昨夜のNHKのスポーツニュースで、勝利後の小笠原がインタビューを受けて、一点目になったファン・ソッコのヘディングシュートへのCKを蹴る前のことを
話していましたね。ゴール前を見たら、何となくガンバディフェンスがパトリックが跳ね返してくれるんじゃないか、と期待しているように見えた、と。ファン・ソッ
コはほとんどフリーで楽に中央に入れました。アントラーズが90分通して全く集中を切らさなかったのに、ガンバディフェンスは集中を切らしました。
長谷川監督は試合後、「勝てるんじゃないかという慢心があったかもしれない」と言ったようですが、公式戦四連勝中でリーグ戦でも二勝したガンバには、「
普通に戦えば勝てるんじゃないか」という思いがあったのかもしれません。しかし、アントラーズは試合開始から終了間際まで、気持ちを切らすことなく激しい
プレスをかけ続け、こぼれ球をほとんど拾っていました。球際が非常に厳しくて、ボールを取られてもあっという間に取り囲んで自分のボールにしていまし
た。特に中盤での小笠原のプレーは素晴らしく、セカンドボールを攻撃に結び付けて、ゲームをコントロールしていました。
天皇杯の水戸ホーリーホック戦や先週の湘南ベルマーレ戦のように、「勝てるんじゃないか」とどこかで思っていると、受けてしまうものですが、昨日は
最初から格上のチームを叩きつぶすような気迫で押し込み続けました。急に選手の実力が上がるはずはないのですが、やはり気持ちの部分はとても大
きいのですね。今朝の茨城新聞にアントラーズの選手へのインタヴューが載っていますが、曽ヶ端は、「(守備陣は)パトリックの動きに細心の注意を払っ
ていた。宇佐美がサイドでボールを持った時は、西と遠藤がうまく対応していた」と話しています。遠藤は、「タイトルを取ると取らないのでは全然違うので
すごくうれしい。(守備は)みんながすごく意思統一してやれていた」と言っています。西も必要以上に上がりませんでしたし、鹿島の右サイドに宇佐美が
来たときの守備の連係は万全に近かったでしょう。昌子とファン・ソッコはパトリックを完全に封じて、パトリックは試合後半はフラストレーションでラフプ
レーになってきました。宇佐美とパトリックに対する万全の対応が、勝利を呼び込みましたね。
技術面でも心理面でもアントラーズはガンバを良く研究していたのに対し、ガンバがアントラーズがここまで激しく途切れない攻撃をするとは思っていな
かったのかもしれません。選手交代の面でも、いつもはイジイジと考えてしまう石井監督がスパッと割り切って、リードした状態でカイオと優磨君を入れた
のも納得のいくものでした。石井監督は人柄は素晴らしいけれども、勝負師としては非情さに徹しきれない面があって、最近負けたいくつかの試合ではそ
れが出ていたのですが、結果の良し悪しは別にして手を打つべきところは心を鬼にして思い切った選手交代を望みたいですね。
負けたガンバは今度は広島とです。年間順位3位がかかっているので、モチベーションは高いと思います。広島がガンバに引き分けか負けで、湘南に
引き分けるなんてことは十分にあり得ることです。だから、アントラーズは絶対にあきらめてはいけません。残り二試合をホームで必ず勝つことです。昨日
のような内容の試合ができるんですから、まだまだ可能性は残っています。
とにかく今回のナビスコ杯の優勝が、アントラーズの新たな黄金時代の出発になればいいですね!
上は今朝の茨城新聞です。リーグ戦、残り二試合ですが、記事を書きたいと思いますのでよろしくお願いします。