著者と同時代を過ごしてきたので、やはり高校生が小遣いで買えるものには限度がある。
正月、お盆、誕生日が毎月のお小遣い以外にお金が貰える時である。
それでも、限度がある。
今は大人買いしているものの、やはり限度はあるが。
故に、本当に欲しいと思うレコードしか購入しなかった。
ラジオから得た情報で購入することは稀であった。
ディープ・パープル、泉谷しげる、岡林信康などの新譜が購入の中心だった。
レッド・ツェッペリンもセカンド・アルバムを持っているだけ。
高校時代、フリー、キング・クリムゾン、マウンテンは持っていなかった。
大学生になってジャズを聞くようになり、社会人になって中古レコード屋巡りをするようになった。
社会人10年目の頃、ロックや日本のフォークのライブ盤に注目するようになって、かつてのアルバムに目が向く。
いろいろな本も読んでみると、自分の知らないアルバムがあることを知る。
レコード屋でも、中古レコードやでも、ましてや中古レコードフェアの会場でも見たこともないアルバムの存在を知ることになる。
それから、また、10年が経過し、インターネット時代を迎える。
この10年間、探しても見つからなかったアルバムがネットで簡単に検索でき、少々割高であっても手に入るチャンスがある。
ついに、ネットオークションに手を出す時期が訪れた。
3年程、ネットオークションにお世話になったが、自分が欲しいと思ってネットオークションで手に入れたレコードが次々CDで復刻された。
まてば、復刻される時代になった。
その一例が、キング・クリムゾン『Earthbound』。
フォークでは春一番コンサートのライブ・アルバムの数々。などなど。
未だに復刻されないもの、未だに現物にであったことのないアルバムはあるが、ネットオークションから手を引いた。
ジャズの世界には、オリジナル盤や幻の名盤という高嶺の花があるが、もっと身近に楽しみ方があることをネットオークションから経験した。