ボクってさあ、ナイーヴなとこあんじゃない?で、夜眠れなくなっちゃうこととかあるわけ。
そんなとき鏡の中の自分を見ちゃう。惚れ惚れとしちゃうんだよなぁ。どうしてこんなに男前に生れたんだろ。
まず、この涼しい目元。目ヂカラがあって、魅き込まれちゃうよね。
シュッとした鼻筋。ワイルドな口元。精悍な顔立ち。ニカッ!白い歯を光らせて笑顔、そして自分に向かってウィンク!う~ん、決まってるネ~!
おっといけない、いけない。もう鏡を見始めて1時間も経っちゃったじゃないか。
ああ、美しすぎて睡眠不足になってしまう!
大変、明日は特別な日なんだよね。ここは自制心をフルに働かせて寝ておかなくちゃ。じゃ、グッナ~イ!
ハイ、というわけでぐっすり眠ったおかげでスッキリ快調、仕事も難なく終了、予約していたレストランへ直行!
頼んでおいたバースディケーキが登場。ボクの大好きなブルーベリータルトじゃないの!
♪Happy Birthday to Me~♪Happy Birthday to Me~♪
歌い終わるとロウソクを吹き消しました。今年の誕生日もひとりです。仕方ありません。
男友達ができないのです。みんなボクと比較されるのがイヤなんでしょう。
女の子も寄ってきません。ボクのこと、高嶺の花と敬遠する気持ち、わかるわかる。ま、ボクだって自分に相応しい美女の登場まで交際する気なんてありませんけどね。
オヤ?ボクの隣の席でカップルがテレビの話題をしています。
バラエティ番組の話、ブサイク芸人草井臭太郎の話のようです。草井臭太郎といえば、抱かれたくない芸能人NO.1のキモいヤツです。ま、ブサイクを売りに芸能界で生きようとしてるんでしょうけどね。
通路を男の子が走ってきました。その子が立ち止まってボクを指さしました。
「オジちゃん、臭太郎そっくりだぁ!!」
な、何を言い出すんでしょう。店内の客の視線がボクに集まります。そしてニヤニヤ笑います。
「こらダメじゃないの!ごめんなさい、失礼なことを申しまして」
母親が慌てて駆け寄り子どもを叱ります。
「だって似てるじゃん。でもオジちゃんのほうがブサイクかも」
客の中から吹き出す声が聞こえました。給仕の男がボクから背を向けて肩を小刻みに震わせています。
プーーー!!
給仕が我慢できずに吹き出して、厨房に消えました。
そして、ボクはわかったのです。
そうか。そうだったのか。やっと気がつくことができました。
はっきりとおかしかったんだとわかったのです。
レストランの店員と客の目が。
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新しい自分に生まれ変わった日。
なんという偶然なんでしょう。
幸福操作官の管理下にある島の住人にも
何人かナルシストがいます。
これから登場する予定の花田桜子なんかも
ブスナルシストなんですよ。
>草井臭太郎
覚えておきます(笑)
自分自身と向き合ったのです。
これからは、ありのままのボクとして生きていこう。
それから、数年、ボクは「いい男」といわれるようになりました。
と、いうことですか。
自分で自分を美しいと思えるなんて、ステキじゃないですか。
でも、自分に恋するのはよくありませんね。
ただし、水仙の花になりたければどうぞ。
あれ、もしかすると水仙ではなくがまガエルに生まれ変わるかも?
そのあたりは、私は保証できませんけど。
それにしても、なんと私の美しいこと鏡についみとれて、あららblogコメントができないわ。
オホホホホホ……。
両親からちやほやされて、おそらくテレビなんかは有害だからと一切見せてもらえなかったんでしょうね。
雑誌とかマスコミ関係もシャットアウト。
で、両親の顔も似たり寄ったり。
まあ、お金持ちだと思うので、事実に気がついた時には整形手術ですか?
でも長年培われた美意識を変える事ができるかどうかというのもありますね。
ブサイクに気づかないナルちゃんは、ひとりっきりのバースデー。
さみしい~^^
明日からは、リアクション芸人の道を目指すことをおすすめします。
でもこの主人公にはちょっと難しそうですねぇ。
ある新書に、『ナルシストでない人間はいない。その証拠に、集合写真を見て、自分がどう写っているかを気になってとりあえずチェックしない人などいない』と書いてありました。
そうなんですよねぇ。自己愛って自分の生命を防衛するための心理にすぎないのかもしれません。
だからこそ人と感じ方が一緒になったとき嬉しくてしかたがありません。
まあ、言わんとすることは誰しもが紙一重じゃないかって感じです。