「13人の刺客」を小説で読んだ。面白かったので、2日で
読み切ってしまった。
和書のミステリーも好きなのだが、本当に久しぶりに
和書を読んだ。
13人の刺客の小説は、もともと、映画用に書かれたシ
ナリオを、映画のリメイクを機に、小説にされたものだ。
暴君を13人の刺客が討ち果たすという大筋は、一緒だが、
9月に公開される新しい13人の刺客とは、若干、異なる。
すでに、新しい13人の刺客も、 . . . 本文を読む
宮部みゆきの直木賞に輝いた最高傑作とも
言われる『理由』を読了した。
今年最後のミステリーにふさわしい重厚な
作品だった。
600ページ以上の大作であり、前に読んだ
『火車』に通じるものを感じた。
テーマがしっかりしているのだ。
テーマは、家族だと思う。
何組もの家族の歴史が描かれている。
読んでいる最中には、むしろ、何で、ここまで
たくさんの家族のことを書くのだろう。
と不思議に感じるくら . . . 本文を読む
宮部みゆきの山本周五郎賞に輝いたミステリー史に
残る傑作と言われる『火車』を読了した。
600ページ近い大作である。ミステリーではある
が、人間を描き、重いテーマを描いた作品だった。
宮部みゆきらしい部分もあったが、ちょっと、いつ
もと違うぞという感じもあった。
途中、正直言って、冗長に感じて、読むのが辛く感
じる部分もあった。
婚約者を残して失踪した女性を探す内に、いろいろ
な彼女の辛い . . . 本文を読む
宮部みゆきの時代物の初期作品を読了した。
4つの中短編集からなる。
あとがきがついているが、まだ、プロに
なれるかどうかわからない時期の作品との
ことだが、十分、楽しむことができた。
特に、かまいたちと、騒ぐ刀は、秀作である。
①かまいたち
辻斬りを目撃した医者の娘が、辻斬り犯人に
迫るが、実は、目撃した男は違っていた。
②師走の客
オーヘンリーばりの味わいのある作品だった。
高価な、 . . . 本文を読む
トンでもない推理小説を読んでしまった。
何しろ、犯人が明かされず、終わってしまうのである。
3人の容疑者を前に、『犯人は、あなたです。』で、
終わってしまうのである。
思わず、買った本であるなら、金返せ!と
叫びたくなる。
残念ながら、図書館で借りた本だった。
しかし、何やら、怪しい袋とじ解説が付いているのだ。
『推理の手引き』という題名の通り、この袋とじを読ん
でも、犯人の名前は載ってい . . . 本文を読む
宮部みゆきの日本推理作家協会賞を受賞した
『龍は眠る』を読了した。
④龍は眠る
非常に野心的な作品だった。題材として、
難しい題材、人の考えていることや、過去
や、未来を読める超能力者の物語である。
失敗すれば、三流SF小説になりかねないし、
何でもありじゃないかと思われかねない。
それを、上手に、完成された推理小説、人間の
ドラマに仕立てあげているのに関心した。
それも、少年の感性を活か . . . 本文を読む
東野圭吾の7作品の短編集を読了した。
東野圭吾の作品は、切れ味がある。
それは、短編集で、更によく感じる。
一方、意外性の結幕が、後味を悪くさせる
場合もあると感じた。
1.小さな故意の物語
これが、小さな恋の物語のごろあわせと、
読み終えた今、気が付いた。
この作品が、ガリレオにつながるのか
と思える面白い作品だった。
7編の中では、一番気に入った作品だった。
2.闇の中の二人
意外な展 . . . 本文を読む
宮部みゆきの作品で、本所7不思議をテーマにした作品があると
いうので、読んでみたくなった。
宮部みゆきは、この作品で、吉川英治文学新人賞を取ったとのこと。
③本所深川ふしぎ草紙
また、驚かされた。時代小説なのである。
それも、山本周五郎や、藤沢周平の佳作に並ぶ良質な作品である。
今までに読んだ2作品とは全く、異質の作品になっている。
(ちなみに、山本周五郎や藤沢周平も私の好きな作家の一人 . . . 本文を読む
宮部みゆきの作品としては、2作目の『東京下町殺人暮色』を読了した。
『魔術はささやく』で、第2回推理サスペンス大賞を得た
受賞後第一作の書き下ろし長編とのことである。
この2作を通じて、感じたのは、宮部みゆきは、大人の世界と子供の
世界を書き分けることができる作家であるということである。
そして、それが、不自然に感じないのが不思議である。
②東京下町殺人暮色
主人公は、『魔女はささやく . . . 本文を読む
最近、売れている作家の一人かも知れない東野圭吾の本を読んでみた。
実は、今回が初めてだが、かなり、期待感があった。
その期待感を裏切らなかった。これから、長いお付き合いになりそうである。
①変身
気が付いたら2日で、382ページを一気に読み終えた。日本語の場合、
やはり、洋書とは、読むスピードが違う。しかし、恐らく、これほど、
一気に読めるということは、それだけ、面白かったことにもなる。
. . . 本文を読む
模倣犯などで有名な宮部みゆきの推理小説をはじめて読んだ。文句無しに面白かった。この作品を書いた時は、まだ、無名だったとのこと。この作品は、1989年(平成元年)にサスペンス大賞を受賞している。
久しぶりに、他の作品も読んでみたくなる作家に出会えた。今まで、5作品以上読んだ作家は、高村薫、西村京太郎くらいだが、宮部みゆきとも、長いお付き合いになりそうだ。
①魔術はささやく
解説のようにうまく . . . 本文を読む
久しぶりに日本の作家の推理小説を読んでみたくなり、最近、良く聞く横山秀夫を選んだ。陰の季節という平成10年の第5回松本清張賞受賞作を含む、4つの短編集である。洋書のミステリーと並行して、和書のミステリーも読んで、紹介していきたく思います。
①陰の季節
こちらが、初めての単行本とのことで、短編推理小説化としてデビューしたらしい。久しぶりの日本の作家だが、日本的な警察内部の、ちょっと、古めかしい体 . . . 本文を読む
実は、和書では、国内ミステリーも海外ミステリーも6年間読んでいない。
だから、ちょっと、日本語が変かも知れません。了承ください。
読んでいた時、国内ミステリーの中では、高村薫に心酔していた。
高村薫も私のミステリーとの出会いにおいて重要な作家だ。
一方、もう少し肩の力を抜いて楽しめる作家として、西村京太郎も結構、
好きだった。その2人の好きな作品を紹介します。
①レデイー・ジョーカー
主 . . . 本文を読む