Ｂキュー

大学卒業時、部室に置いてきた物が何点かある。
その一つに昭文社発行『東京ラーメン２０７店』がある。
東京に出る際には参考してもらえばという温情を込めて、かの地を後にしたものの、実際に必要なのは私だったというオチに気付くのは、それから暫くしてからだった。ならばインターネットで調べてプリントアウトして持ち歩ければ良いのだが、いざ食べたくなる時というのは準備万全で挑む時ではなく、ふとした瞬間にくるものなのだ。
そんな時に現在居る位置と近い、万人受けする情報が欲しくなる。
その願いを叶えてくれたのがこの一冊である。

携帯電話で検索しても良いことは良い。しかーし俺の携帯は動作が遅いから駄目。次に気分の問題。小さい画面でチクチクしているのがどうも「大都会の真ん中で俺なにやってんの！？」と虚しくなる。挙句の果てには駅そばコースになりかねない（駅そばは早くて美味い）
本屋で立ち読みする手もある。しかし相手が別の本を読みだしてしまい、気分が変る危険と時間がズルズルと長引くのを知っているので避けている。ズルズルはラーメンでしたい。
その辺の人に聞き込む手もある。国内や海外に旅行する時は時折使う手である。しかし一緒につるむ奴がシャイな奴らばかりなので、俺だけ勝手にやりだしては引いてしまうだろうから悪いかなと思い止めている。

いやはや理屈を挙げれば色々出てくるものだ。そんなこともあって（！？）コンパクトな本が欲しかったのである。
さっきこの本を古本屋で偶然見つけたので、これは無視できないと思い再び買いなおすことにした。
置いてきた元祖同様、食べたことがある店のページを折る。嬉しいことに当時の思い出も鮮明に覚えていた。

２０７店中、１３店完食。
まだまだな経験値。
好きなんだけれど飽きるのも事実。次はどこに行こうか。



右側のページに載っている『斑鳩』は

先日、行って来ました★