時の泉庭園

小説は、基本、ハッピーエンド。
話は、最後まで出来上がってからUPなので、全部完結済み。

(^◇^)・・・みん兎

萬々堂のぶと饅頭

2011-08-11 10:13:40 | 歴女じゃなくても召し上がれ
ブト、マガリ、タカマガリ、ダンク、フタツバイシ、ミツバイシ。
これ、何だか、わかりますか?
不思議な名前がついていますが、春日大社に伝わる、唐菓子の名前です。

皆、米粉を練って作る揚げ菓子で、形が違うので別の名称がつけられているようですが、
これら、唐菓子を総称する時は、「ブト」と言っているとか。

古代、遣唐使が大陸の文化を持ち帰った際、唐菓子の製法ももたらされ、
それらが、神前を、飾り、ずっと今も同じ形で、伝えられているそうです。




このブトを、売っているお店があると聞き、
前々から、一度食べてみたかったんですが、
ついに、買いました~。



萬々堂道則さんの、「ぶと」
この、包みもいい感じですね。
中を開けてみます・・!
餃子のかたちをしています。
砂糖がまぶしてあって、ぷくっとしたその形は、揚げドーナッツ。

中に餡子が入っていて、一個食べただけで食べた感がある、
もっちり、重たいお味を想像したのですが。

予想に反して、皮がほろっと口の中で、解けてくので、
揚げたごま油とあんこの取り合わせも、重たくありません。



残念ながら、ご神饌の、ブトとは、少し、味が違うということです。
御神饌の、ブトは、そのままでは固くて、ちょっと・・・なのだとか。
そのままのお味ではないですが、
和菓子屋さんならではの、美味しく作られた「ぶと」。
興味のある方は、奈良の、餅井殿商店街にある、萬々堂道則さんで。
猿沢の池、近くの商店街でした。






笹餅飯

2011-05-30 10:06:48 | 歴女じゃなくても召し上がれ
昔、役の行者が、大峰山を開山して二百年ぐらい経った頃のお話。
山中の阿古瀧に、いつのまにか大蛇が住み着いた。
大蛇が、暴れ、危害を加えるので、霊場がすっかり荒れ果ててしまった。

そこへ、勅命を受けた理源大師という、お坊様が、
奈良町に住んでいた武勇に優れた、箱屋勘兵衛を連れて、お山に登りました。


山に入ると現れ出でたる大蛇、すぐに二人に危害を及ぼそうとします。

「臨・兵・闘・者・開・・・」と唱えたかどうかはわかりませんが。

大師が、法力を使い、大蛇を呪縛。

「やあ・・!」もちろん、気合いのかけ声のひとつも発したでしょう。

箱屋勘兵衛が、大鉈をふるい、大蛇を一刀両断。

力を合わせて、大蛇を退治しました。

その後、勘兵衛は、吉野鳳閣寺の、理源大師のもとへ挨拶に行く時、
必ず大師好物の餅飯を持っていきました。
大師は、彼のことを、「餅飯殿(もちいどの)」と呼ぶようになり、
勘兵衛の住む街も、「餅飯殿」と呼ばれるようになりました。・・とさ。





この民話に想を得た、「笹餅飯」(ささもちい)という黒米を使ったおにぎりを売るお店がありました。
奈良の猿沢の池から、餅飯殿通り、商店街へつながる細い道に、「箱屋本店」というお店です。


   

笹に包まれたおにぎりは、もちっとした食べ応え、
黒米だと思うんですが、ぷちぷち感もあり、                      
早食いはいけないと思いつつ、ぱくっと、おいしく、すぐに完食。 

  

私は、ばら売りのおにぎりを買ったのですが、お弁当もあるそうなので、今度行くときは、
お弁当を買って、奈良公園の鹿を眺めつつ、ランチもいいなあ・・って、思いました。

枕の草子・・老松

2011-02-10 09:19:12 | 歴女じゃなくても召し上がれ


ふわふわの白い雪を思わせる干菓子ののった、羊羹。
色合いがとても素敵。

「登花殿」という名がついていました。

登花殿というと、清少納言の仕えた、中宮定子を思い出しますね。

京都の、老松という老舗の和菓子屋さんには、、その名も、「枕の草子」というお菓子のセットがあります。
上の羊羹は、そのセットに入っていたものです。
中身は、季節によって変わるようですが。

お正月に買ったので、新雪を思わせるような白と、雪輪模様。
梅や、桃色が、華やかな春の予感を感じさせてくれる中身でした~




醍醐

2011-01-19 11:51:52 | 歴女じゃなくても召し上がれ
醍醐味という語源のもとになった古代チーズ。

仏教の経典の中で、乳、酪、生酥、熟酥、醍醐の順で、醍醐が一番美味だと書かれているそうです。
これを、五味相生の譬(ごみそうしょうのたとえ)といって、
涅槃経が同じく最後で最上の教えであると続く・・これが、醍醐味の由来のようです。

今のように、便利な機械もない古代。
人力で、一からかき混ぜて、造るのは大変だったでしょう。
加工食品は、手間のかかる貴重なものだったことでしょう。
古代日本では、牛乳も希少だったでしょうし、
そこから手間をたくさんかけた醍醐といわれるチーズは、
食すことが出来る人も限られていたでしょうし、超高級品ですね。(^◇^)

その美味なる味の、製造方法は、実は、詳しいことは分っていないようです。
幻の製法を、中国や、日本で、たくさん研究されている人がいるようなことが、ウィキに書かれていました。

・・・と。
一応、断っておいて・・・・ 


京都の、マザーグースというケーキ屋さん(わりと知ってる人は多いと思います)で、
その名も、「醍醐」というチーズケーキが売られています。
古代チーズの製法で・・・とあったのが目に入って、気になった私は、さっそく購入し、食してみました・・

ちっちゃな丸いケーキ。
バニラビーンズとか使っていて、普通に食べてもおいしいケーキです。
酸味はなく、クリーミィ。
チーズケーキというより、ババロアのような感じでした。うまっ!

                                            

春日乃豆

2010-09-03 07:43:13 | 歴女じゃなくても召し上がれ
すあま、って何だ?・・と、ネット検索していたら、
ういろうのようなかまぼこ型の和菓子がそうなんだそうだが、
その中に、すあまじゃなくって、すはま(州浜)っていう文字が目に入った。

すはま、は、大豆粉を蜜でねって、型で押し固めたもの。
羊羹とか、竿物の菓子のようなのを想像するといいかもしれない。
切ってみると、州浜にうちよせる波が現れる。

すはま、は・・えっと・・そういえば、食べたことがあるような・・・
ああ、あのじゃりっとねちっとした食感の・・思い出した。
私の食べたことがある味は、袋詰めのおばあちゃんのおやつ的な駄菓子。
グラニュー糖がまぶしてあって、
食べると微妙にしっとりしすぎた干菓子のような味だった。

・・・なあ~んだ。
スル―しかけたのですが、「絶品」という文字が・・・・・っ!
「絶品」とか、「限定」とかいう文字に、すごく弱いんですよね。

興味を惹かれつつ・・

 

《 食べログで紹介されていたのが、
 
          丸太町通り沿いの植村義次の、「州浜」と「春日乃豆」 》


ここは州浜のみを作り続けていらっしゃるんですね。

とっても気になったので、行ってみました・・
場所は、烏丸丸太町の西南の角を西へ、少し。お店は、すぐに見つかりました。


「州浜」は、予約をしないといけないので、めんどくさがりの私は、
常時、購入できるという「春日乃豆」を。
小さなそら豆のようなかたちのお菓子で、味は、州浜と同じだということです。

家へ帰って、さっそく食べてみると、すはまのイメージが変わりました。
「!」

和三盆がまぶしてあって、口に入れると、ほろほろ・・という食感。
とってもやさしい味わい。
おいしいっ・・・!



      そら豆のようなかわいい形をしていたので、籠に入れて写真撮ってみました。


                


あ、そうだ ・・! 

ふずく(粉熟)
  『米・麦・大豆・小豆・胡麻の五種類を五色にかたどって、
   粉にして、蜜煎でねって、竹の筒に入れて押し固めたもの
                          切って食べる。』

平安時代に食べられていた干菓子の原型みたいなものということですが、
大豆粉を使ってるので、このすはまの方が、より近いお味なんじゃないですかね・・・。


申餅

2010-05-18 08:12:11 | 歴女じゃなくても召し上がれ


「140年ぶりに復活。」と、京都新聞にも載っていた宝泉堂の申餅(さるもち)。
江戸時代、葵祭の際、下賀茂神社の境内で、みたらし団子と共に売られていた。

無事息災を祈って食されていた、庶民の祭の日の風景でしたが、
明治政府の政策で、神社の祭礼が制度化され、庶民の間に伝わる習慣は否定され、
その過程で、申餅販売もなくなり、廃れていたという。
下賀茂神社の宮司さんの依頼で、宝泉堂さんが復元。


15日葵祭りから、販売を開始・・・という記事を見て、当日に行ってみましたよ(゜-゜)
お祭りのにぎわいの中で買うのも、楽しい。



「では、無事息災を祈って・・。」
                  

ごく薄い小豆の色に染まった申餅は、歯切れがよく、餅に包まれていたのが、
つぶがしっかりしていて、餡子というより、小豆の甘納豆という感じでした。
食べやすいやん。2個入りのもう一個は、一口でぱくり。



葵祭の風景も何枚か。
後ろ姿ばっかりですが・・・・・・・。



















あぶり餅

2010-05-05 08:38:26 | 歴女じゃなくても召し上がれ


今宮神社の参道に、道を隔てて二軒の茶店があり、あぶり餅というものを売っています。

千年の味・・・というと、重たい感じですが、
出て来た、あぶり餅は、素朴な味わいのもの。

味噌だれのはんなりした甘さ。
あぶった餅のちょっと端の焦げた香ばしさと、一口サイズのかわいい餅。

餅を炭火であぶる匂いも、味わいのうちです。

表の参道が見える席に座って、今宮さんの門の、新緑を眺めるのもいいかも。(^◇^)




二軒のうち、いち和さんというお店に、千年前から枯れずにある井戸があるそうです。

                 


今宮神社のできた頃から、ずっとあぶり餅は売られているそうです。
いち和さんは、創業千年。
道を隔てたかざりやさんも新しいといっても、ん百年。・・・・・・・。

人は代わっても、神社へやって来て、景色を眺めながら、
ここで一服していく風景は変わらずかあ・・・。
このあぶり餅目当ての人は、今でもたくさん訪れています。花よりだんご❤


                                    

椿餅

2010-04-14 08:17:07 | 歴女じゃなくても召し上がれ



老松で購入した、椿餅です。
中に、甘い餡は入っていないと思いますが、
椿餅は、源氏物語にも名が出て来るそうで・・


和菓子は、四季折々を表現しますが、
そんな昔から、同じようなことをしてたんですねえ。


椿のつるっと艶のある緑の葉で、
白い雪を包んだような感じです。

冬季に和菓子屋さんの店頭に並びます。

ところで、桜餅というと、花に見立てて、
桜色に染まった餅(関東では、クレープみたいなので包んであるそうですが)
というのが、定番ですが、嵐山嵯峨野で売られている桜餅は、白いです。






                          



亀屋良永の時の流れ

2009-12-22 08:26:14 | 歴女じゃなくても召し上がれ
亀屋良永の「時の流れ」という和菓子です・・

        
お店の前を通った時、店先のディスプレーしてあるようかんが、
色がとっても綺麗で、足を止めてしまい、購入してしまいました・・・

織田家と明智家の紋が刻印されているお菓子。
遥かな悠久の時の流れを感じるように・・・ということですが、
天保八年創業の、本能寺前にある、このお店にも、時の流れを感じます


光秀饅頭

2009-12-20 22:37:44 | 歴女じゃなくても召し上がれ
平安神宮近くの、近代美術館に行った折り、
三条通りから、白河沿いの景色が綺麗なので、
帰り道は、散歩しながら、四条河原町へと向かおうと決め、

川沿いを少し行くと、
よくある町の和菓子屋さんといった佇まいのお店の店先に、
「光秀まんじゅう」の文字。

由来を聞きそびれたのですが、ともかく、買って帰ったそれを食してみますと。

・・・塩まんじゅう・・・?

緑の抹茶の風味の皮の中に、普通の甘いあんこではなくて、
塩まんじゅうを思い出させる味の、白あんが入っていました。

お味は、人によって好みが分かれるかもしれませんが。

いい意味で、裏切られ感というのでしょうか・・・
これも、計算のうちか?と思ったりして・・・!?



鶴亀諸白

2009-12-14 11:50:13 | 歴女じゃなくても召し上がれ
「鶴亀諸白」は、
新潟の酒造会社のお酒のようですが・・

      
           

「日本最古の酒」
の文字を、デパ地下を通り過ぎる時に見かけ、つい買ってしまったお酒でした・・

江戸時代中期頃の造り方で、造られたお酒だそうで・・

黄色く薄く色付いたこのお酒は、飲むと、
すっぱい。それから、じわっと甘みが・・。うま味がしっかりと、残ります。
存在感があるのに、酸味があるからか、料理の邪魔もしないので、
おかずもしっかり食べられます。
これだったら、また買ってもいいな~という感想だった。


・・・が、あれ以来、見かけることのない、幻のお酒。



大福茶

2009-12-14 09:31:12 | 歴女じゃなくても召し上がれ
十世紀頃の話です。
都に疫病が疫病がはやり、たくさんの人が亡くなっていきます。
都の惨状に、心を痛めた、「市の聖」といわれた空也上人は、
自ら十一面観音像をつくり、車に乗せて、
念仏を唱えながら、洛中洛外を歩きます・・・

空也上人が、道端に病に倒れていた人に、小梅を入れた茶を飲ませてみたところ、
病人が、たちまち元気になり、都の悪疫が、静まりました。

そのお茶は、当時の天皇・・村上天皇にも、献上されたので、天皇が服したお茶「皇服茶」と呼ばれた。

六波羅密寺に、伝わる言い伝えですが、
これが、後に、お正月の縁起物として、庶民に親しまれることになります。

「大福茶」と呼ばれ、お正月の習慣の一つです。
             

年末になると、「大福茶」の文字をあちこちのお茶屋さんの店先で見かけます。

結び昆布に、乾燥小梅。お茶は、各お店で種類は違うようです。
福寿園のは、「かりがね」でした。






松野醤油

2009-12-10 11:02:22 | 歴女じゃなくても召し上がれ
昨年、光悦寺に紅葉を見に行った時でした。






行き道に、松野醤油店の佇まいに惹かれて、
試しに、お醤油とポン酢を買って帰ったのですが、
おいしかったので、
以来、時々購入しています。


             




松野醤油は、文化二年(1805)からお醤油を造り続けているということです。



今は、閑静な住宅街ですが・・
この辺り、本阿弥光悦のつくった芸術村などがあり、
又、若狭、丹波からの荷を運ぶ街道筋にもあたり、往時は賑わっていたようです。


                    


清浄歓喜団・・からくだもの

2009-12-04 15:46:12 | 歴女じゃなくても召し上がれ
亀屋清永の「清浄歓喜団」というお菓子です。

これ、唐菓子だよね・・と。
デパ地下で見つけて、ひとつ買ってみた。




菓子についていた由来書き。

「略してお団と言い、遠く奈良時代遣唐使により
 我が国に伝えられた唐菓子の一種で、
 数多い京菓子の中で、千年の昔の姿そのまま、
今なお保存されているものの一つであります。(後略)」




中は小豆餡が入っていましたが、
千年前はもちろん、甘いあんこなんてあるはずはなく、
杏や木の実なんかを 
あまずら(当時の甘味料)やかんぞう(甘みのある漢方薬?)で、
甘くして中に入れていたそうです。

ぱりっとした食感のあとに、ごま油の香り。
甘い餡子を口の中で、味わうと、一緒にお香のような香りがします。




亥の子餅

2009-11-27 10:40:31 | 歴女じゃなくても召し上がれ
新しいカテゴリー追加しました・・

歴女じゃなくても召し上がれ。何じゃこりゃ?

普通に美味いもん紹介でもよかったんですが・・・。

みん兎は、よく桜だとか、紅葉だとか、季節の風景写真を撮りに出かけます。
主に京都ですが、出かけた先で、古くからある食べ物も見つけたりします。

自分で作らずに、お家で昔の人も味わった味覚を楽しめるなんて、ラッキー。
記念に、写真も撮ったりなんかして・・。

見つけたら不定期ですが、紹介がてらUPしてみます。
ついでに、何とか饅頭だとか、人物にちなんだものも加えて。
興味がある方は、雰囲気を試してみては?



亥の子餅

旧暦十月の亥の日。
宮中では玄猪の儀を行う日でした。
寒中に、猪肉を食べると体が温まり、万病に効くといういわれから、
猪肉を食べていたそうなのですが、仏教が広まり、殺生を忌むことから、
餅を食べることになったそうです。

亥の子餅は、
菊の葉や、いちょう、もみじのいずれかを添えて、
天皇から群臣たちへ賜るこの行事が、
民間にも広まり、亥の子餅を食べて無病息災を祈ったそうです。



写真は、鶴屋吉信の亥の子餅。
11月頃、他の和菓子屋さんでも売ってるのみられます。

お餅に黒ゴマのプチプチ感と、香ばしさが、おいしさをひきたててくれます。