何となくスペインに勝つのではと予感していたが、堂々と正面からぶつかっていって内容的にも完全な勝利になってしまった。
結果は意外という感じは全くない。メキシコ戦の戦いかたを見て、勝つチャンスはありそうだと、色々思いを廻らしていた。
トゥーロン国際での敗戦の内容が悪かったので、U-23の評価はかなり下がっていたが、もともと個人的には、フル代表の世代の
サッカーより、U-23の世代のサッカーの方が可能性があるのではとは思っていた。5月26日のトゥーロン国際のオランダ戦の戦い方
を見て、このチームにはまだまだポテンシャルがあると感じたが、それ以降結果を出せず残念に感じていた。マスコミなどでもU-23には
懐疑的な見方をする人が多かったが、オリンピック本番の初戦でそのいい部分をかなり見せることが出来た。
よく言われるように、オーバーエイジの吉田と徳永が入ってからDFが安定して、試合を組み立てるのが楽になった。スペイン戦でも
特に吉田がゴール前で決定的なパスをはね返し、ずいぶん未然にピンチを防いでいた。CBの鈴木との連係も良く、ゴール前での
ブロックはしっかりしていて、スペインに決定的なチャンスはほとんどと言っていいほど作らせなかった。徳永、酒井宏の動きも素晴
らしく、まずはこのDFの四人が勝利の原動力になったと言えると思う。
MF陣では、扇原と山口の両ホボランチがここ数試合では一番いい出来だった。出発前の長居でのアントラーズ戦での敗戦がいい
方に出たようで、扇原の大津へのCKの左足の精度も素晴らしかったし、山口は特に守備で局面局面でいいプレーをしていた。
清武も調子は上がってきているが、惜しいシュートやパスも目立ち、もっと彼なら出来るだろうと思わせた。宇佐美はコンディション
が良くないのだろうか?宇佐美のコンディションが上がってくればMF陣も楽しみだ。
さてとにかく走り回った永井と、ゴールを決めた大津だが、あれだけがんばってまだ何かを言うのはためらわれる気もするが、
永井はスピードで相手に脅威を与えるだけでなく、とにかく得点してナンボのポジションである。永井と清武がはずした三点くらいの
うち、一本は決めて欲しかった。後半は二点くらい入ってもおかしくない試合展開だった。
大津はカーブして入ってきたCKのショートバンドをうまく抑えて、気持ちで押し込んだシュートだった。相手DFの前にうまく入り込めた
のとそばに立っていた酒井宏が余計に動かないで、いいサポートになっていた。相手DFはほんんど吉田につられてしまったが、
やはり日本に対する事前の研究が甘かったのが感じられた。大津は不思議に肝心な時に決めてくれる流れになっているようだ。
水戸で育ったチャラ男の雰囲気ではないが、はやりこうやって結果を出されると大迫が選出されなかったのもしょうがないという気
にはなる。
スペインの力は本当はあんなものではないのだろうが、初戦の重圧からか、ボールは回すものの、ゴール前での崩しはほとんど
なく、日本のスピードとうまいプレスに次第に焦りはじめて、永井にレッドカード。日本はスペインのようなヨーロッパのきちっとした
サッカーをするチームには、持てるポテンシャルを出せると思う。そういう意味では第一戦の相手としてはモロッコや、ホンジュラス
よりも適していた。モロッコ・ホンジュラス戦は半分くらい見たが、どちらも技術も高く、非常に攻撃的なサッカーで、むしろこの日の
スペインより日本は要注意だろう。モロッコとホンジュラスが、日本とスペイン相手にどちらも勝つ可能性はありそうにも思えるので、
次のモロッコ戦は最低でも引き分けておきたい。
なでしこのように世界に冠たる独自のサッカーをするわけではないが、しっかり組織で守って、少ないチャンスを生かす戦い方を
続けていってほしい。酒井宏はメキシコ戦に続き、非常に良かっただけに怪我のほうが気になるところだ。
この日は気温が15度くらいしかなかったので相当走れたが、気温が上がってくればここまでは走れないだろう。とにかくスペイン戦のよう
に気持ちで勝ちにいくことだと思う。
水戸市生まれのチャラ男、大津選手は女性用のブルガリの香水を常用するというしょうもない男であるが、ゴールハンターとしては大迫
より上だと言われても認めないわけにはいかない。アントラーズのユースに入れなかったチャラ男はいつの間にか根性がついてしまったよ
だ。勝利して思わず涙を流した彼が好きなのは、exileだとか・・・・・。実力のあるチャラ男もなかなかいいですね^^
柴崎と川澄、国際電話で話している。
柴崎 「どの新聞も奈穂美さんの写真だらけだったよ」
川澄 「岳君を思いながらシュートしたのよ!」
柴崎 「・・・・・・・・・・・」
川澄 「始まる前、ロッカールームで宮里さんに大切な人のことを思い出してって言われたら、岳君のことしか頭に浮かばなかったわ」
柴崎 「チャラ男もいっしょに浮かんでこなかった?」
川澄 「チャラ男?誰それ?」
柴崎 「チャラ大津っていうんだけど・・・・・・」
川澄 「ああ・・・・・私はおしゃれ番長だけど、ブルガリなんかつける男、嫌いよ」
柴崎 「何を付ければいいの?」
川澄 「シャネル岳、ナンバー20よ!」
柴崎 「・・・・・・・あの、僕が作った金色のパンツ、はいてくれた?」
川澄 「うん、試合ではいてたよ。シャネル岳20の匂いが沁みこんでたわ!」
柴崎 「近賀さんと、大野さんにもあげたの?」
川澄 「うん、はじめいやがってたけど、レースが可愛いって言ってたよ」
柴崎 「大野さんのヒールパスは完璧だったね」
川澄 「うん、大野さんはあのパンツはいてたみたいよ」
柴崎 「ほんとか!うれしいな!前に忍っていう刺繍を苦労して入れたんだ」
川澄 「一生、あそこが忍みたいで怖いって言ってたよ」
柴崎 「そんなつもりはなかったんだ。サッカーも恋もやっぱり忍耐だよね」
川澄 「明日の試合がんばってね!」
柴崎 「スウェーデン戦でも、僕の金色のパンツはくんだよ!」
川澄 「わかってるわ。来てからずっとはいてるよ」
柴崎 「シャネル岳20の匂いが消えそうだな・・・・・・・新しいの送ろうか?」
川澄 「そうね、あと二三枚欲しいわ。あなたって器用なのね。昔はチャラ男だったんでしょ」
柴崎 「いや、青森にはチャラ男はいないんだ」
川澄 「明日、ハットトリックしたら信用してあげるわ」
柴崎 「実は隠れチャラ・・・・・・・」
あの澤選手のパスから、大野選手のヒールパスに、川澄選手が裏に走りこんで最高のシュートを放ったシーンには、感動しました。
川澄選手は見ているとすべてのパスやクロスが非常に素直な弾道なんですね。気持ちがまっすぐな人なのでしょう。
運動量もすごいですが、彼女のパスの正確さよりも、心正しさとも呼びたいパスの質に感銘を受けました。
このブログの中だけの架空の二人ですが、金メダルを目指して欲しいと切に願います。