用する薬です。正常な細胞でも、分裂速度の速い血液細胞や口腔(こうくう)粘膜、胃腸粘膜、毛根の細胞などは、抗がん剤の作用の影響を受けやすく、感染しやすくなったり(白血球減少による)、貧血・出血・吐き気・口内炎・下痢・味覚の変化・脱毛・皮膚の障害・爪の変化などの症状が副作用として現れます。また、心臓、腎臓、膀胱(ぼうこう)、肺や神経組織の細胞が影響を受けることや、生殖機能に影響がおよぶこともあります。
これらの副作用のうち、最も頻繁に現れる副作用は、(1)吐き気、(2)脱毛、(3)白血球減少の3つですが、副作用の起こりやすさは抗がん剤の種類によっても違いますし、また個人差もかなりあります。
2)副作用を知ることについて
副作用には自覚症状の無いものもあります。抗がん剤治療を行っている間は、尿や血液などの定期検査を実施して、目に見えない副作用の早期発見に努めます。
あらかじめ予想される副作用を知り、対策をたてておくことで、心の準備ができ、過剰な不安を取り除けます。また副作用の予防ができますし、実際に副作用が起こったときにも、早く適切に対処できるので症状が重くなるのを防げます。
副作用の予防については、患者さん自身が生活上注意したり工夫したりすることで、十分に効果を上げられるものも多くあります。また、抗がん剤の特徴にあわせ、副作用を少なくするための薬がいろいろと研究・開発され、実際の診療で用いられています。
◆ワンポイントアドバイス
医師に伝え忘れたことはありませんか?
次のような方は医師にあらかじめ伝えておきましょう。
薬や食べ物に対してアレルギーのある方
妊娠中、授乳中の方
これから子供をつくろうと思っている方(女性も男性も)
すでに薬を使っている方(他の診療科や病院でもらった薬、薬局で買った薬を飲んでいる方)
民間療法や健康食品を利用されている方
今までに薬による副作用を経験したことのある方
今までに放射線治療や化学療法を受けたことのある方
3)抗がん剤治療の副作用と発現時期
抗がん剤による主な副作用の発現時期
投与日 : アレルギー反応、吐き気・嘔吐(おうと)、血管痛、発熱、血圧低下
2~7日 : 疲れやすい、だるい、食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢
7~14日 : 口内炎、下痢、食欲不振、胃もたれ、骨髄機能の抑制(白血球減少・血小板減少)
14~28日 : 脱毛、皮膚の角化やしみ、手足のしびれ、膀胱炎、骨髄機能の抑制(貧血)
copyright
5.主な抗がん剤の副作用とその対策
1)吐き気・嘔吐
抗がん剤による吐き気(悪心(おしん))や嘔吐は、脳のなかにある神経が刺激されることで起こります。また、放射線治療と併用して抗がん剤治療を行うと、照射部位によっては、食道や胃に粘膜炎を起こすことで吐き気や嘔吐が起こることがあります。
<病院で処方される吐き気・嘔吐の薬>
制吐(せいと)剤(吐き気を抑える薬)
決められた指示どおりに内服してください。また、吐き気が強い場合に飲んでいただくものもあります。吐き気が強く内服が難しいときには、ご相談ください。坐薬(ざやく)を用いることも可能です。また制吐剤は、我慢せずに積極的に内服しましょう。
<患者さんの日常生活上の工夫>
吐き気・嘔吐の予防
抗がん剤治療を受ける日は食事の量を少なめにしたり、治療の数時間前は食べないようにするなどの工夫で、軽減できることがあります(特に乳製品は消化時間が長いので、控えたほうが良いでしょう)。
体をしめつける衣服は避けたほうが良いでしょう。
吐き気・嘔吐が起きたとき
安静を心がけ、横向きに寝て体を内側に曲げると良いでしょう。また、冷たい水でうがいをしたり、氷やキャンディーなどを口に含むと効果的です。
においに敏感になっている場合には、花や香水などのにおいが強いものは避け、また室内の換気をよくして、リフレッシュすると良いでしょう。
音楽を聴いたり、テレビを見たり、ゆっくりと腹式呼吸を行うことで吐き気が楽になることがあります。
食事の工夫
無理せずに食べられるものを探し、食事はゆっくりと時間をかけたり、少量ずつ可能な範囲で食べると良いでしょう。
料理では、とくに揚げ物、煮物、煮魚や焼き魚などを避けることで、吐き気が軽減することもあります。また料理は冷やしたり、冷まして食べることで、においが軽減し食べやすくなることもあります。
市販の栄養補助食品などで、少量でもカロリーや栄養素を補うことができるものがあるので、試してみても良いでしょう。
食べやすい食品の例
冷たくて口当たりがよく、飲み込みやすいもの:卵豆腐、茶わん蒸し、絹ごし豆腐、ゼリー、プリン、シャーベット
消化によいもの:お粥、煮込みうどん、雑炊、野菜のスープ煮
ビスケット、クラッカー、クッキー
◆こんなときは医療スタッフに連絡しましょう!
吐き気・嘔吐が長く続き、食事や水分がほとんどとれないとき
吐き気・嘔吐が長く続き、不快にわずらわしいと感じたときは、医師または医療スタッフに知らせて対処方法を相談しましょう。
2)下痢
腸管粘膜が薬により刺激を受け、また抗がん剤投与により消化管の粘膜が傷害され、下痢が起こります。薬の種類によって急に起こるものがありますが、多くは抗がん剤投与後2〜10日ぐらいに起こることが多いです。
<病院で処方される下痢の薬>
下痢止めの薬
整腸剤
ひどい場合には、輸液(水分や電解質の補給)を点滴することもあります
<患者さんの日常生活上の注意>
消化の良いもの(お粥や煮込んだうどんなど)を食べ、食事は何回にも分けて、少しずつとると良いでしょう。
脂肪分の多い食べ物、牛乳や乳製品は避け、また香辛料を多く使った料理や、炭酸飲料などの刺激物は避けたほうが良いでしょう。
十分な水分補給を心がけてください。冷たすぎる飲み物は避けましょう。
スポーツドリンク類は電解質補給にもなる。
カリウムの多い食品(バナナ、果物ジュースなど)をとるとよいでしょう。
トイレのあとは必ず陰部を洗浄する(感染防止)
3)便秘
腸の働きを調節している自律神経への抗がん剤の作用、直接的な障害やある種の制吐剤などによって、腸の運動が弱くなり、いつもより便が出にくくなることがあります。
<病院で処方される便秘の薬>
腸の運動を強める下剤
便の水分を保ち、便が硬くなるのを防ぐ下剤
<患者さんの日常生活上の注意>
水分を十分にとり、繊維の多い食べ物をとると良いでしょう。
十分に時間をかけて、お腹を時計方向にさすりながら排便したり、排便を我慢せず、毎日同じくらいの時間にトイレに座ってみると効果的です。
また、無理のない程度の軽い運動を心がけると良いでしょう。
◆こんなときは医療スタッフに連絡しましょう!
長引く便秘やお腹がはって苦しいとき
4)口内炎
口内炎には、抗がん剤の粘膜に対する直接的な障害と、抗がん剤によって骨髄機能*が抑制され(骨髄抑制)、局所感染する二次性障害の2つがあります。
*骨髄機能:骨髄では、血液の成分である赤血球・白血球・血小板が作られています。骨髄機能の抑制により、赤血球が減少すると貧血になりやすくなり、白血球が減少すると感染症にかかりやすくなり、また、血小板が減少すると出血しやすくなります。
<口内炎の症状>
しみる感じ、痛み、できもの
舌や頬の内側の粘膜・歯ぐきの赤い腫れ、ただれ
潰瘍(かいよう)
出血
<口内炎の治療>
治療前に歯科を受診し、入れ歯の点検やブラッシング、うがいの指導を受けておくことをお勧めします。
痛みが強い場合には、消毒作用や痛み止めの作用のあるうがい薬を使うこともあります。
炎症を抑えたり、鎮痛効果のある塗り薬・貼り薬を使用することもあります。
<患者さんの日常生活上の注意>
口内炎ができたときの食事の工夫
料理は熱いものを避け、冷まして食べると炎症部位への刺激が少なくなります。塩分や酸味、香辛料の強いものは避けると良いでしょう。
やわらかい料理(お粥や、やわらかく煮込んだうどんなど)を多めにしたり、とろみをつけたり、裏ごしすると食べやすいです。
牛乳や卵豆腐などは、口にしみにくく食べやすいです。
予防
必要に応じてうがい薬でこまめにうがいをしたり、食後あるいは寝る前にうがいをし、歯磨きなどで口のなかを清潔にするとよいでしょう。
口のなかを乾燥させないように心がけてください。(口を開けて寝る癖のある方はマスクをつけて寝る、アルコール分を含んだうがい薬や洗浄剤は使用しないなど)
歯ぐきの傷つきを防止するため、歯ブラシは小さめの柔らかいブラシのものを使うと良いでしょう。また、刺激の弱い歯磨き粉を用いるとよいでしょう。
◆こんなときは医療スタッフに連絡しましょう!
口内炎が治りにくいとき、生活に支障を感じたとき
5)感染症
成人の正常な白血球の値は2,000〜8,000/μl(1μl あたり2,000〜8,000個)といわれています。一般的には、抗がん剤の投与を受けてから7〜14日目ごろに白血球の数が減少し、感染しやすい状態になります。
薬の影響で骨髄機能が障害され、白血球の数が少なくなると、病原菌(細菌)に対する体の抵抗力が弱くなり、いろいろな部位(口、肺、皮膚、尿路、腸、肛門、性器など)で感染症を起こす可能性があります。ときには、菌血症*、敗血症*などの全身の感染症を引き起こすことがあります。
* 菌血症:血液中に一時的に病原菌が入った状態。通常は生態の防御機構によってすぐ治ります。
* 敗血症:病原菌が血流中に入って増殖し、病原菌が生産した毒素によって中毒症状を起こし、二次的にいろいろな臓器や全身に感染を生じた状態。