フェルメールが好きで、この本を手に取った。
すごい軽い作品だった。洋書で読んだ中では
JANET EVANOVICH のONE FOR THE MONEY
に近いか。
田舎娘が、ひょんなことから、遺産を相続して、その中に、
フェルメールらしき絵が入っていたことから、ニューヨークに
いって鑑定してもらうのだ。
すると、偽物だという人と、本物だという人がいて、事件に
巻き込まれていくという筋だ。
軽い作品なのだが、結構、説明がくどいところもあった。
一番面白いのが、主人公の女性の職業だ。
有料ライセンスプレートの文字や番号が、変な意味がなくて、
使ってもよいかを審査するような部署に勤めていることだ。
したがって、ところどころに謎文字が出てきて、最後に意味が
記載されている。たとえば、QS10ALL=QUESTION ALL(謎だらけ)
とか、FX108=AFFECTIONATE(愛してるよ)といった具合だ。
フェルメールへの興味があったので、何とか、面白く読めたが、
文体は、あまり、好きではなかった。
それから、英語を見たわけではないが、どうみても、不自然な日本語
訳を見つけた。
傷口に抗生物質を塗られて、痛みにすくみあがった。という説明の
すぐあとの言葉が、「さあね...クレア(主人公)に聞いてくれ」というのだ。
例文を引けるE-DICを持っているのだが、試しに”さあね”と
入れてみたら、面白い例文がでてきた。
さあね。医者に聞いてくれ。
That beats me.Ask the doctor.
もしかしたら、これに近い英文だったのではないだろうか?
しかし、本当は、「痛てて!クレア!傷はひどいのかい?」
くらいではないのかと思った。
日本語訳しか読んでないのに、誤訳らしきものを見つけたのなんて、
はじめてかなと思った。洋書を読もうとは思わないが、ここの部分だけ
確認したいものである。