カウンセラーのコラム

山梨県甲府市でカウンセリングルームを開業している心理カウンセラーの雑文です。

ウィンブルドン決勝

2008年07月07日 | 日記 ・ 雑文
熱心なテニスファンではないが、ウィンブルドン男子シングルス決勝だけは毎年欠かさずテレビ観戦している。
今年の対戦カードは第1シードのフェデラー(スイス)対、第2シードのナダル(スペイン)だ。過去2年と同じ組み合わせだが、世界ランク1位と2位の対決である。これ以上の好カードはないだろう。
ちなみに過去2年はフェデラーの2勝。この2勝を含めてフェデラーはウィンブルドン5連覇中だ。この試合に勝って6連覇を達成すると、ボルグ(スウェーデン)が保持している5連覇の記録を塗り替えることになる。ひょっとすると、歴史的な偉業が達成される瞬間に立ち会うことになるかもしれないという、特別な決勝戦なのだ!

ところで、5連覇の記録を持っているボルグという名選手を皆さんはご存知だろうか? 私は中学時代からテニスを始め、その後高校、大学とテニス一筋だったのだが、始めたきっかけは「ボルグに憧れたから」だったのである。
ボルグのライバルとして当時、コナーズやマッケンロー(ボルグの6連覇を阻止した選手)がいた。その後もレンドル、エドバーグ、ベッカー、サンプラスなど、歴史にその名を刻んだ名選手は数多く存在する。だが、私の心の中でのナンバーワン・プレイヤーは、当時も現在もボルグである。彼は私にとって「ヒーロー的存在」なのだ。
そのボルグの記録が今夜、フェデラーによって破られるかもしれない。私は複雑な心境だった。「ボルグを超えてほしくない」という思いと、「歴史的な偉業の達成をこの目で見たい!」という思いとが交錯していた。

さて、ゲームに入ろう。
第1セット、第2セットは、6-4、6-4でナダルが連取した。これは予想外の展開だった。結果的にはゲーム全体を通して言えるのだが、今日のフェデラーはイージーミスが多かった。「なんでもないハイボレーをミスする姿」に、私は何度も首を傾げた。ま、それが「相手から受けるプレッシャーというもの」なのだろう。相手ナダルは、守備力ではフェデラー以上であり世界一の実力がある。それがフェデラーに「厳しいコースを狙わなくては!」という意識を生じさせたのだろう。
第3セットの途中で雨が降り出し、ゲーム中断になった。この時点で私は猛烈な睡魔に襲われていたので、続きはDVDレコーダーに録画することにし、眠りについた。

翌朝、目覚めると同時にテレビとDVDをつけた。ここからは録画を見ながらの観戦記録だ。
第3セットはタイブレークにまでもつれ込んだが、フェデラーが取った。これでセットカウント2-1。続く第4セットもタイブレーク。このタイブレークは凄まじい戦いだった。
ゲームはナダルが主導権を握り、「あと2ポイント、自分のサービスをキープすればゲームセットになる」という状況を迎えた。ここでナダルが痛恨のダブルフォルト。勝利を意識したナダルが硬くなっていたのは明らかだった。
命拾いしたフェデラーだったが、ナダルのスーパー・パッシング・ショットによりマッチポイントを握られてしまう。が、次のプレーで今度はフェデラーが、さらにすごいスーパー・パッシング・ショットをお返しした。で結局、フェデラーが大逆転でタイブレークを取り、セットカウント2-2にまで盛り返した。「ここ一番での勝負強さを見せつけたフェデラー」に対し、私は称賛の拍手を惜しみなく送った。さあ、ファイナルセットに突入だ!

ファイナルセットの中盤、私はテレビ画面上部に表示されたテロップに一瞬我が目を疑った。「4:30からは、教育テレビで放送します」と書かれていたのだ。
「なんということだ!? 最後まで観られないのか……!」
すでに述べたが、これは録画である。途中で教育テレビ(3ch)に変更しているわけがない。割愛したが、この試合は途中でもう一度降雨による中断があり、(日本時間で)昨夜10:30頃に始まったゲームは、現時点で翌朝4:30近くになっていた。
私はなんと表現したらよいかわからない気持ちになり、頭の中は「なんてこった…なんてこった…なんてこった…」という言葉を繰り返すしかなかった。こんなとき、どうやって自分を納得させればよいのだろうか?

無情にも4:30きっかりにニュース番組が始まった。その後、ニュース報道で試合結果を知った。ファイナルセットは9-7で、ナダルが勝利したらしい。
ナダルのウィンブルドン初優勝を私は心から祝福している。なぜなら、誰がどう見ても今日のナダルは「チャンピオンにふさわしいプレーをしていた」し、ゲーム内容でも「フェデラーを凌いでいた」からだ。ファイナルセットは少ししか観ていないが、そう断言して差し支えないだろう。
ただ、その瞬間の喜びと感動を全世界のテニスファンと共有し、同時に体験できなかったのが、なんとも残念でならなかった。

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