轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

スズキ・ワゴンR スティングレー

2007-03-02 18:50:55 | SUZUKI
助手 「所長、どうなってるんですか。」

所長 「何がじゃ。」

助手 「何がじゃないですよ、スズキですよ、スズキ。」

所長 「じゃからスズキがどうしたと言うんじゃ。まったくお前の話しはいつもそうじゃ。要領を得んと言うか。」

助手 「もう、本当はわかってるくせに。スティングレーです、ワゴンRのスティングレー。」

所長 「なんじゃ、この間出たスティングレーのことか。それじゃったら初めっからそう言えばいいんじゃ。で、スティングレーがどうかしたのか。」

助手 「どうかしたのかじゃ、ありませんよ。この間セルボが出たとき所長、なんて言ったか覚えてますか。」

所長 「うーん、なんじゃったかのぉ。確かヴィッツのような塊り感のあるカタチを軽自動車で表現するのは、無理があると言ったんじゃなかったか。」

助手 「その話しじゃないんですよ。スズキの軽自動車の減産の話しです。新型車をつくっても生産台数が決まってるから、既存のクルマが売りにくくなるだけだって言ってたじゃないですか。」

所長 「そう言えば、そんなことも言ったような気がするのぉ。」

助手 「もう。で、言った尻から新しいクルマが出たじゃないですか。一体どういうことなんですか。」

所長 「新しいクルマと言ってもワゴンRの顔を変えただけじゃろ。開発費もそんなに掛かっとらんじゃろうし、ま、お茶を濁したといったところじゃろ。」

助手 「そうですか。ボクにはダイハツのムーブやミラの出来が良かったんで、スズキが焦ってるように思えるんですけど。」

所長 「確かにムーブの出来の良さには、さすがにスズキもびっくりしたじゃろうな。実際ワシも驚いたしな。」

助手 「えっ、そんなに簡単に認めないで下さいよ。この間の話しはなんだったんですか。」

所長 「この間の話しとムーブの出来がいいのとは関係ないじゃろ。」

助手 「所長の予想では新規車種を増やすんじゃなくって、次のワゴンRやアルトの基幹車種に力を入れてくるという話しじゃなかったですか。」

所長 「そうじゃ。今でもそう思っとる。」

助手 「でも実際にスティングレーが出たじゃないですか。これをどう説明するんですか。」

所長 「じゃからワゴンRの顔を変えてお茶を濁しとるだけじゃと言っとるじゃろ。」

助手 「どういうことですか。納得がいくように説明してくださいよ。」

所長 「なんじゃ、そんなこともわからんのか。たまには自分で考えろ。」

助手 「そんなことを言って説明できないから逃げてるんでしょ。」

所長 「ったく、ホントにダメなヤツじゃな。しょうがないのぉ。」

助手 「ちゃんと納得できるように話して下さいよ。」

所長 「ほどほどワシが信用できんようじゃな。いいか、よう聞いとけよ。まず、そうじゃな。ワゴンRのモデルサイクルを知っとるか。」

助手 「えっ、・・・確か4、5年じゃなかったですか。」

所長 「そうじゃ、ほぼ5年周期じゃ。それに対してライバルのムーブはきっちり4年でモデルチェンジしとるんじゃ。ほらっ98年の新軽規格に移行したときにムーブと同時に2代目にモデルチェンジしたじゃろ。」

助手 「はい。」

所長 「そのあと現行の3代目が出たのが2003年なんじゃ。じゃがムーブは1年前にすでに3代目に切り替わっとったんじゃ。そのムーブが去年の秋にモデルチェンジして4代目になったじゃろ。これで5年周期のワゴンRとは2年のズレが出来るんじゃ。」

助手 「はい。」

所長 「ここでスズキとしては1年前倒しをして4年でワゴンRをモデルチェンジさせるか、それとも従来通りの5年間売り続けるかの選択することになるんじゃ。」

助手 「そうですね。」

所長 「で、ここで考えんといかんのがワゴンRの現在の状況じゃ。」

助手 「現在の状況ですか。」

所長 「そうじゃ。昨年の販売台数がワゴンRが22万台で1位なんじゃ。2位のムーブが14万台じゃから、正直ライバルと呼べん差があるんじゃ。」

助手 「そんなにあるんですか。でもムーブはモデル末期だったでしょ、今年は違うんじゃないですか。」

所長 「もちろん今年はムーブはもっと伸びるじゃろうし、ワゴンRも落ち込むじゃろ。じゃが正直言って、慌ててモデルチェンジすることもないじゃろ。例え今年販売台数でムーブに負けたとしても、スズキの計画通り売れてくれればいいんじゃから。」

助手 「確かにそうですね。」

所長 「じゃから今度のスティングレーは、ワゴンRのモデルサイクルを引き伸ばすのためのテコ入れじゃと思うんじゃ。ワゴンRの落ち込み分をカバーすればそれでいいんじゃ。」

助手 「それにしては結構な変わりようですよ。前から見たらまるで違うクルマじゃないですか。」

所長 「そんなことないじゃろ。今どきのクルマのつくり方じゃったら、ライトのカタチをいじるだけでもボンネットとフロントフェンダーそれにバンパーの形状まで変わってしまうんじゃ。それじゃったらシルエットを変えても大して変わらんと思うぞ。それに顔以外はワゴンRそのまんまじゃし、もしワゴンRがモデルチェンジしたあとも売るんじゃったら、古臭く見えてしまうじゃろ。」

助手 「うーん、言われてみればそうかもしれませんね。」

所長 「ワゴンRの登場を先送りするということは、それだけムーブに対してアドバンテージが持てる訳じゃ。それに現行モデルを長く販売するということは利益面での効果も大きいしの。じゃからワシが前に言った話しとなんら変わっとらんのじゃ。」

助手 「そういうことですか。」

所長 「ただスズキとしても楽観できる状態でもないんじゃろうけどな。」

助手 「どういうことですか。予想以上にムーブやミラの販売が好調だからですか。」

所長 「違うんじゃ、スズキにとって厄介なのは、むしろタントの存在じゃろ。年々台数を伸ばしてきとるし、もし次のモデルチェンジでワゴンRにぶつけてきたら堪えるじゃろうな。」

助手 「タントですか、よく売れてるようですね。ムーブがワゴンRのカタチから変えてきたことですし、あり得ない話しじゃないですね。」


参考資料
スズキ・ワゴンRスティングレー(スズキ株式会社)
スズキ・セルボ(轟クルマ文化研究所)
ダイハツ・タント(ダイハツ工業株式会社)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所




最新の画像もっと見る

コメントを投稿