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構造最後の問題 「オートクレーブ養生」って何?

2016年03月26日 | 建築学校
H27構造25(2級建築士学科試験問題)

 建築材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ALCパネルは、軽量で耐火性及び断熱性に優れており、外壁・屋根等に広く用いられる。
2.シージング石膏ボードは、両面のボード用原紙とせっこうに防水処理を施したもので台所や便所などの湿気の多い場所の壁下地材等の用いられる
3.窯業系サイディングは、セメント質原料、繊維質原料等を主原料として、板状に成形しオートクレーブ養生などで硬化させたものである。
4.珪藻土を素材とした左官材料は、一般に、軽量で耐火性及び断熱性に優れている。
5.しっくいは、消石灰にすさ・のり・砂などを混ぜて水で練ったもので、水と反応して固まる水硬性の材料である。






 オートクレーブ養生(高温高圧蒸気養生)【英】:autoclave curing

高温度の水蒸気の中で行う促進養生のことで、大気圧下で行うものを常圧蒸気養生(atmospheric pressure curing)という。高温・高圧の蒸気がま(オートクレーブ)の中で、常圧より高い圧力下で高温の水蒸気を用いて行うものを高温・高圧蒸気養生(autoclave curing)という。

 JIS A 0203(コンクリート用語)によると,「高温・高圧の蒸気がま(オートクレーブ)の中で,常圧より高い圧力下で高温の水蒸気を用いて行う蒸気養生をオートクレーブ養生(高温高圧蒸気養生)」と定義している。
 コンクリート工場製品では規格化されたコンクリート製品を大量に作ろうとするものであり,オートクレーブ養生は製品の早期出荷を可能にするための促進養生として使用されている。方法としては,コンクリート製品を脱型した後に鋼製大型の円筒状圧力容器に収納して,高温・高圧の飽和蒸気を通すことによって養生する。この時,脱型した後にオートクレーブ養生を行うとしているが,コンクリート製品のコストに大きな影響を及ぼすのが型枠の費用であり,型枠ごとオートクレーブ養生を行うと型枠の損傷が激しくなるため,脱型後としている。なお,型枠の回転率を早めるために通常は型枠の損傷の少ない常圧蒸気養生を行っている。
 コンクリート製品のオートクレーブ養生は,珪酸質微粉末を混和して製造されたコンクリートを一定の温度勾配で昇温し,180~190℃,10~11気圧程度の等温等圧条件を所定時間(3~5時間程度)だけ保持して養生することにより,常温ではまったく不活性なシリカでもカルシウムと化合し強固な珪酸カルシウム水和物(トベルモライト)という強度の高い安定した化学反応物を生成するので,コンクリート製造の翌日には28日強度程度を得ることができる。また,オートクレーブ養生したコンクリートでは非常に高強度が得られ,設計基準強度70~90N/mm2のレベルのものもあり,高強度PC杭はその代表例である。







ALCパネルの主原料は珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末です。厳しい品質管理のもとに生産される工業化製品でJISの認証(JIS A 5416)を取得し、日本国内では現在3社が生産しています。
 製造工程のなかで、ALCパネルを特徴づけるのがオートクレーブ(高温高圧蒸気釜)養生です。これは180℃の高温と10気圧の高圧蒸気のなかで約10時間、ALCパネルを養生するもので、この工程を経て強度と耐久性を備えた製品になります。
 ALCパネルは品質、精度ともにきわめて信頼性が高く、しかも多孔質、軽量、無機質という性質が建物に多くのメリットをもたらします。







(正解)5
しっくいは、主成分の水酸化カルシウムが二酸化炭素を吸収しながら硬化する気硬性の材料である。

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