闇の中に静まり返ったお寺の中。・・・・・・・・・・。ふわっと、宙にあらわれたうさぎが手に持った玉を床の間に飾られた絵の前に置く。
玉から、煙のようなものが立ち昇り、人のかたちを象った。着物を着た三十過ぎぐらいの男。きょうきょろとあたりを見回す。
「ここは・・・。」
玉のなかで眠っていたら、声が聞こえた。ここにいて、念願を果たせ、と。男の前にうさぎが立っている。
「主から伝言なのだ。ここは、お寺だから沢山人が集まる。存分に話を聞いてもらえ。満足したら、ちゃんと成仏しろよ。」
「はあ、なるほど・・。」
「あ、それから、もし、悪さしたら、酷い目に合わすぞって。」
「ひえええ。」
見てくれはかわいいうさぎの生き物ならぬ、魔的な光りを放つ目。見つめられて、男は怯えながら、こくこくと頷いた。
「満足いくまで、小噺を聞かせて観光客を喜ばせるのだ。じゃあな。」
うさぎは、噺家の霊をそこに置いて、もときた式神が通る道を帰ってゆく。
「ああ。今日はいい仕事したあ・・・。帰ってケーキセット頼もうっと。」
うさぎが飛び跳ねながら帰って行く。
万怪異お悩み解決します・・・とは、看板に掲げていないが、町家風の佇まい喫茶「利休庵」、京の街角にはそんな場所がある。
おわり
ああ、長かった。やっと、終わった・・・。
へんてこな話を、最後まで、読んでくださった方
ありごとうございます。よろしければ、コメントに足跡を。
次の作品まで、しばらく間があきます。
今度は、また、過去の時代へ。
もしも、こんな興味深い、歴史上の人物がいるよと、
これもコメントに書き込んでいただければ、うれしいです。
みん兎
玉から、煙のようなものが立ち昇り、人のかたちを象った。着物を着た三十過ぎぐらいの男。きょうきょろとあたりを見回す。
「ここは・・・。」
玉のなかで眠っていたら、声が聞こえた。ここにいて、念願を果たせ、と。男の前にうさぎが立っている。
「主から伝言なのだ。ここは、お寺だから沢山人が集まる。存分に話を聞いてもらえ。満足したら、ちゃんと成仏しろよ。」
「はあ、なるほど・・。」
「あ、それから、もし、悪さしたら、酷い目に合わすぞって。」
「ひえええ。」
見てくれはかわいいうさぎの生き物ならぬ、魔的な光りを放つ目。見つめられて、男は怯えながら、こくこくと頷いた。
「満足いくまで、小噺を聞かせて観光客を喜ばせるのだ。じゃあな。」
うさぎは、噺家の霊をそこに置いて、もときた式神が通る道を帰ってゆく。
「ああ。今日はいい仕事したあ・・・。帰ってケーキセット頼もうっと。」
うさぎが飛び跳ねながら帰って行く。
万怪異お悩み解決します・・・とは、看板に掲げていないが、町家風の佇まい喫茶「利休庵」、京の街角にはそんな場所がある。
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今度は、また、過去の時代へ。
もしも、こんな興味深い、歴史上の人物がいるよと、
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みん兎