轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

スズキ・ワゴンR

2008-10-10 18:14:27 | SUZUKI
助手 「ワゴンRがフルモデルチェンジされましたね。」

所長 「ダイハツのムーヴが思いきって変えてきたから、どうするのか楽しみにしとったんじゃ。」

助手 「そうでしたね。でもあんまり変わってませんよね。」

所長 「そうかぁ、ワシは結構変えてきたと思ったんじゃがな。」

助手 「まぁ、前傾姿勢が強まったのと、ライトのカタチがちょっと変わったのと、あと6ライトのウィンドウが4ライトに変わりましたけど、全体の印象としては、そんなに変わってないでしょ。」

所長 「確かに従来のワゴンRのイメージを継承しとるけど、それは変えようがないし、変える必要もないじゃろ。」

助手 「そうかもしれませんけど、もう4代目ですよ。いい加減飽きられるかもしれませんよ。」

所長 「何て言うんかの、ワゴンRのカタチってミニやビートルの域とまでは言わんが、それに近いぐらい定着してきとると思うんじゃ。クルマに興味の全くないヒトでもちゃんとワゴンRって見分けられるんじゃないか。」

助手 「うーん、そうかもしれませんね。」

所長 「そう考えると今度のワゴンRもちゃんと見分けられるカタチになっとるじゃろ。ワゴンRの場合、そこを押さえておかんといかんのじゃ。それがムーヴとの最大の違いなんじゃ。」

助手 「でもそればっかりに固執してるとムーヴやタントに足をすくわれてしまわないですか。」

所長 「確かにムーヴやタントの進化ぶりには目を見張るモンがあるんじゃけど、それを持ってしても型遅れのワゴンRに歯が立たんかったんじゃ。それが定着したモンの強みと言うモンじゃ。」

助手 「・・・・。」

所長 「軽自動車の需要が高まったという追い風があったとは言え、先代の5年間の販売期間の平均で1万8000台、一番少なかった月でも1万2,000超えの化けモンじゃしな。」

助手 「ホントによく売れてましたよね。まさしく国民車と呼ぶのに相応しいクルマですね。」

所長 「そういうことじゃ。で、今度のワゴンRじゃけど、さっきお前が言うとったようにライトのカタチや窓の数が変わっとるんじゃけど、全体的に柔らかい印象になっとるように思うんじゃ。これまでのワゴンRって初代がつくり上げた道具っぽいキャラクターを活かしたデザインじゃったんじゃが、2代目から徐々に薄めてきとったと思うんじゃ。で今度のワゴンRで完全に消し去ったような気がするんじゃ。」

助手 「言われてみればパーソナル色が強まった感じはしますね。」

所長 「特にサイドのパネルの面なんかは先代までは硬質な感じがしとったのが、今度のはえらく柔らかい感じになっとるんじゃ。初めて見たときはトヨタのクルマかと思ったモンじゃ。」

助手 「そうですね。エッジで凹凸をつけてたのが、ぼかした感じになりましたよね。」

所長 「ボディカラーも白やシルバーのイメージが強かったのが、今度のは水色やピンクなんかの中間色が似合うんじゃないか。」

助手 「それは言えてますね。」

所長 「あとライトの切り欠きがホイールアーチの影響を受けとるとことか、シンプルになったグリルなんかは、スイフトとの関連性も感じるし、新しいスズキのアイデンティティーも上手く取り入れとるんじゃ。この辺りも従来のワゴンRとは違ったところじゃろ。」

助手 「確かにスイフトの弟分的なところはありますね。」

所長 「なっ、フォルム自体はワゴンRのそれなんじゃけど、ひとつひとつ見ていけば結構変わっとるじゃろ。」

助手 「そうですね。」

所長 「で、一番気になっとったとこがダイハツの攻勢に対してどう答えるかじゃったんじゃが、完全にダイハツとの過当競争から降りたようじゃな。」

助手 「どういうことですか。」

所長 「つまりダイハツは軽自動車の性能をどんどん上げようとしとるじゃろ。広さだったり、質感だったりじゃけど、もはや小型車となんら変わらんとこまできとるじゃろ。」

助手 「そうですね。」

所長 「今度のワゴンRもホイールベースや室内長を伸ばしてきとるんじゃが、ムーヴと比べてしまうと一世代前の水準なんじゃ。」

助手 「トヨタの後ろ盾があるダイハツと普通車に比重を移してるスズキとでは台所事情も全然違うんでしょうね。」

所長 「それももちろんあるんじゃろうけど、ワシには過剰な性能を追いかけるのをやめたように思えるんじゃ。パレットのときもそうじゃったんじゃが、ワゴンRに乗ってこれ以上の広さを求める必要なんてこれっぽっちも感じんしの。」

助手 「それは言えてますね。」

所長 「これまでの居住性の向上ってライバルメーカーの数値を上回るのが目的で、お客が要望しとった訳でもないじゃろ。98年の新軽規格のときで、すでに驚くほど広かったしの。」

助手 「質感にしてもいいに越したことはないですけど、それよりも価格が安い方が喜ばれるでしょうしね。」

所長 「そういうことじゃ。他のクルマとの共用部品も見受けられるがそれによってコストダウンが図れるんじゃったら、ユーザーにもメリットがあるしの。」

助手 「そうですね。やっぱり今度もワゴンRの独断場は変わりそうにもありませんね。」

所長 「じゃな。じゃがダイハツも何とかワゴンRをナンバーワンの座から引きずり下ろしたいじゃろうし、何をしてくるかわからんがな。」

助手 「ムーヴもラテに続いてコンテと増殖してますしね。そのうちムーヴ・タントとかムーヴ・ミラとか出すかもしれませんよ。」

所長 「ま、そんな極端なことはせんじゃろうけど、連合を組んで台数を増やすしか勝ち目はないじゃろうな。」

助手 「性能でいくら上回っても勝てないのも気の毒な話ですけどね。」

所長 「じゃな。じゃが当のスズキはそんなにダイハツを意識しとらんのかもしれんのにな。」

助手 「そんなことないでしょ。宿命のライバルなんじゃないんですか。」

所長 「多分スズキはムーヴに抜かれたとしても、ワゴンRの販売が落ちんかったら問題ない、ぐらいに考えとると思うぞ。」

助手 「何か段々憎たらしく感じてきましたよ。」


参考資料
スズキ・ワゴンR(スズキ株式会社)
スズキ・ワゴンRスティングレー(轟クルマ文化研究所)
スズキ・パレット(轟クルマ文化研究所)
ダイハツ・ムーヴ(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


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2 コメント

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Re:内装・機能 (宇垂)
2008-10-14 18:46:26
助手 「そうですね。正直、このクルマがあれば十分なんじゃないかと思えましたね。誰が買っても満足できるクルマという意味では世界一なのかもしれませんね。」
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内装・機能 (フリーク)
2008-10-10 22:08:36
フリーク研究生「インテリアがすごく良くなってます。」

フリーク研究生「スズキの看板車なので当然力がはいっているでしょう。」
返信する

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