時の泉庭園

小説は、基本、ハッピーエンド。
話は、最後まで出来上がってからUPなので、全部完結済み。

(^◇^)・・・みん兎

中華ファンタジー 3

2009-12-25 21:41:37 | 中華ファンタジー
「止めて下さい。お客さんっ。」
 店の使用人の少年の慌てた声。
「何だと。この、タコッ、もういっぺん言ってみやがれっ!」
「ああ。何度でも、言ってやらあ。」
 唾を飛ばし、互いに拳を振り上げる。片方が、相手の襟首を掴み、もう一方がそれを阻止しようと突き飛ばす。とうとう、喧嘩が始まった。その卓の酒壺がぐらりと揺れ、倒れて、床に落ちる。がちゃんと音を立てて、飛び散る破片。少年が、おろおろして、それでも止めようとして、突き飛ばされる。
 小燕子が、横に置いておいた剣を背負うと、立ち上がる。ひらりと、花弁が舞い降りるように、離れたその辺りへ跳躍する。すでに何度か、拳を交えた彼らは、互いに、卓を挟んでもう一度、拳を振り上げ構えたところへ、小燕子は、立て膝をついて座り、ぱっと両手を広げて、制止を掛ける。
「おっさんら、周りの迷惑だよ。外へ出てやりなっ。」
 睨みを利かせるその相手は、言葉こそきついが、長い髪を二つに結んだ、小女だ。華やかな色の紐がその結び目を飾っている。大きな目に、まだ少し丸みの残る頬。迫力としてはいまいち。こんな小娘に言われたところで、大の男がはいそうですかと、黙るはずがない。「小娘が、黙りやがれっ。」同時に、払いのける手をかわす小燕子。重力というものを感じさせない動きで、座っていたその位置から飛び上がる。宙で、くるりと一回転、見事男たちの頭の上に逆立ちのかたちで、着地。両手を片方ずつ、二人の頭の上に置いている。すると、男たちが顔を真っ赤にして怒る。当然、小燕子の手の乗っている頭は、動くわけで、手が外れ下へ落下するかと思いきや、ぱっと飛び退り、隣の卓へ仁王立ちになる。
「外へ出なって言ってんだっ。わかんないのか、このぼけっ。」
「うるせえ。んなこと、聞けるかってんだっ。」
 今度は、足をつかもうとするその手をかわし、片方の男の延びた手をぐいっと掴み、小燕子も力を貸して、突き出して、延びてゆく方向そのままに手を引っ張ってやる。相手は、前に体制をくずす。ぱっと掴んでいた手を離し、背中へ回って、肘で思いっきり肩を打つ。
ドカッ。大きなぶつかる音。
「ぐえっ。」
 前に倒れた勢いで、もう一方の男と正面衝突だ。勢いあまって向こうの卓に絡まって、倒れる。
「ううん。痛てて・・・。」
 二人は、ふらふらと立ちあがる。痛みを振りはらうように、首を横に振ると。
「このアマ。」
「おっさんら、頑丈だね。まだ、やるのかいっ。」
 男たちの怒りなんか屁でもないという感じの小燕子。腰に手を充てて仁王立ち。男たちが今、殴りかかろうとしたところへ、突然、ガンガンガンと、大きな物音をさせて、厨房から人が飛び出してきた。
 黒い大きななべ底をお玉で叩いているのは、この店の店主の女将。喧嘩の注意がこちらに向いた所で間髪を入れず、彼女は。
「あんたっ!水っ!」
 掛け声のように、それに合わせて、いきなり、喧嘩していた三人の上に桶の水が振って来る。バッシャ・・・・・ッ!水は、豪快に、三人のまわりに飛散する。
「うわっ。」
 虚を突かれている間に、女将は。
「李さん、あんた、大分つけが貯まってるよっ。これ以上やるんなら、いますぐここでそのつけを全部払っとくれって、あの怖いおふくろさんに言うよ。崔さん。あんた今日は、早く帰った方がいいよ。夕方、奥方が、目をつり上げて、家へ帰ってくのを見たよ。」
「げっ。」
「うげっ。」
 女将の言葉に、大の男二人は、そそくさと帰って行った。
「小燕子。止めるつもりが、事を大きくしてどうするんだい。あんたも、早く帰んな。」
「ちぇ、とんだとばっちりだあ。」
「まったく、若い娘がこんな遅くまで酒飲んで、町をうろうろしてんじゃないよ。」
「はいはい・・お説教はいいよ。んじゃ、帰るわ。」
「待ちな。お代。あんたは、いつどこ行くかわからないからね。つけは駄目だよ。」
「・・・はいはい・・・。」
 懐を探って金を出そうとしたとき、脇から、すっと銭が出て来た。あの、若さまのお付きの青年だ。女将が目を丸くしている。
「おもしろい立ち回りだった。いいものを見せてもらった礼だそうだ。私たちの分の勘定と合わせて、これで足りるか?」
「あ、ええ?こんなには要りませんよ。」
「いや。釣りは良い。」
「釣りどころの話じゃ・・・・え?ほんとに、こんなに多く?」
 戸惑う女将に、若さまが。
「かまわん。女将の、大の男を黙らせた、あの迫力も見ものだったからな。痛快だった。多ければ、こちらに残ってる客たちに、一杯づつでも、つけてやれ。それでは、足りぬか?」
「は。はい。十分おつりが来ますとも。ありがとうございます。」
 くるりと女将は、隅に避難していた客たちを向いて。
「みんな、騒ぎは静まりましたからね。こちらさんが、皆さまに酒を振舞って下さいましたからね。私も、これで、がんがんおいしいものを作りますから、どうぞ、騒ぎに気を悪くしないで、ゆっくり食べてってくださいね。」
 手にある鍋とお玉を示し、女将はにこにこしながら言う。すかさず、店主と店員が、わびを言いながら、酒を客たちの杯に入れてまわる。客の一人が。
「いやあ。どこの大人か知らんが、有難い。さあ、みんな、乾杯といこうじゃないか。」
「乾っ!(かんぱい)」
客たちは、口々に、若さまにむかって、酒杯を掲げ、うれしそうに飲み干す。若さまは、拱手で応え、喧噪をあとに、店を出ていく。
あとを追おうとした小燕子の背を軽くつつき、女将が。
「あれ、どういう知り合いだい?悪そうには見えないが、金離れがよすぎるよ。気をお付け。あんまり、深入りしたお付き合いをすんじゃないよ。あんただって、一応、若い娘なんだからね。」
「一応って・・・ひどっ。でも、そんなんじゃないから、安心してよ。女将、有難う、心配してくれて。今日は、ごめんね。」
「いいさ。あんたは気持ちのいい子だもの。またおいでよ。」
「うん。じゃあ。」
 そう言って、小燕子は、さっきの若さまを慌てて、追っていく。
 追ってきた彼女にすぐに気がついて、歩をゆるめ、振り向いた若さまたち。
「ええと。ありがとう。お代を払ってくれて。」
「いや、礼には及ばん。中々、良い動きだった。」
 若さまの連れの青年も、笑顔でひとつ頷く。
 左手を広げ、右手は拳・・小燕子は、左手に右の拳を下にし、高く前に掲げて、拱手した。ぱしっと小気味良い音がしそうなくらい、元気のいい仕草だった。
「あたしは、小燕子。夏燕。あたしで、役に立てるようなことがあったら、古道具屋の黄って親父を訪ねてくるといい。大人・・。」
「淑人だ。姜淑人。連れの男は、索子牙だ。」
「姜?もしかして、王族・・・。」
「まあそんなところだ。はしくれだがな。」
 王族と言っても、鈞は歴史もそれなりにあり、兄弟の多いこの時代では、姓は名乗っても、直系とは程遠い者が圧倒的だ。こんな町中をふらふら出歩くからには、その多くのひとつだろうと、小燕子は思う。実は、その王族の頂点である王の息子。第四公子、その人だったのだが、もちろん、自分を見る目が変わるのを恐れて、淑人もその時は、身元を明らかにはしない。妙な隔てをおかれるのは、ご免だと思っていた。
「そっか。淑人どの。子牙どの。またね。」
「ああ。」
 手を振って、分かれる。






中華ファンタジー 2

2009-12-25 21:36:53 | 中華ファンタジー
   一
 石作りの城門には、「鈞都」と書かれてた大きな額がかかってる。その城門を潜り、物売りの声を聞きながら、一軒の店の前に立つ。見上げると、目に染みるくらい青い空に白い雲が、ぷかぷかとのんびり流れていく。
 何とか日があるうちに町に着いた。小燕子は、やれやれと緊張を解く。連れのこの店のお嬢さんを促して中に入る。小燕子(シャオイエンヅ)は、他の町に住む親類の家を訪ねるこのお嬢さんの、お伴兼護衛を頼まれていた。彼女は、時々、こんな風に、人の護衛を頼まれたりして、暮らしている。今日もそのひとつだ。護衛を頼まれたお嬢さんは、好奇心が強く、あれは何、これは何と、あちこちで道草を食うので、ずいぶんと予定より時間がかかった。日が沈むと城門は閉まって、町へ入れないことになってしまうので、小燕子は、内心いらいらしながら、お嬢さんのお伴をしていたのだ。とりあえず、日が傾く前にここにたどり着き、ここ何日間かの緊張を解くことが出来たのだ。土壁の四角い白い建物へ入り、お嬢さんを引き渡して、礼金を受け取る。
「また娘や妻が出かけることがあったら、頼むよ。小燕子。」
という店の主人に愛想よく応え、「毎度あり。」と言って、受け取った銭を懐にしまう。
その銭の仕舞われた緑の衣服の袷には、単純だけど、花柄模様の縁取りで飾られている。纏っている衣装は、短い合わせの上衣に、ひらひらしたスカートのような桾子。桾子は短めで、下に袴子(ズボン)を動きやすいように穿いている。
 生き生きした丸い目、二つに分けて、結わえた長い髪が、身動きすると生き物のように肩に当たって跳ねた。護衛だの、用心棒だの、なんて、威勢のいい兄さんを想像してしまうが、小燕子は、ほんの年若い女の子だ。
背に剣を背負ってなければ、一見普通の女の子、お嬢様に仕える侍女に見えるだろう。だが、見かけと違い、腕は確かだと評判だった。店主は、期待通りに、間違いも無く娘の護衛を務めをはたした彼女に、次の約束をしたのだった。
小燕子も、ご機嫌で、店を出る。
通りの角を曲がり、にぎわう通りをきょろきょろしながら、歩く。
ここは、鈞(チュン)の国の首都。大小いくつもの国に分かれた大陸の東に位置する国。小燕子がばあさんから、小さい頃聞いたおとぎ話では、その国々を全部合わせた、この大陸の東の三分の一は、もとは同じひとつの国であり、平和で栄えていたということだが、その話をしてくれたばあさんも、そのばあさんに話をしたばあさんも、もちろん体験したわけではない、大昔の話だ。その大国には、汎と閎という大河がふたつ流れてい、その流域を商船など民間の船が、安全に自由に行き来出来たそうだ。大河は、今も流れているが、流域を、それぞれ、国が分断し、それぞれの領域に入る所で、関所はあるので、話に聞くように現在は、自由にとはいかない。北の方をながれる大河が汎河で、それより、ずっと南を通っている閎河は、この鈞の国の南辺を流れて、海に注いでいる。
この鈞の国は、君主が柔弱で、家宰に乗っ取られかけた傾きかけた国とはいえ、領土は大きく、高い山に隔てられて、戦も少ないので、意外に街は栄えていた。
町は沢山の店が軒を連ね、屋台やら路上を行く物売りなども多く、賑わっている。
旨そうな匂いをじゅわっと、煙とともに、まき散らす、焼餅(シャオビン)の屋台。
小燕子が通りかかると、ちょうど、鉄の平たい鍋の上で、ジュンと音をさせる。
小麦の焦げる香ばしい匂いと、葱の香り。小燕子は、くんと匂いを吸い込み、顔をそちらへ向けた。自分までこんがり鉄板で焼かれたかのようなよく日に焼けた屋台の親父から、焼餅を買い。あつあつの焼餅を、はふはふ頬張りながら、歩く。「うん。うまっ。」と言いながら、最後の一切れをごくりと飲み込む頃には、目的の店につく。
いつもよく食事をしにやって来る店だ。
この店は、店先の軒が広くなっていて、卓と椅子がたくさん、並んでる。
小燕子が、そのひとつに腰を下ろすと。
「よお。久しぶり、小燕子じゃないか。しばらく顔を出さなかったが、遠くまで行ってたのかい?」
店の親父が顔を出す。
「ああ。唐さんのお嬢さんのお伴でね。別の町の親戚の家まで往復さ。腹減ってんだ飯大盛りで、鳥の蒸したやつと、青菜炒め、あと酒。」
「はは・・若い娘っ子の科白じゃないな。あいよ。ちょいと待ってな。」
 しばらくして、卓に頼んだものが並び、小燕子は、とりあえず腹を満たす為に、がつがつと飯をかきこむ。ときどき、おかずに手をのばしながら、空腹感が治まると、酒杯に酒を満たし飲み始める。ぐいっと一杯飲み干すと、大きな目を見開いて見ている隣の卓の客と目が合った。ぱちくり。小燕子が目をしばたたかせると、相手も目を瞬かせる。くすっ。互いに、笑いが漏れる。
「なかなか見事な飲みっぷりだな。若い娘が、剣など携えて、まるで侠客のようではないか。まさか、腕を頼りに、渡り歩く者でもあるまい。」
 声を掛けて来た相手は、色白の青年だ。あまりこの店の客にそぐわない客だ。その辺の労働者と変わらないような服装をしているが・・・。頭長で手巾で上部の髪を纏め、冠こそ被っていないが、背に流している髪は、黒く艶があり手入れの行き届いてる。短い上衣に袴子(ズボン)と、あっさりした格好だけど、上質の生地で縫製されているのが分る。携えている剣は、立派な代物。華々公子・・・遊び人の若さまってとこか。一人前に剣を携えて、遊侠を気取ってるが、雰囲気がいまいち伴わない。小燕子から見て、あきらかに、どこかのおぼっちゃん・・・・若さまって感じだ。もう一人連れがいる。この若さまよりかは、少し年上の青年は、反対にいかにも武林の若者という感じ。おそらく、若さまの護衛だろう。少し日に焼けて精悍な感じで、彼は、知らない者と話す主人を制止しようとした。
主が、首を横に振ったので、仕方なく、黙っている。
警護ならば当たり前の反応で、小燕子は、そのようすを気にも止めず、応える。
「そのまさか、だよ。若さま。ま、大体が、お金持ちの奥さまやお嬢さんのお伴だけどね。声がかかれば、荷駄の警護なんかもするよ。」
「ほう。そりゃ、お見それしました。それじゃ、あちこち、色んな所へ行っているのか?」
 自分の卓の上の酒壺を取り、小燕子の杯へ注ぐ。彼女は、機嫌良く、ぐいっと一杯やると、頷く。
「そうだね。もともと、一つ所に住みついちゃいないから。ここは、良い仕事を斡旋してくれる親方がいるから、起点のひとつさ。気が向いたら、他のところへ行く。だから、ここから、遠くの国へも行ったこともあるよ。」
 それから、各地の話が始まった。聞き手の彼が、ちょうどいい具合に質問したりするので、思いのほか、沢山の話をしてしまった。
「ははは・・。今日は、面白い話を聞いたな。その仕事を紹介してくれる親方というのは、口は固いのか?」
「当たり前だろ。商売なんだから。あたしの他にも、似たような稼業の連中に仕事を斡旋してやってるからね。例えば荷駄の警護だったとしたら、情報が、他所に漏れちゃ、狙われる可能性が増すわけだろう?」
「そうか・・。実は、道案内が欲しいんだが、そこへ行けば紹介してもらえるのだろうか。」
「道案内?どっか遠くへでも行くのかい?そんなの現地で雇えばいいんじゃないか。」
「普通の場所じゃない。ある程度、我が身を守れる者でないと困るのだ。」
「ふうん?」
 何か仔細がありそうだ。小燕子が、口を開きかける。ちょうど店の客たちの喧噪が、一層高まった。ふいに、注意をそちらに向けてしまう。




中華ファンタジー 1

2009-12-25 21:21:56 | 中華ファンタジー
  『天地一沙鷗』


風ガ呼ンデルヨ。今度ハ、何処ヘ行コウカ・・・。ソコニハ、何ガ待ッテル?




夜の暗がりをこそこそと移動する。夜なので、王宮は人も少なく、ひっそりとしている。そこを行くのは、別に、盗賊ではなく、れっきとした王族なのだから、別にこそこそする必要もないはずなのだが・・・。出来るだけ、秘密にしておきたいから、足音を潜めて歩く。傾きかけた王家を掬いたい一心で、藁おも掴む思いだった。
石造りの廊下を歩き、ついた先は書庫。第一から第三まで続く。その第三書庫には、番人がいて、特別な許可がないとそこから、入れないのだが・・・。
やはり夜でも、番人がいる。書籍の管理をする役人が鍵を持って、側に座っているのだ。
どうしよう?物影で迷っていると、助け手が現れた。
暗闇にこっそり隠れてる自分の方へ向けた目が、微笑んだように思ったからおそらく、彼もこちらに気付いていただろう。
「すまぬが、書籍を探したいから、そこを開けてくれぬか?」
「太子。こんな夜中に?」
「眠れぬ。ちょうどここに、仙人の伝説など、怪しげな伝承の類があったのを思い出して、暇つぶしにいくつか読んでみようと思ってな。」
「そうですか。」
 扉が開く。
「そなたも、ともに探してくれぬか?」
「はい。」
 入り口に誰もいなくなったので、侵入する。
書籍がつまれた棚が立ち並ぶ、その書庫のさらに目立たない一角に、小さな入り口がある。扉はなく、ただそこをくぐれば、無造作に隣の部屋へ行けるようになっていた。そこを潜り、がらんとした小部屋に入る。壁に、鏡の形にくり抜かれた不自然な個所に代々王に伝わる鏡をはめ込むと、壁が左右に開いた。
中には、絹布に書かれた一枚の文書が置かれていたのみ。それを、さっとひったくるように掴むと、気付かれないように書庫を出る。
部屋へ戻って、開いてみる。
「何だこれ?・・・必ず、自分の足で来い?」
 それは、ある山の中の景色を記した絵。子孫へ向けた、初代の手紙のようなものだった。
 がっかりだ・・・。今すぐ、役に立ちそうもない。力のない弱い自分にいら立ち、唇を引き結んで、窓から外を見る。
 建物の壁に仕切られた空間・・・。狭くて、圧迫されそう。
そう思った瞬間、いつか、行ってみようという思いが生まれた。
それは、必然に迫られたものではなく、ふわりと浮かんだ願望だ。
行ってみようか・・・。幼い瞳が、高い壁の向こうを見つめ思う。
 きっといつか・・・は、純粋に子供の冒険心だったはずだ・・・・。




いつもは、ブログタイトルを作品名に、1.2,3・・と、つけていますが、
「鷗」の字が、タイトルのところでは、文字化けするので、
以下、ブログタイトルでは、中華ファンタジーで、続けます。

始まって、いきなり、トラブル・・・・。







亀屋良永の時の流れ

2009-12-22 08:26:14 | 歴女じゃなくても召し上がれ
亀屋良永の「時の流れ」という和菓子です・・

        
お店の前を通った時、店先のディスプレーしてあるようかんが、
色がとっても綺麗で、足を止めてしまい、購入してしまいました・・・

織田家と明智家の紋が刻印されているお菓子。
遥かな悠久の時の流れを感じるように・・・ということですが、
天保八年創業の、本能寺前にある、このお店にも、時の流れを感じます


光秀饅頭

2009-12-20 22:37:44 | 歴女じゃなくても召し上がれ
平安神宮近くの、近代美術館に行った折り、
三条通りから、白河沿いの景色が綺麗なので、
帰り道は、散歩しながら、四条河原町へと向かおうと決め、

川沿いを少し行くと、
よくある町の和菓子屋さんといった佇まいのお店の店先に、
「光秀まんじゅう」の文字。

由来を聞きそびれたのですが、ともかく、買って帰ったそれを食してみますと。

・・・塩まんじゅう・・・?

緑の抹茶の風味の皮の中に、普通の甘いあんこではなくて、
塩まんじゅうを思い出させる味の、白あんが入っていました。

お味は、人によって好みが分かれるかもしれませんが。

いい意味で、裏切られ感というのでしょうか・・・
これも、計算のうちか?と思ったりして・・・!?



鶴亀諸白

2009-12-14 11:50:13 | 歴女じゃなくても召し上がれ
「鶴亀諸白」は、
新潟の酒造会社のお酒のようですが・・

      
           

「日本最古の酒」
の文字を、デパ地下を通り過ぎる時に見かけ、つい買ってしまったお酒でした・・

江戸時代中期頃の造り方で、造られたお酒だそうで・・

黄色く薄く色付いたこのお酒は、飲むと、
すっぱい。それから、じわっと甘みが・・。うま味がしっかりと、残ります。
存在感があるのに、酸味があるからか、料理の邪魔もしないので、
おかずもしっかり食べられます。
これだったら、また買ってもいいな~という感想だった。


・・・が、あれ以来、見かけることのない、幻のお酒。



大福茶

2009-12-14 09:31:12 | 歴女じゃなくても召し上がれ
十世紀頃の話です。
都に疫病が疫病がはやり、たくさんの人が亡くなっていきます。
都の惨状に、心を痛めた、「市の聖」といわれた空也上人は、
自ら十一面観音像をつくり、車に乗せて、
念仏を唱えながら、洛中洛外を歩きます・・・

空也上人が、道端に病に倒れていた人に、小梅を入れた茶を飲ませてみたところ、
病人が、たちまち元気になり、都の悪疫が、静まりました。

そのお茶は、当時の天皇・・村上天皇にも、献上されたので、天皇が服したお茶「皇服茶」と呼ばれた。

六波羅密寺に、伝わる言い伝えですが、
これが、後に、お正月の縁起物として、庶民に親しまれることになります。

「大福茶」と呼ばれ、お正月の習慣の一つです。
             

年末になると、「大福茶」の文字をあちこちのお茶屋さんの店先で見かけます。

結び昆布に、乾燥小梅。お茶は、各お店で種類は違うようです。
福寿園のは、「かりがね」でした。






松野醤油

2009-12-10 11:02:22 | 歴女じゃなくても召し上がれ
昨年、光悦寺に紅葉を見に行った時でした。






行き道に、松野醤油店の佇まいに惹かれて、
試しに、お醤油とポン酢を買って帰ったのですが、
おいしかったので、
以来、時々購入しています。


             




松野醤油は、文化二年(1805)からお醤油を造り続けているということです。



今は、閑静な住宅街ですが・・
この辺り、本阿弥光悦のつくった芸術村などがあり、
又、若狭、丹波からの荷を運ぶ街道筋にもあたり、往時は賑わっていたようです。


                    


清浄歓喜団・・からくだもの

2009-12-04 15:46:12 | 歴女じゃなくても召し上がれ
亀屋清永の「清浄歓喜団」というお菓子です。

これ、唐菓子だよね・・と。
デパ地下で見つけて、ひとつ買ってみた。




菓子についていた由来書き。

「略してお団と言い、遠く奈良時代遣唐使により
 我が国に伝えられた唐菓子の一種で、
 数多い京菓子の中で、千年の昔の姿そのまま、
今なお保存されているものの一つであります。(後略)」




中は小豆餡が入っていましたが、
千年前はもちろん、甘いあんこなんてあるはずはなく、
杏や木の実なんかを 
あまずら(当時の甘味料)やかんぞう(甘みのある漢方薬?)で、
甘くして中に入れていたそうです。

ぱりっとした食感のあとに、ごま油の香り。
甘い餡子を口の中で、味わうと、一緒にお香のような香りがします。