何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

凍りついた道に人の情け

2016年01月19日 20時06分05秒 | Weblog
昼になれば雪も溶けて買い物にも行ける。
そう思っていたが、冬将軍様は立ち去ってくれなかった。
雪は溶けるどころかガチガチに凍って、暗くなった今も車が通るとバリバリバリっと道に残った凍った雪が割れる音が聞こえる。

昨日、CDの注文をメールでいただいたので、駅にあるポストまで出掛けて投函する事にして、昼ごはんを食べてから出発した。
気温は低く、雪はバリバリに凍っていた。
お日様が当たって、所々溶け出しているので滑りやすくなっていた。
人一人通れるぐらい、誰かが雪を掻いてくれていた。
でも、所々雪が残って地面にへばりつくように凍っている所があって、雪の無い普通の道でもふらついて歩いている僕にとって滑らないように歩くのは至難の業だ。

転ばないように、普段でも狭くなった歩幅を10cm刻みにちょこちょこちょこと亀のスピードで歩く。
そんな危なっかしくたどたどしい歩き方だから、対抗する人が見えると50mぐらい先の人でもずっと待ってその人が通り過ぎてから歩き出す。
前から来る人が見えるたびに立ち止まって行き過ぎるのを待つので、駅までの道のりが普段の倍以上に思えた。
身体中の神経を尖らせて歩いたので駅に着いた時にはヘトヘトだった。
死に物狂いで歩いてきて、ポストにCDを投函出来て一安心、あー良かった。

普段より沢山立ち止まった、行過ぎる人といっぱい頭を下げあった、何度も道をゆずってもらった、その度に素直に「ありがとうございます。」と、感謝の気持ちを声に出来た。
普段より倍以上かかってかえって来た。
転びそうになりながら、必死にバランスを取ってかえって来た。
アパートの玄関前で、部屋の鍵を取り出すのも億劫なぐらい疲れ果てた。

でも、気持ちは晴ればれ。
沢山の人と道を譲り合えた事。
心から「ありがとうございます。」と言えた自分に。
凍りついた危険な雪道だったが、だからこそ得るものも多かった。
今日の日に、ありがとう。

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