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「見上げ図」と「伏せ図」

2015年10月23日 | 建築学校


 一般階のコンクリート躯体図は、下から見上げた状態を描き、コンクリート躯体図を単に「見上げ図」と呼ぶこともある。
これは、1回のコンクリートの打設範囲を表現するのに都合のよい方法である。

 しかし、厳密には「見上げ図」は、見上げた図ではない。図法的に正しく見上げた図は、「見上げ図」とは図面の上下が反転する。

「見上げ図」を正しく表現すると、「水平切断面に鏡を置いて、その鏡に写った様子を上から見下ろして描いた図面」となる。
簡単に言えば、「見上げ図は、図法的には正しくないが、直感的には見上げた状態を表した図面」。

「見上げ図」に対して「伏せ図」という言葉がある。
「伏せ図」は、一般的には見上げ図とは逆に上から見下ろした状態を描く。「床伏せ図」や「屋根伏せ図」などがその代表的な例である。しかし、ややこしいことに「天井伏せ図」は、「見上げ図」と同じで、直感的に見上げた図面である。

 構造の「床梁伏せ図」は、「伏せ図」で表す場合もあり、「見上げ図」で表す場合もある。
その描かれている内容をみて判断するしかない。(経験的には「伏せ図」で表す図面が多い。)
施工図では、このような混乱をなくすため「屋根伏せ図」や「床伏せ図」を明示的に「見下げ図」と呼ぶ場合もある。






見上げた図面 各階コンクリート見上げ図・天井伏せ図
見下げた図面 基礎伏せ図・床伏せ図・屋根伏せ図
どちらとも言えない 構造床梁伏せ図

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