柳井正会長兼社長「この国は下手したら3年で破綻」

2012-03-06 22:23:13 | 政治
東日本大震災から間もなく1年。政府の復興策など一連の対応について、経営トップら経済人に評価を聞いた

 --政府の対応ぶりをどうみる

 「動きが遅過ぎる。がれき処理も進んでいない。被災者には最低限の生活でなく、普通の生活を送ってもらわなければいけないのに政治と行政は完全に停滞し、国民が期待することが何もできていない。動いているのはNPO(民間非営利団体)と自治体だ」

 --政府は東京電力福島第1原発事故の収束を宣言した

 「国民は誰も収束したとは思っていない。政府と経済産業省、東電の責任をはっきりさせるべきだ。個人で責任を取らないのは日本人の悪いところ。企業でも部署ごとに責任を取ったり、上司が責任を取ったりするが、失敗した本人が責任を取らなければ、いずれそれ以上の失敗をする」

 --エネルギー確保の議論が続く

 「東電をどうするかではなく、電力をどうするかをはっきりと決め、実行すべきだろう。私はどちらかというと反原発だが、最悪なのは何も決めないままに原子力も使えず、見通しもなく節電して日本経済がだめになることだ。震災から1年たつのに、また節電とは怒りを覚える」
--原発再稼働に反対か

 「再稼働するのであれば、外国の調査機関を入れるなど客観的に調査すべきだ。原発事故の当事者である経産省と政府が調査するのは、ただのお手盛りにすぎない。当事者が調査した結果を誰が信じるのか」

 --3年前の衆院選で国民は現政権を選んだ

 「政治家個人に自覚を求め、経営者や個人も文句を言わなければ変わらない。新聞もそういう声をもっと伝えるべきだ。今、やっているのは選挙のときに言っていたこととは全然違う。野党も同じ。まともに協力もしなければ、批判もしない。この国は下手をしたら3年で破綻し、どの国からも相手にされなくなってしまうのではないか」

 --リーダーに求められるのは

 「責任感と使命感を持ち、組織を率いること。どの方向に進むのか、進むために何が必要かを組織全員に明確に伝え、実行すべきだ。そのために、誰よりも高い視点を持たなければいけない。今の政治にはそれがない」


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