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御嶽山噴火:「親より先に…」 寄り添う結婚約束の2人

2014-10-27 | 報道・ニュース
 結婚を約束していた若いカップル。登山好きな夫婦−−。御嶽山(おんたけさん)の噴火に巻き込まれた人たちの生還を待ち焦がれた家族らに悲報が届いた。「親より先に逝くなんて」。父親は声を振り絞った。

 相次いで死亡が確認された愛知県一宮市の会社員、所祐樹さん(26)と、交際相手の同、丹羽由紀さん(24)は、結婚を約束していた間柄だった。2人は、山頂のモニュメント付近で並んで倒れていたという。次男と、その未来の妻を捜し続けた祐樹さんの父清和さん(52)は1日夜、遺体と一緒に自宅に戻り「ゆっくり、安らかに眠ってほしい」と話した。

 清和さんによると、祐樹さんは経験こそ浅いが山好きで、登山の本も買っていた。由紀さんとは今夏、富士山に一緒に登った。御嶽山は初めてだった。

 9月27日未明に自宅を出て山に向かった祐樹さん。7合目の御嶽観光センターに車を止め、2人で頂上を目指したらしい。噴火の30分前、由紀さんは友人に「山頂に着いたよ」と連絡していたという。

 長野県警からの連絡を受け、清和さんは妻喜代美さん(52)とともに28日未明、王滝村の公民館に着き、祐樹さんの携帯電話をコールし続けた。「とにかく無事でいてくれ」。同日夕には報道陣に、富士山で撮られた祐樹さんと由紀さんのツーショット写真を公開して必死に呼びかけた。「誰か、2人が下山しているところを見た人はいませんか」

 しかし日がたつにつれ、「『どこかで生きていて』と願っていたが、せめて傷の少ない状態で戻って来てほしいという気持ちに切り替えた」という。捜索が中断された30日。家族らの待機所の裏で壁にもたれ、空を見上げる清和さんの姿があった。

 1日、身元確認。清和さんらは警察から遺体発見状況の説明を受けた。祐樹さんと由紀さんは寄り添うように、火山灰に埋もれて見つかったという。

 対面した祐樹さんの顔は少し腫れていたが、きれいだった。呼び続けた携帯電話は、遺品のバッグの中でバラバラになっていた。

 祐樹さん、由紀さんの遺体を乗せた2台の霊きゅう車は午後8時50分ごろ、相次いで安置所を出発した。清和さんが乗った乗用車が先導した。2人の車は、地元のインターチェンジを下りるまで一緒に走ってきて、それぞれの自宅に戻った。報道陣に「親より先に死ぬなんて、『順番が逆だろう、ばか息子め』と文句の一つも言ってやりたい」と清和さんは気丈に言った。

お気の毒にね。


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