ジーコ寅の「鹿島アントラーズよ永遠に」

昨年四月まであった、ジーコ寅の「名曲探偵アントラーズ倶楽部」に続いて開設したブログです。音楽部門は今回はやめました。

赤い雪・・・・・・・幻想の柴崎 岳 3

2015-01-13 07:02:28 | 日記

 夏休みの最後の練習日、風音の気持ちは高まっていた。大好きな岳と、いつも私をじっと見ている大樹とのあいだで感情が揺れ動いていた。歌いだして

男声合唱の、「海は~鳥たちのまばゆい記憶を残して消した~」の箇所に来て、バリトンの大樹の声がはっきり聞こえた。その瞬間、何かが風音の中ではじ

け飛び、周囲のすべてが真っ青になったのだった。「何だろう!この青は・・・・・」。風音はまばゆい青を見つめながら、衝撃を感じていたのだった。

 

  その時と同じ青が今、カシマスタジアムに広がっていた。アントラーズの動きは次第に良くなってきて、特に土居、遠藤、カイオの三人がポジションを変え

て流動的な攻撃を作り始めた。アントラーズのリズムだな。岳の動きもますます良くなってきた。ふいに風音の頭に浜崎あゆみのSURREALが鳴り響いた。

二人でよく一緒に聞いた曲だ。岳は試合前テンションを上げたい時、よくこの曲を聞いていた。岳が本当に真剣に走っている時、そのまっすぐに睨みつける

ような眼は狂気の光を宿していた。そんな時の岳には近寄りがたく、ただ彼に抱かれたいと風音は思った。

 

  試合は次第にアントラーズのリズムになりつつあった。特に遠藤、土居、カイオの三人がポジションを入れ替えて、流動的な中盤を作り始めていた。「これ

はいけるぞ・・・・・」。得点の予感に風音の胸は高鳴った。後半の40分頃だった。自陣のゴール前で植田がパスカットをしてロングフィードで遠藤に出した。

遠藤はフェイントで森重を置き去りにすると、素晴らしいパスをするすると上がっていた岳に出した。岳は斜めに切れ込んで相手ディフェンスをかわして、右

足を思い切り振り抜いた。目の覚めるようなシュートだった。オレンジのボールは炎になって、相手ゴールキーパーの指先をかすめて、ゴール右上隅に

突き刺さった。「やった!!」。風音は歓喜のあまり、客席で大きく飛び跳ねた。その瞬間、周囲のすべてのものが真っ赤に変貌した。スタンドも、ピッチ

も、選手も、そして激しく降りしきる雪も真っ赤なのだった。赤い雪・・・・・・。風音は生まれて初めてそれを見た。赤でもそれは血のような赤ではなかった。

もっと深く澄んだ透明な赤。いのちに輝く純潔の赤だった。赤は初めてだな。風音の意識は脳内から宇宙に向かって飛び出してしまったような感じがし

た。今まで見たことのないような何かが見えた。

 

  私は真っ赤な地蔵菩薩だ。私は真っ赤な阿修羅だ。そして私は真っ赤なシャーマンだ。この赤く澄んだ雪は遠くシベリアの空でも降っているに違いな

い。そうだ、シベリアだ。私はそこのシャーマンの教えを授かって、青森まで大股でずんずん歩いてきたのだ。無数の祖先たちの影が見えて、何ともいえ

ない懐かしさでいっぱいになった。私の中の遠い記憶、はるかなる面影。ああ、今にも思い出しそうだ。風音はスタンドで静かに踊った。指先から何かの

磁力線が出ているのが見えた。人間は人間を超えられる。踊りながら風音はそう確信した。空間には無数のオレンジのサッカーボールが素粒子のように

飛びかって衝突し、反発しては、また結びつきあっていた。ああ、美しいな・・・・・・この赤に、あの青を呼び込みたい。そしたら何が起こるのだろう?新しい

宇宙が生まれるのだ。

 

  試合はハーフタイムに入った。岳が息をはずませて歩いてくるのが見えた。風音は、「岳~~~~~!!」と大きな声で叫び手を振った。岳はそれに

気がついて少しニヤッと笑った。私の愛する男・・・・・・。ピッチに降りていって抱きしめてあげたかった。赤く舞う雪のダンスはそのまま風音のダンスだっ

た。何と言うすがすがしさだろう!風音はスタンドで夢中になって踊り始めた。

 

  ふと気がつくと風音は恐山の大きな山門の前に立っていた。雪で真っ白になった燈篭がどこまでも続いているのが見えた。ああ、向こうから歩いてくる

少女は見たことがある。あの真っ赤な服は・・・・・あれは私だ!子供の頃の私だ・・・・・こっちに向かってくる。その後にはたくさんの死者だちの群れが見

えた。八大地獄を渡ってきたんだな。賽の河原も通り過ぎたんだろう。ああ、懐かしいイタコさんだ。子供の頃よく遊んでくれたっけ。とてもうれしそうに笑っ

ているな・・・・・。風音の魂はカシマスタジアムと恐山の間を行ったり来たりしているようだった。自分の身体から魂が抜け出していくような感覚に襲われ、

怖くなって風音は目をつぶった。

 

  しばらくして目を開いてみると、赤い雪は止んでいた。ピッチも雪はなかった。いつの間にか、太平洋が流れ込んできて、一面の白銀の海になってし

まったのだ。たくさんの観客は黙って泡立つ海を見つめていた。そう、ここは海、永遠の海、私たちの故郷だ。

 

 

 

 柴崎、昌子、そして植田が出ない日本代表の試合が我々にとって何の意味があるのだろう!1-0で勝とうが、4-0で勝とうが、あるいは10点差で負

けようが一切関係がない。我々は日本代表に国家を投影するようなナショナリストではない。あくまで茨城の一地方にある、ローカルなクラブチームを応

援しているのだ。日本代表がワールドカップで勝つと、渋谷駅前でハイタッチをしているような連中と我々は一切関係がない。日本代表がアジアカップで

優勝するより、鹿島アントラーズがACLで優勝することの方が、はるかに大切なのだ。それが我々の基本である。だから、昨日の試合では燃えようがな

い。

 

  9日のBS1での、「開幕!AFCアジアカップ2015~見どころ徹底紹介~」という番組に解説者として中田が出ていましたね^^アントラーズのスタッフ

ではなく、解説者になるのでしょうか?話し方はクリヤーでいい。やっぱりイケメン!アジアカップ2004年の準決勝のバーレーン戦でのヘディングシュー

トは素晴らしかったですね。やっぱり日本のスポーツ選手はNHKと仲良くしないとね(笑)。NHKBS1の試合前の解説では、パレスチナの悲惨な政治的

な状況に関しては全く触れていなかったが、テレビ朝日では少しだが紹介していた。サッカーと政治は関係ないとは言え、パレスチナ問題に全く触れない

というのは報道機関としてはおかしいと思う。簡単でもいいから紹介すべきだろう。

 

 パレスチナは代表チームが一箇所に集まるのも難しい状況でサッカーをやっているんだから、日本が勝つのが当然。まずは前半8分の遠藤の狙いす

ました地をはうような先制が大きかった。これですっかり楽になった。この先制点がなかったら、2-0くらいだったかも。とにかく遠藤が落ち着いていて、

この余裕は若い柴崎では無理だと思う。パレスチナはパスがつながらず、ボールが収まらないし、組み立てることもできない。セカンドボールはほとんど

日本が拾っていた。25分の2点目は香川のシュートに岡崎は良く頭を振ったと思う。ツキも日本にあった。あとは眠くなってコタツでうとうとしながら見てい

た。パレスチナはサッカーになっていないし、もっと得点を取れたように思う。若い選手を使うのならこの試合じゃないのかね。アギーレはとにかくクビに

なりたくないもんね!

 パレスチナのサッカーのレベルが低かったせいと、柴崎、昌子、植田が出なかったせいで見ていてもつまらなかった。次の試合では使ってくれるんだろ

うな!アギーレ・アホーレ監督さん。なんか遠藤の存在の大きさばかりを実感した試合でした。柴崎だってあれくらいはやれるようになるぞ。いい勉強に

なっていると思う。

 

  他のチームより一人少ない22人で初参加したパレスチナチームは、国歌も歌えたし、感慨深いものがあったことと思う。パレスチナの平和を祈りたい。

 

 あと朗報が入ってきました!ジョルジ・ワグネルの契約の解除です。何といういい話でしょう。当ブログで疫病神として、アントラーズの優勝を妨害した

 ジョルジ・ワグネルが出て行ってくれるとは!うれしい・・・・・・・・とってもうれしいです!ベテランのブラジル人を取るときは、慎重にいきましょうね^^

 そして山村の残留が決定したようです!悩みぬいた末の決断だったのでしょう。良く残ってくれました。これまた本当にうれしいです。今年は必ず活躍の

機会が回ってくると思います。

 

柴崎の目って、浜崎あゆみの目付きとどこか似ていると思いませんか? 

 

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