轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

スズキ・パレット

2008-02-08 16:39:31 | SUZUKI
助手 「昨年末にチェンジしたタントに続いて、今度はスズキからパレットが登場しましたね。」

所長 「そうじゃな。両方ともモーターショーに出とったから、あんまり目新しくは感じんけどな。」

助手 「ですね。タントの出足はいいみたいですけど、パレットはどうでしょうね。」

所長 「そりゃあ最初はいいに決まっとるじゃろ。タントのヒットで市場も出来上がっとるところに、販売力のあるスズキが出すんじゃから、売れん理由は見当たらんじゃろ。」

助手 「でも新しいタントと比べると正直見劣りすると思いませんか。後出しなのに広さではタントに敵いませんし、タントにはピラーレスのミラクルオープンドアっていうインパクトのある武器もありますしね。」

所長 「うーん、どうなんじゃろ。確かに数値を比べてみるとホイールベースの長いタントの方が室内の広さでは優れとるんじゃが、実際にスズキのショールームでパレットに乗ってみて不満を感じるモンがおるんじゃろうかのぉ。」

助手 「それもそうですね。パレットでも従来の軽自動車と比べたら広過ぎるぐらいですよね。」

所長 「コンパクトカーやセダンからの乗り替えでも狭いと感じることはないじゃろ。これだけの広さがあるのにあと数値が数センチ長くなったところであまり意味がないじゃろ。それよりも装備の充実とか質感とかに目がいくんじゃないのか。」

助手 「確かにそうですね。でもその部分で比べてもタントの方がいいんじゃないですか。タントに限らず最近のダイハツはどれもお金が掛かってますしね。」

所長 「かもしれんな。じゃがそれでもムーブがワゴンRに販売台数で勝てない現実があるんじゃがな。あと前にも言ったがワシが選ぶんじゃったらパレットの両側スライドドアの方が使い勝手がいいと思うし、お客がどこに魅力を感じて購入するかはわからんしの。」

助手 「そうですね。これは販売台数の推移が楽しめそうですね。」

所長 「まぁ、タントの有利は間違いないじゃろうけどな。デザインが違っとったらもっと面白かったんじゃがな。」

助手 「どういうことですか。パレットのデザインって悪くないと思いますけど。」

所長 「誰も悪いとは言っとらんじゃろ。ただワシがスズキの開発担当じゃったら、もっとベタなデザインにすると言っとるんじゃ。」

助手 「ベタなデザインですか。」

所長 「そうじゃ。タントって先代のデザインを周到しとるじゃろ。」

助手 「踏襲ですね。」

所長 「ん、・・・そうじゃ、それじゃ。・・・で、結構好き嫌いが別れるデザインじゃろタントって。標準モデルは可愛い過ぎるし、カスタムは正直、不細工じゃろ。」

助手 「まぁ、好みの問題でしょうけどね。ボクもそう感じますけど。」

所長 「で、後出しで出すんじゃったら、もっと売れ線のデザインにした方がいいと思わんか。」

助手 「ま、そりゃそうでしょうけど、売れ線のデザインってどんなのですか。言うのは簡単ですけど。」

所長 「じゃからワゴンRって売れ線のクルマがあるじゃろうが。その延長線上のデザインにすればいいんじゃ。」

助手 「ワゴンRですか。確かに売れ線かもしれませんね。初代から基本デザインは変わってませんしね。」

所長 「エブリィワゴンってクルマがあるじゃろ。あれなんて凄くベタなデザインじゃと思うんじゃ。ワゴンRのデザインテイストでワンボックスにしたっていう感じじゃろ。サイドは水平基調のいかにもワンボックスっていうスタイルで、B、Cピラーをブラックアウトにしてフロントピラーとリアピラーの存在感を高めとる。リアスタイルも縦長のランプとナンバーの位置のバランスまで調和がとれとるじゃろ。ああいうデザインは好き嫌いが出にくいと思うんじゃ。その分新しい提案も何もないんじゃがな。」

助手 「エブリィワゴンですか、うーん、ボクも軽のワゴンの中で一番好きなデザインですね。それじゃあ、パレットも同じテイストにするということですか。確かにタントよりも人気がでるかもしれませんね。でもワゴンRの売れ行きが落ちてしまうんじゃないですか。」

所長 「まぁ影響はあるじゃろうな。パレットのデザインにしてもワゴンRのイメージから遠ざけようとして、変に丸くしたような気がするしのぉ。じゃがワゴンRもモデル末期じゃし、今のままワゴンRの販売に頼るよりも新しいパレットを販売の主軸に持ってきた方がいいと思うんじゃけどな。で、次のモデルチェンジでワゴンRをより進化させる方が健全じゃろ。」

助手 「それはそうかもしれませんね。じゃあ、どうせならもっとベタに厳つい面構えにしたらどうでしょうか。」

所長 「ん、どうするんじゃ。タント・カスタムみたいなクルマか。」

助手 「もっと大胆に、例えば初代bBやシボレー・アストロみたないに悪を全面にだした角ばったデザインにするんですよ。それだったらワゴンRとも競合しないんじゃないですか。」

所長 「うーん、なかなか面白いかもしれんのぉ。広さもアピール出来るしの。ワゴンRでやるには冒険が過ぎるかもしれんが、新規投入のパレットなら案外いいかもしれん。ま、名前はパレットじゃまずいかもしれんがな。」

助手 「顔つきも出来るだけ厳つくして、グロリアのグランツーリスモみたいなクルマにするんですよ。控えめな渋いエアロを付けて、イメージカラーはもちろん黒で。」

所長 「クレスタみたいな角目四灯もいいんじゃないか。」

助手 「そうそう、そんな感じです。」

所長 「普通車から軽に乗り替えるオッサン層も取り込めるかもしれんな。」

助手 「でしょ、でしょ。若い子にもウケると思うんですよ。」

所長 「じゃが飽きられるのも早そうじゃのぉ。」

助手 「えっ・・・。」

所長 「昔のクルマをモチーフにすれば確かに共感は得られるんじゃが、発売したときが頂点じゃろ。そのあと何年もそのデザインで売れ続けるほど世間は甘くはないんじゃ。それよりも見慣れてくるにつれ人気が出るデザインの方が耐久性があるんじゃ。」

助手 「そ、そんな急に真面目な話をしないで下さいよぉ。さっきまでのってたクセに。」

所長 「知るか。」


参考資料
スズキ・パレット(スズキ株式会社)
ダイハツ・タント(轟クルマ文化研究所)
スズキ・エブリイワゴン(スズキ株式会社)
シボレー・アストロ(Wikipedia ウィキメディア財団)
日産 セドリック(『GAZOO.com』トヨタ自動車株式会社)
トヨタ・クレスタ(『GAZOO.com』トヨタ自動車株式会社)

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