奥田英朗の「向田理髪店」を読んだ。
少し、軽いものを読みたくなると、奥田氏の作品を
手に取ることにしている。
この作品は、「空中ブランコ」に比べれば、いたって、
まじめな作品だ。
かっては、炭鉱で栄えたが、今では、寂れ、高齢者
ばかりになった北海道の町で、理髪店を営む主人公
の物語だ。
こんな町では、何の希望もないから、若者は、外に
出ていくべきと、悲観的に考える主人公に対して、
息子が、帰ってくるという。
そして、失敗を恐れず、何かをしなければと考える
若者、希望が描かれていく。
短編形式で、中国から花嫁がきたり、映画撮影ロケ地
になったり、この町にとっては、大きな事件が起きる
のだ。
ユーモラスに描かれるのだが、リアリティーもあり、
最後には、ちょっと、感動もする。
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