何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

558日目 なんでモール

2005年10月05日 02時21分28秒 | Weblog
10月 4日

 今日も朝10時半に勝手に目覚めた。当然の寝不足だ、再び眠ろうとするのだが、詩の完成を見ていない。今夜は、なんでモールのライブ、なんでモールのライブでは必ず新曲を作っていくと決めている。その新曲はまだ出来ていない。布団を蹴っ飛ばして起きだした。

 コンピューターを開く。新曲のアイデアの詰まったノートを開く。じっと見つめる。アイデアは詰め込まれているが、しっちゃかめっちゃかの言葉が並んでいるだけだ。

 この時点での仮タイトル(タイトルはイメージを膨らませるためにとっても大切なものなのだ)は、「バッドチューニング・グッドチューニング」。

 実は昨日のハンブルグに着いてエンジンを切ってから、もう一度車を動かそうとした時、エンジンが掛からなかった。ヒヤヒヤものライブだった。ライブそのものじゃなくて、果たして帰るときにエンジンがかかるかどうかが心配だったのだ。ラッキーな事に、帰るときにはエンジンが掛かった。
 だから今日は、日産の営業所に行ってアクシデントを解消するつもりだったのだ。だが、作詞の世界にはまり込んでしまった。そして、時間を忘れて作詞と共に作曲活動に時は過ぎていった。

 考えている間に、仮タイトルは変わって「再生」になった。作曲と作詞が同時進行して、とりあえずの世界にたどり着いたのは夕方だった。作詞は、もうこれ以上いじるところも無く完成したが、曲のほうはまだ流動的な要素が残ったまま、なんでモールに出発したのは6時半。

 ライブ開始は、8時だ、10分前に到着。今夜のお客さんは3人。カーペンター松井君、神谷さん、そしてアマチュアミュージシャンの鈴木君。一曲目から新曲「再生」を披露。だが、作ったばかりの歌で、イメージ通りに唄えなかった。その事が頭にこびりついて、今夜のライブは、何をやっているかわからないまま1時間半が過ぎてしまった。

 ライブ終了後、さてどうしようかと悩んだ。明日のスケジュールが空いたままなのだ。昨夜というより明け方電話をくれた愛知県岡崎市のみえこさんの店に出掛けて歌おうかと思ったが寝不足状態で岡崎市に出掛けて帰ってくる自信は無い。
 結論、帰り道に「輩」寄って、押しかけ日付変更線ライブをやるしかない。

 なんでモールを10時半に出発して春野町に向かった。

 此処で、今日出来たばかりの詩を掲載します。タイトルはあくまでも仮です。


      再生


 壊れかけた古いギターを取り出して
 合わない音に声を合わせて唄いだす
 心のどこかで奇跡を信じちゃいるけれど
 チューニングは狂ったまま
   ステージに背を向けまばらに座ったお客を相手に
   それでも今日をただひたすらに
   ギターのネックは折れそうなままでつながっている
   夢のかけらにすがるように

 ギャラより高い交通費なんて歌があったね
 古い昔のフォークソングの時代にさ
 今も昔も何んにも変わっちゃいないのさ
 旅する心に隙間風
   一握りの奴らだけがつかめる栄光を
   性懲りも無く夢見続けてきた
   もうやめよう終わりにしようよこれが最後だって
   稼ぎも無くて唄い続ける事は


 取っ手の取れたギターケースを車に積み込んで
 次の街に夢をつないで又走り出す
 燃料タンクは底をついてあえぎだし
 雨にぬかるむ道を行く
   明日の仕事はとりあえずあるがその先は無く
   それでも今をただひたすらに
   ヘッドライトを消した先の闇の向こうには
   必ず道が俺の道が続いている

 倒した車のバックシートにこびりついた汗と
 焼けたエンジンオイルのにおいが混ざってる
 今夜の宿はオンボロ車さこの俺の
 安酒あおって眠るだけ
   その気になればやり直せるのさ何度でも
   奇跡は起こすもの
   老いてゆくのは肉体(からだ)じゃなくて諦めからさ
   やり直せるのさ又何度でも 

 壊れかけた古いギターを取り出して
 合わない音に声を合わせて唄いだす
 心のどこかで奇跡を信じちゃいるけれど
 チューニングは狂ったまま
   その気になればやり直せるのさ何度でも
   奇跡は起こすもの
   老いてゆくのは肉体(からだ)じゃなくて諦めからさ
   やり直せるのさ又何度でも 
   やり直せるのさ又何度でも
   やり直せるのさ 

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