轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

フォルクスワーゲン・ティグアン

2008-10-03 17:45:46 | Volkswagen
助手 「フォルクスワーゲンから、また新しいクルマが出ましたね。」

所長 「ティグアンとか言ったのぉ。」

助手 「そうです、ティグアンです。」

所長 「トゥーランにトゥアレグにティグアン、どれもあんまり馴染めん名前じゃな。」

助手 「言えてますね。しかしこのところのフォルクスワーゲンの新車攻勢は凄まじいですね、イオスとか、まだ日本に入ってませんけどシロッコにパサートCCも控えてますからね。」

所長 「じゃな。」

助手 「でもこんなに増やしてどうするんでしょうね。」

所長 「じゃが国産メーカーと比べるとまだまだマシな方じゃけどな。」

助手 「それもそうですね。」

所長 「ま、それだけ市場が細分化されとるということなんじゃろうな。今度のティグアンにしても世界的にSUVの需要が拡大しとるわけじゃから、フォルクスワーゲンとしても見過ごすことは出来んじゃろうしな。」

助手 「それはわかるんですけど、ひと昔前はポロとゴルフ、ジェッタにパサートぐらいしかなかったじゃないですか。それでいてヨーロッパで1、2を争うメーカーだった訳でしょ。なんだか日本のメーカーなんかに毒されて悪い方向に向かってるような気がしてならないんですけどね。」

所長 「ま、今のグローバルな市場で生き残ろうと思うと、日本のメーカーのようにきめ細かい対応が求められるんじゃろうな。じゃがそのお陰でフォルクスワーゲン・グループの販売総数では、フォードを抜いて今じゃ世界で第3位らしいぞ。」

助手 「ええっ、そうなんですか。」

所長 「まだ上半期の段階じゃけどな。」

助手 「へぇ、凄いですね。」

所長 「そう考えるとコンパクトサイズのSUVに今まで手を出しとらんかった方が不思議なくらいじゃろ。」

助手 「言われてみればそうですね。トゥアレグなんかよりもよっぽどフォルクスワーゲンらしいですよね。」

所長 「元々SUV自体が北米向けみたいなとこがあったじゃろ。じゃから向こうで需要の大きいモンから手を出したんじゃろう。で、SUVの市場が膨らんできて手頃なサイズのモンが売れてきたんじゃろうな。」

助手 「でもRAV4やCR-Vが出たのってもう10年も前の話でしょ。」

所長 「その頃はまだまだニッチな市場じゃったんじゃ。じゃから向こうのメーカーも本気で開発しとらんかったんじゃろ。それがオンロード指向に変わってきてどんどんセダンやハッチバックの市場を侵食してきたから、慌てとるんじゃろ。」

助手 「そんな感じかもしれませんね。」

所長 「で、ようやく各メーカーとも出揃ったって感じじゃな。」

助手 「そうですね。BMWのX3にベンツのGLK、アウディのQ5、ボルボのXC60、あとルノーのコレオスでしたっけ、新規参入が続きますよね。」

所長 「そう言えば、ミニにもSUVが加わるそうじゃの。」

助手 「みたいですね。」

所長 「あんまりブランドの安売りはせん方がいいと思うんじゃがな。」

助手 「言えてますね。で、ティグアンですけど、このクルマどうなんでしょうね。なんか掴みどころのないクルマって感じがするんですが。」

所長 「ま、こんなモンじゃろ。他にやり様がないんじゃないか。フォルクスワーゲンの今のデザインテイストでSUVをつくったら、こうなりましたって感じじゃろ。お決まりのワッペングリルに涙目のライトじゃし、エンジンもさんざん使いまわしとる2Lのターボじゃろ。」

助手 「そう言えば今度出るゴルフⅥはワッペングリルをやめたみたいですね。」

所長 「みたいじゃな。シロッコから新しい顔つきを採用しとるの。」

助手 「やっぱり評判が悪かったんですかね。」

所長 「どうなんじゃろうな。ワシはだいぶんと見慣れてきたから、そう悪くは思わんのじゃけどな。何でも今までの高級化路線から原点回帰に修正するとかって話じゃの。」

助手 「でもワッペングリルってビートルのフロントフードをモチーフにしてたんじゃなかったですか、言わばフォルクスワーゲンのルーツでしょ。」

所長 「確かそんなこと言っとったの。じゃが元々フォルクスワーゲンって向こうの言葉で国民車っていう意味じゃったじゃろ、そう考えると今のギラギラしたグリルは少しやり過ぎじゃったのかもしれん。」

助手 「それは言えてるかもしれませんね。アウディのシングルフレームとも似通ってましたしね。」

所長 「まぁ何でもいいんじゃが、一度決めて始めたことを簡単にやめてしまうのは、どうかと思うんじゃがな。三菱やスバルもそうじゃけど、10年、20年スパンで物事を考えていかんとお客に不信感を持たれてしまうと思うんじゃけどな。」

助手 「ま、確かにコロコロ方針が変わってしまうのは問題ですね。ただボクは新しい顔の方がいいと思いますけどね。」

所長 「ワシはどっちでもいいんじゃが、どのクルマもおんなじ顔っていうのが気に入らんわ。そこんとこを変えてもらいたいモンじゃ。」

助手 「で、出た途端に旧型の顔になってしまったティグアンですけど、販売的にはどうでしょうね。」

所長 「世界的に見れば大ヒットになるんじゃないか。同クラスのデュアリスがデビューから1年足らずで10万台を突破しとったじゃろ。向こうではかなりの需要が見込めるクラスなんじゃろう。」

助手 「日本ではどうですかね。価格的にはかなり頑張ってますよね。ゴルフより少し高いぐらいでしょ。」

所長 「ゴルフでは面白くないと思っとるお客を結構取り込めるかもしれんの。じゃが安いと言っても360万円もするんじゃ。この間さんざん高いと言っとったエクストレイルのディーゼルが300万じゃろ。見方が変わると安く感じるから不思議じゃな。」

助手 「・・・た、確かに。」


参考資料
フォルクスワーゲン・ティグアン(フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社)
フォルクスワーゲン・ゴルフⅥ(『webCG』 株式会社二弦社)
日産 エクストレイル その2(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 三菱 トッポ | トップ | スズキ・ワゴンR »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
タイガー+イグアナ (kamo)
2008-10-05 13:27:49
毎週楽しく読ませて頂いています。
ゴルフとパサートを半分づつくっつけてSUVテイストに仕上げたっていうのが私のティグアンに対する印象です(笑)。
販売に関しては、あのガソリンを湯水の様に使うアメリカですら、燃料費の高騰をうけてコンパクトで低燃費な車が人気みたいなんで、ティグアンも需要にマッチして売れるかもしれないですね。
日本では車自体が売れてないですから、ヒットは難しいでしょうが…。
返信する
Re:タイガー+イグアナ (宇垂)
2008-10-06 20:10:53
タイガーとイグアナでティグアンですか!
知りませんでした。

日本人の感覚ではあり得ない組み合わせですね。

ティグアン、適度な大きさとフォルクスワーゲンの威光でそこそこ売れそうな気がしますが・・・。
返信する

コメントを投稿

Volkswagen」カテゴリの最新記事