Sleeping in the fields of gold

小麦畑で眠りたい

アズールとアスマール

2007-07-20 | Films
この映画、見たいです。
アズールとアスマール
マウスポインターがジン(魔物)になっていて、動かすとジンが飛ぶ。かわいい♪
ヨーロッパらしい絵巻物のような絵。

リンクを開いた時の、この色彩の美しさと言ったら。
青い目のアズール。フランス語読みだとアズューフ(R音は喉の音なので)みたいな音になるのだろうか。おそらく、「青」の意味だよね。スペイン語だとアスールで、これもまた美しい青を想像させる。

北アフリカ、マグレブ地方を題材にしている。今のモロッコやアルジェリア等に相当する地域。モロッコ、好きです。スペインからフェリーで、モロッコのほんの端にしか行った事がないけれど、とても楽しかった。

街は貧しい。もう十年近く前の話になるけれど、スペインも南部に行けば観光地を覗いてはさほど裕福ではない。そこから渡っても、もうモロッコは空気が違う。建物のボロさ具合が違う。岸壁に着く前に分かる。一気に開発途上国に来た、と実感する国境越え。

現地ではうざったい男どもはついてくるし、押しは強いし、語学や計算には達者だし。そりゃ、疲れる(笑)。でも、好き♪人情が感じられる。スパイスとミントティー。クスクス。貧しいけれど、人が人であるということに、きちんと基本的な敬意を払っている。イスラムの民だもの。元来、イスラムの教え自体は、現地の風習、気候にとても叶った知恵の宝庫なのである。

迷路のようなカスバという古い街の中を少年たちが案内してくれたりする。全くの好意で。あるいは悪意も込みで(笑)。誰を信用して、誰を信用しないか、どこまで自分でリスクを負うのかは旅人の心根次第。危険に巻き込まれるなら、自分に人を見る目がないか、安易に人を信用しすぎていたのだ。文化の「違い」、生活レベルの「違い」、彼らの目に映る「旅行者」としての自分を認識していないから、いらぬ危険にも巻き込まれる。

難しい。どこまで信頼して、どこまで信頼しないかというのは。
でも、おびえてばかりいては、何も新しいものを得られない。
自分が試される。自分の目利き力が試される。

私は、モロッコでそれほど嫌な思いはしなかった。多分相当ぼられたりもていたろうけど、まぁ、それも許容範囲内だし。たとえば、現地の人がミントティーを頼んでも、普通のカップに出されて、一杯多分20-30円程度の値段。ところが私が頼むと銀製のポットで持って来てくれて300円とか取る(笑)。現地ではイタリア人とモロッコ人の男性に、地元の美味しいお店を教えてもらったし。彼らと日帰りで絨毯の街へ行き、そこで押し売りされそうになってベルベル人とけんかしたりもした(笑)。まぁ、この男性たちは客を引っ張ってくる呼び込み役だったのかなと今では思うけど、強姦もされなかったし、殺されなかったし。ドラッグ入りのミントティーでもてなしてくれたし(笑)。ありゃ、絶対そうだ。でなきゃ、あんなにクラクラくるはずがない。

今度はちゃんとモロッコの中心部も見て、サハラ砂漠を見てきたいな。
あそこらへんは国境線が確定していなくて、紛争している地帯が確かまだあった気がする。

そんなこんなを思い出して。
このアズールとアスマール。見たいなと思う。

オリジナルはフランス語とアラビア語。吹き替えをしてしまっているのが惜しい。
できればフランス語部分、字幕でやって欲しかったな。アラビア語部分は、そのまま。というのも、アラビア語の「音」を、意味が分からなくても「音色」として体感して欲しいという監督の思いがあるから。この監督はフランス人だけれどアフリカ生まれであるらしい。アラビア語はとても難しい。Hに当たる音、フとかハみたいな音?が六音くらいある。喉の呼気で、聞き分ける。私には全部同じに聞こえるけど。

文化体験としての、アニメーション。監督の思うコンセプトも美しい。
美しいね、この紅いLeon。自分が獅子座だから余計に好き♪

日本語版はなんと、香川照之がアフレコをするそうだ。がんばるなぁ。
でも彼なら、安心かも。

明日から公開。
是非、見てみたい。

ジンは私をどこへ連れて行ってくれるのだろうか。

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私はビニール鞄ではありません。

2007-07-18 | Weblog
千代美、今夜も毒を吐きます。
イギリスのデザイナーの手によるエコバッグが人気なのだそうです。徹夜までして、エコバッグを買うのだそうです。

日本人て、不思議。

しかもそのバッグに書かれている文句が”I'm not a plastic bag”だそうです。

・・・。

行列してまで買うほどの、面白い台詞でもありませんわよ。
プラスチックでなければエコ、ということでもありませんし。今は植物繊維から出来ている再生可能なプラスチックもありますわよね。

まぁ、この売り上げが環境保護に還元されるのなら、あながち無駄な試みでもないのでしょうけれど。そういうチャリティーセールでもないのですわよね?

ふぅん。

千代美、書いていて退屈しましたゎ。
あふっ(笑)。
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モテリーマンは無理です

2007-07-18 | Weblog

島耕作占いをやってみました。

千代美は、「生き馬の目を抜くビジネス界」ではやっていけませんゎ。
ランチは一人、当たり前です。休憩時間まで、千代美他人の機嫌を取りたくありませんもの(笑)。お金をもらうなら別ですけど。

***

中沢喜一タイプ

合理的な判断をするあなたは、自分の信じる道を歩もうとする人です。だからといって自分の意見や考えにしがみつかないで割り切ってとらえます。一見、ドライな印象ですが、あなたと接する人たちは、情に厚く、懐の深い印象を受けるはず。どこか達観しているところが、心のゆとりを生み、物事の本質を見抜くことに一役買っているようです。必要とあらばユーモアセンスを発揮してバカにもなれる、精神的な意味で「オトナ」でしょう。

新宿のママ談:

ホント、「オトナ」なんだから。でもね、あなたってときどき何を考えているのかわからなくなるの。仲良くなって初めて良さに気づく人も多いはずよ。ビジネスの世界は移り変わりが早いんだから、取り残されちゃうかもよ。ワインみたいに古いのがいいとは限らないんだから、たまにはもっと本当のあなたを出してネ!

***

新宿のママに言われてしまいましたわ。
取り残されちゃうかも、本当の千代美を出してって(笑)。
千代美、嫌なものに巻かれるくらいなら、取り残された方がいいんですのよ、随分と。(笑)

誰か奇特な方、本当の千代美を探してみてください♪(笑)。


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ドリアンらしさ

2007-07-18 | Weblog
面白い記事を見つけました。
タイで無臭のドリアンを開発中なのだそうです。

千代美は「生」のドリアンを食べたことがありません。お友達のお土産に「ドリアンキャンディー」なるものをいただいたことはありますが、あれは言ってみれば「ゴミ処理場」の臭いに近いですわね。

でも、千代美はこの記事のハノイの女性が好きですわ。

「においがなければドリアンに興味はないし、加工食品を食べるのと同じようなもの。強いにおいで他の人が食べられないものを食べることに誇りを持っている」


ドリアンを食べることに「誇り」を感じる彼女が好きです♪
そうですわね、その臭いが「ドリアンをドリアンたらしめている」ところがあるように思います。臭いがなくなってしまったら、多分おそろしく茫洋なつまらない食べ物に成り下がってしまうことでしょう。

ハノイの女性は的を得ていますわ。

少なくとも臭いがなくなったら、雅楽家の東儀さんは悲しむと思います(笑)。
あの方、タイ育ちってご存知でした?

千代美、東儀さんのファンキーな性格とあの美しい指がとても好きですの♪
あの美しい指で、ドリアンをむさぼっている東儀さんは、エロティックで、とても素敵でした♪



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二度あることは

2007-07-18 | Weblog
今日、ゴキブリをまた発見しました。
またまた、大きいものです。

千代美は、ゴキブリを好きではありませんけれど(好きな人いらっしゃるのでしょうか?研究家?)、逃げはしません。
退治しないと却って心が休まりませんの。

でも、また逃げられてしまいましたわ。

手元にあったのが「ハエ・蚊」用の殺虫剤で。
これでは退治できません。(あぁ、でもこの殺虫剤で「打つ」という手がありました。失念。)

咄嗟にぽっちりさんのお父様のスリッパを借りたのですが、引き戸の近くに彼奴がいたものですから、上手く打てませんでしたの。二度も逃げられて、不覚です。心が休まりません。

三度目は、許しませんことよっ!



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我らが女王のために

2007-07-17 | Weblog

千代美です。こんばんは。

ぽっちりさんに負けず劣らず、千代美も占いを嘲るのが好きですの。
そこで、あなたに眠る気質占いをやってみました。千代美の隠れた性質を教えてくれるのだそうです。

結果は以下の通りでした。


***

伝統と自然を愛する隠れ英国人!

自分に厳しく“人として美しくフェアに生きたい”と思っているあなた。上品なものごしと花や植物を愛する姿はまるでビクトリア時代の英国人のよう。きっとスコーンにはクロテッドクリームをつけるタイプでしょう。仕事もキッチリ、お行儀もいいので年配者ウケはよさそう。ただ禁欲的すぎて、ときどきキレちゃうことも。何しろ英国はパンクロック発祥の地ですから。レディーときどきパンキッシュ、これがあなたにとってちょうどいい生き方かもしれません。

***

千代美が禁欲的なビクトリアンですって(笑)。
うふふ♪

より深い欲望を感じたいがために、千代美は禁欲さを装うのですわね。
ファッションとして。うふふ♪

よりによって英国人、それもビクトリアン。千代美、なんだかおかしくて、先ほどから笑いが止まりません。千代美は、英国人って「世界で最も性的魅力に乏しい人々」だと思っておりますの。その方たちに「似ている」と言われるなんて、千代美「女」としてどうなのかしら?と自問自答しております。


千代美、レディー時々パンキッシュ、目指して頑張りますゎ♪

女王様に乾杯♪




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不屈

2007-07-16 | Weblog
朝、まだ布団で寝転んでいる頃に、奇妙な「揺れ」を背中に感じた。長年日本に住んでいると地震の横揺れか縦揺れかも大体分かるようになる。私のところへは横揺れが先に届いたが、その後で「嫌な感じ」の縦揺れの突き上げを感じた。

一瞬、思ったよりこれは大きくなるかもしれない、という焦りが浮かんだ。その割りには、それでもしつこく布団で寝転んでいたのだけれど。

やがてTVのニュースで震度6強の地震が新潟であったことを知った。どうしてこう新潟には災難が続くのか。哀しくなる。決して気候も良くない地方で、コツコツと頑張っている人が多い中、ようやく2年前の中越大地震の影響から復興しかけたと思ったのに、またか、という思いになる。どこまで頑張ったら、自然は新潟の人々に安息を与えてくれるのか。

大地震を経験しているような人達は、おそらく少しの揺れでもフラッシュバックを起こしてしまうだろう。精神的な苦痛も大きいに違いない。一度大災害を経験すると「恐怖」の因子が身体に刷り込まれる。

安倍首相が被災地を訪問するのだそうだ。
なるほど、参院選前だものね。なるほど、なるほどねぇ。

冬柴さんは悪天候で途中からヘリで戻ったのだそうだ。なるほどねぇ。皆選挙前だと、フットワークいいねぇ・・・。

まぁ、そんな自分のためのプレゼンテーションよりも、救援隊と物資支援と医療援助を迅速に、かつ重複や混乱のないように計画的に行ってください。

安倍さん来てくれても、水道は出ないし、電気は使えないし、寝る所にも、トイレにも困るのが、何も改善されるわけじゃありません。握手じゃ、人は暮らしていけませんゎ。

同情するなら、予算をくれ。
ほんとだよ。

本当に、新潟の方、負けないで欲しい。


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季節限定復活!

2007-07-16 | Weblog
皆様、

こんにちは。千代美です。
一年ぶりに戻って参りました。

また皆様とこの一夏を過ごさせていただければと存じます。

千代美は蚊が尻子玉が抜けるほど嫌いですけれど、なぜだか夏は好きですの。(ちなみに、千代美はおかまじゃありませんゎよ?)

あ、ゴキブリも嫌いです。先ほど部屋で大きいのを一匹見つけましたの。
帰ってきた早々、難儀なことですゎ。取り逃がしました。
悔しくて。今夜も眠れそうにありません。

千代美の夏がやって参りました。

ぽっちりさんは夏季休暇に入られましたので、夏の間は、千代美がこちらを取り仕切らせていただきます。

皆様、どうぞ今夏もご贔屓に♪
きりりと冷やした日本酒で、皆様のお越しをお待ち申し上げております♪

千代美 拝

(ぽっちり注:千代美さんというのは、このスキンの上の方にいらっしゃる女性です。)

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雨中の獣

2007-07-15 | Weblog
あえて「獣」と呼びたい。
明らかにそれらは「獣」ではない。本来は鳥類である。しかも、ちゅんちゅんと鳴いて飛び回る、田んぼでは害鳥であるが、街では愛らしき小型の鳥類。

その名を、雀。

しかし、目の前でくりひろげられる様子を見ていると、どうにも「獣」と呼びたい気分になってしまった。

嵐の近づく中、青山のこじんまりとしたシックな店で珈琲を飲んでいた。買い物をするには雨は激しすぎ、友人の瑠璃子ちゃんもワタクシも余り体調が良くなかったこともあって、なんとなぁ~くだらだらと茶をしばいていたのだった。昔話をして、くすくす笑いながら。

窓の外には蔦が絡んでいる。ぼんやりと雨の降り続く様子を窓から眺めていたら、向かいの古びたビルの屋上にぬれそぼった雀が三羽飛んできた。屋根の端の方に、絞られた濡れ雑巾のような物体が乗っている。雀らはそれをどうやらついばんでいるようなのだ。

「あれ、なんだろうね?」

向かい側でお上品にサンドウィッチを頬張っている瑠璃子ちゃんに聞いてみた。少し間を開けて彼女が答える。

「・・・肉?」

に、肉・・・?肉ってなんだ?(笑)
突拍子もない発想にも思えるが、実際肉に見えないこともない。鶏の足つき唐揚げのようにも見えないこともない。

目の前の雀たちは、小さな体をずぶぬれにしながら、水滴をぷるるっと時折払いのけつつ、その「獲物」に喰らいついている。それはもう本当に、「喰らいついている」という感じなのだ。一度くちばしに挟んで、「おらっ、おらっ、おらよっ」というように左右に首を振って、肉だかなんだか分からないそれを手頃な大きさに引きちぎろうと試みている。

気になる・・・。ひじょーに気になる。
あれは、なんだ?あの物体はなんなのだ?
食べ終わったとうもろこしの芯のようにも見える。なにかちょっとぶつぶつとした感じもする。更に瑠璃子ちゃんが続ける。

「まさか、スズメ?」

と、共食いか~~っ?それは余りにシュールな光景だろう。まぁ、雑食だからありえない話でもないけれど、そんな想像が咄嗟に出てくる、ちみが素敵♪(笑)

スズメが得体の知れない物体と格闘していると、やがて雨の中を一羽のカラスが飛んできた。スズメに見慣れると、やはりカラスは俄然大きい。スズメはあっという間に逃げていく。カラスは悠然と舞い降り、その場にぬぅっと立ち竦んだ。そうして、その不思議な物体二本を、一度に咥えて(途中ちょっととりこぼして失敗したりしながら)またどこかへ飛んでいってしまった。

二本一遍に咥えようとする様子を見て、瑠璃子ちゃんは「馬鹿ね・・」と言っていたが、本当に二本咥えて飛んで行ってしまった。おおっ。カラスめ。こしゃくな。

そんなカラスを見て、瑠璃子ちゃんは「カラスってサラリーマンに似ている」と妙なことを口走りだす。途端に、ワタクシの頭の中にはネクタイをつけたカラスの絵柄が浮かんだ。時間通りに出勤して、セコセコとマメに働くカラス。確かに。今一つ人に好かれないのも、わが身を見るようで嫌だからなのかもしれない(笑)。

一部始終、鳥たちの捕り物の様子を眺めていたワタクシたちも、人としてどうかと思わないでもないが、いかんせんあの物体が謎である。
「誰かがどこかから投げた何か」なのか。(←何一つ分かっちゃいないじゃないか(笑))

なんだ、あれ。
やっぱり肉か?こちら側のビルの人が屋根に肉を投げたのか。
まさかあの家の住人が後ろ手に屋根まで「肉」を投げたりもしないだろう。抜けた歯じゃあるまいし。

結局その物体が何であったのかは判明しないままだった。
スズメが美味しいそうについばんでいた様子を思い出すにつけ、却って怖い。

窓の下の小道を行き交う色とりどりの傘の群れを眺める。まるでフランス映画か何かのワンシーンのようだ。
そのすぐ頭上で繰り広げられた弱肉強食の世界には、人々は気づかずに通り過ぎていく。


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こんにちは、さようなら

2007-07-15 | Weblog
迫り来る台風の嵐の中、物好きにも「表参道ヒルズ」へ行って来た。ちなみに目的はソレではない。たまたま表参道へ行く用事があったので、ついでだから未だ見たことのないヒルズを見てこようと思ったまでである。実を言うと、そんなに見たかったわけでもない。ただ、高名な安藤忠雄の比較的最近の建築なので、どんなものか一つ見てやろうというだけだ。

感想:まぁ、そんなもんだろ(笑)。

安藤さんもかつてその地にあった同潤会アパートを愛おしんでいたので、表参道ヒルズのほんの脇に「お情け」程度にかつてのアパートの残骸のような一角が残されている。降りしきる雨の中、駅からヒルズにたどり着くまでに、チラ見しながら来たが、正直思った。「こんなものなら、いらない。」

余りに惨めで、哀れな姿であった。かつてその場所にあった同潤会アパートは緑の蔦に覆われた古ぼけて今にもコンクリートが崩れ落ちそうな古い建物だった。個室の天井は異常に低く、昔の「団地」そのものだったのだ。その小さな小部屋に新鋭のアーティストたちが店を持ったり、ギャラリーがあったりと不思議な融合をしていて、芸術活動の先端でありながら温もりを忘れない素敵な場所であった。何よりもそこにあった植木類の「緑」が、その空間を柔らかいものにしていたのだ。

安藤さん、こんな残し方ならいらない、ですよ。全てなくしてしまうのは惜しいから、ということで一角を残したことは聞き知っているが、その下手な「情け」をかけた分、余計に残骸は惨めに映った。アパートを取り壊して表参道ヒルズを建てると決めたのなら、全て壊せば良かったのだ。

その方が同潤会アパートはワタクシの心の中にかつての美しい、愛おしい形のまま残ったろう。アパートの「なれの果て」は、余りに惨めで見るのが痛ましかった。安藤さんは「痛み」を一身で引き受けることを最後になって躊躇した。そのことがかくも無残な結果を残すことになったのだと思う。その心の在り方が、中途半端でワタクシは嫌である。

さて、「表参道ヒルズ」。駅に近い方の入り口から入ったが、こちらが正解だという気がする。正面玄関の方よりもこちらからの眺めの方が良い。幾何学的な螺旋構造になっていて、緩い坂をぐるりぐるりと周回することでビルの上階、下階へ行き来できる。真ん中から地下階へ直接降りられる階段が、下へ行くにしたがって広がっている。真正面には交差するエスカレータが見える。近代建築は、正直好きではない。だが、この視点の広がりは美しいと感じた。階層と下へ向かう階段が、どこか「水の流れ」のようなものを感じさせた。そこで一枚写真を撮ったのが、今回の写真。携帯のものなので余りよく分からないかもしれないけれど。

建物が見たかっただけなので(笑)、もうワタクシの見るものは大して他にない。六本木ヒルズよりは小ぶりなのでいいけれど、実質的なことを述べると、すべてスロープでぐるぐると階層を組んでいるので、目的の地へ一直線に行くということはできない。「向こう側のあそこ」の店に行きたくても、ぐるりと一回り回らなければいけなかったりする。疲れるでしょう(苦笑)。建築家というのは、自分の美学を追及すると使う人の「使い勝手」を考慮しないという不思議な生物である。本来、中にいる「人」があっての「器」であるはずが、デザインという名の下に力関係が逆転していく。そういういわば「倒錯」の芸術になりつつあるのが昨今らしい。面妖である。ここは、(あるいは、ここ「も」(笑))買い物に来るところじゃない。スロープがあるから確かに車椅子の方にはいいかもしれないが、電動車椅子でなければ土台無理な話である。下りはいいけど、上りはどうするのよという話だ。

かつて、安藤さんはみょうちきりんな話をしていた。ビルの壁に土を植えつけて、たんぽぽなんかを一面に植えられたら素敵だろう。もし、そういうビルを作ることが可能であるならば、この同潤会跡にこそそれは似つかわしかったかもしれない。しかし、どうやっても所詮人工的な建築物は、自然に敵うはずもない。あらゆるデザインにおいて自然はダントツに優れている。人間の「デザイン」なるものは自然の模倣、転用、盗作でしかない。(笑)人工的なものの中に意匠通りに自然をコントロールするというのは、西洋の幾何学的な庭園の思想とさほど変わらない。コントールしよう、と考えた時点で既に思想として、それは美しくなくなる。(少なくともワタクシにとっては)

店内に流されている「ぽぉ~ん、ぽぉ~ん」という近未来的な、無機質な音は、お洒落さを装いながら、なんとも虚しく哀れに響いた。

唯一店内で気に入った店は中川政七商店の出店である。奈良晒の店で、ワタクシはネットなどでよく知っているのだが、その店のみ楽しく覗いた。晒というのは茶道に用いる「茶巾」という長方形の小さな白い布に良く使われ、そのほとんどが奈良晒なのだとどこかで聞いた。店にはちゃんと茶巾も置いてあり、近くに茶杓も置いてあった。3000円のものと一万円越えのものとあったので、どう違うのかケースを開けて比べてみた(←暇人)。木の違いだね。一万円のものの方が色艶がいい。けれども煤竹なんかには敵わないだろう。まぁ、これはいわば自宅用、練習用で、茶会などには一万円の茶杓などは使われるはずもないから、茶道具ってのも金がかかる話である。あれ、おかしいね、利休さん。(笑)あなたはそんなものを推奨していたのでは、なかったのにね。

まぁ、冒頭でも述べたとおり、表参道ヒルズは「そんなもんだろ」であった。

ワタクシは、多分もう二度と来ることはないであろう(笑)。
Adieu!




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しらっー。

2007-07-14 | Weblog
思わず、それはキツイでしょう、と突っ込みたくなりました。

モテ女テスト


***

性格ブスを返上すればモテ女に変身!

 あなたはおしゃれセンスがバツグン。洗練されたあなたの姿に、一目惚れする男性も多そう。でも、話してみると男性陣はあなたに幻滅する危険大。というのは、あなたは気配りができなかったり、場の空気が読めなかったり、性格的に難がありそうだからです。せっかく外見がいいのですから、相手の立場で物事を考えるようにすれば、この夏はモテ女に大変身間違いなし。


***


はぁっ?性格ブスですとっ??(笑)
言ってくれるじゃないかぁ~~~。何様だ、お前。
お前なんか、カマキリに食われてしまえっ~~!(笑)←性格ブス。

しかも、その後についていたビューティーアドバイスなるものが、笑える。


「ビューティーアドバイス

 困ったときの助っ人アイテムがコンシーラー。アラを隠したり、より魅力的に見せる隠れワザとして、持っていると心強さも満点。」

性格ブス、言っといて、コンシーラーで隠せばいい、と来る。化粧で性格ブスが隠せるのかよ~~(笑)。矛盾してるじゃねぇか(笑)。「性格ブス」ってのは、大抵化粧が上手いんだよ、あほんだら(笑)。

ま、そうね。性格ブスというのなら、それもそうかも。
歌舞伎俳優の海老蔵が風呂場で怪我、というニュースを見て、ちょっとざまぁみろ、と思いましたから。海老蔵顔はいいけど、芸事以外で噂になることが多すぎて、なんてゆーか、しょうもない男だなと思いましたです。

米倉も、サトエリも、ああいう男っぽい気性の勝気な女性というのがとても好きなので、そういう女性を次々と相手にして泣かせているのは男としてどうか、と。要は問題はお前の心の中だろ、という話。相手代えても、満たされないですよ、この手の男は(笑)。海老ち、成長しなさい(笑)。それらの経験は、芸の肥やしにでもして。

とまぁ、こんな私を「性格ブス」というのであれば、ワタクシは実に良識派の性格ブスです。

あ、ちなみにね。
「気配りができない」のでも、「場の空気が読めない」のでもないのですよ。

ただ、「やりたくない」だけ。
やるほどの価値を相手に見出していないだけ。ワタクシがもしそうしないのだとしたら(笑)。←超性格ブス(笑)。

ワタクシは、素直だな♪

うほ♪



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焼きたての匂い

2007-07-14 | Weblog

我ながら、奇妙なたとえだなと思う。よく熟れた宮崎産だかどうだかは知らないマンゴーが冷蔵庫に入っていた。トロピカルフルーツ全般が好きである。家人が買いおいてくれたものだ。「食べないの?」と聞くと、「マンゴーはヘンな臭い匂いがするから、嫌だ」と答える。自分で食べないのに、わざわざ買ってくるのか。ありがたいけど、ヘンな人だ。

マンゴーというのは、どうあがいても綺麗に種まで食べられる切り方が分からない。種はしゃぶるしかあるまい。でもって、私はしゃぶしゃぶしている時が、いかにも自分が「獣」になったようで結構好きである(笑)。人様には見せられないが(笑)。

完熟マンゴーの皮を剥いていたら、ふいに焼きたてのパンの匂いが漂ってきたような気がした。あ、パンの匂いだ、と思う。

でも、本当はパンはどこにもない。
焼きたての香りだと感じたのは、実はマンゴーの匂いだった。
「ヘンな臭い」匂い(笑)。

腐臭に近いような匂いは、イースト菌の醗酵する匂いと近いのだろうか。

焼きたてのパンの匂いのするマンゴー(笑)。
その表現は、どうなのか?
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たとえば、昼時。

2007-07-13 | Weblog

湿度が82%とか、かなりふざけた数値にまで高まっている。なんだろう、このどんよりとした天気は。台風が近づいてきている。異常な湿度の高さで、不快指数は鰻上り。かと思うと室内はクーラーの利き過ぎで寒いくらい。

たとえば、昼時。一人で昼食に出る。オフィスを出ても「何を食べようか」が決まらない。お腹が空いていないはずはないのに、これと言って「あれ、食べよう」と思いつかない。

たまたま足の向かったヒルズのアジア料理のお店に入った。店員さんは皆インドネシア人かあるいはそちら系統の人である。オレンジ色の長いギャルソン風エプロンが彼らの浅黒い肌には似合っている。案内された席につくと、妙齢のウェイターがついてくれた。愛想がいいとは、言わない。私も愛想がそれほどいいわけでは、ない。なのに、彼の半ば無表情な応対に、嫌な気はしなかった。

オーダーを取る時、ほんの少しだけ微笑んでくれている。それはとても自然な微笑で、明らかに営業スマイルのぎらぎらした笑みよりも好感が持てる。ひっきりなしに彼は他の客のサーブなどで私の横を通って行ったり来たりしている。そして、目が合うと無愛想な中に、ほんの少しだけ笑みを滲ませる。強いて言うならば、艶のある笑み、というところだろうか。それはまるで、夜のバーでお互いふと視線を合わせて、どちらからともなく誘うかのような。

テラス席の一番外側には、子供連れのマダムたちが陣取っている。綺麗に着飾って、おしゃべりに夢中になっている。子どものぎゃーぎゃーという鳴き声が響き渡るのも気にせずに、適当にタッパーに入っているベビー用の食事を子どもの前に、まるで犬に投げ与えるかのように投げる母親。子どもの全身はバーバリーで統一されている。多分。「滑稽」というのは、こういう図柄を言うのだろうと思う。

オフィスを出た時には降っていなかった雨が、次第に激しく降ってきた。テラス席の外は銀の雨。細い幾千もの針が落ちてくるように、雨が振り続いている。辛味のあるスープをすすりながら、その光景を眺めていた。

時折雨に濡れながら、ウェイターはお皿をいくつも抱えて行ったり来たりしている。雨が似合う、と思った。少しだけ、故郷のインドネシアを思い出したりはしないだろうか、この雨の香りを嗅いで。こんなスノッブな場所で。きっと故郷とは似ても似つかないだろうけれど。ほんの少しの間だけ、植木の緑と、雨、黒いパンツに巻かれたオレンジ色のギャルソンエプロン。美しい色のコントラストが、未だ行ったことのないインドネシアの街を思わせた。

ウェイターの腕には、ごつい金色の時計がはめられている。そして、その下の左手の薬指にも金色の指輪が輝いていた。

女もこの年になると、嫌な癖を持つものだなと思う。まず気になった男の左手の薬指をチェックするようになる。それがはめられていなかったからと言って、何かが変わるわけでもなく、それがはめられていたからと言って、それこそ何が変わるわけでもない。それなのに、吸った息を吐くのと同じくらい自然な行為として、薬指の指輪を見るのだ。そして、息継ぎ。

以前、この店では「ガラム」というインドネシアのタバコを置いていた。これはなかなか普通のタバコ屋では手に入らない。火をつけると、物凄く甘ったるい匂いのするタバコなのである。私はこれが好きで、昔インドネシア人の友達からよくもらっていた。

食事を終えて、キャッシャーにお金を払いに行く。先ほどのウェイターが唇の片隅で微笑む。

「ねぇ、もうガラムは置いてないの?」

そう、尋ねようかと思った。けれど、私の瞳はお釣りを渡す彼の左手を捉え、そこに鮮やかな金色の輝きを再び見つけた。黙ってお釣りを受け取って、彼のTeri makashi(ありがとう)という言葉を背中に聞いた。

尋ねたなら、何かが変わっていただろうか?


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ホタルノヒカリ

2007-07-11 | Weblog
なんとも「蛍」づいている。
新ドラマの「ホタルノヒカリ」は干物女をフィーチャーしているという話だったので、TVでたまたまやっていたからつい見てしまった。かわいらしい綾瀬はるかが「干物女」という設定にかなり無理を感じるが、まぁ、結構笑えるところもあって悪くない。カット挿入の蛍の映像が良いね、良いね♪じぃん♪

途中から見たから、よぅ話の流れが分からんが、綾瀬が借りている青山の一軒家がいかにも昔の民家、という感じでとてもいい。縁側があって。しかし、青山にこんな一軒家普通のサラリーマンで借りられるだろうか、ね。無理、無理。多分これ、セットだろうけど。今時の干物女の心を掴むのは古民家なんでしょうかね。心の故郷。

どうやらインテリア事務所の話のようで、オフィスが青山にある設定らしい。ロケ地も青山のようだ。途中ちらと出てきた街角に見覚えがある。昔のオフィスが青山にあってよく通った道だから、ほんのワンカットだけどすぐに分かった。無印良品のある角は、246沿いのあそこだろう。そのままわき道をずっと下っていくと、日本なのに英語しか話さないウェイターで溢れているスノッブなカフェが昔はあった。あの道だ。へぇ、あそこらでロケしているわけね。

しかしねー、干物女という割には、綾瀬は爪の先まで綺麗に手入れしている。風呂上りに汚れたT-シャツにジャージ着て、ビールをかっくらい、部屋は足の踏み場もないほどの割には、外では小奇麗だし。大体、綾瀬が「干物女」って設定に無理があるよなぁ。これだけ可愛くて、胸もでかい女の子は、どうまちがっても周りの男が「干物女」にしておかないでしょう。ちょっと白々しい。これがほんとにダメ度たっぷりな女でドラマにできていたら、脚本の力に喝采を浴びせるけれども、こげなきれいなおなごでやってもなぁ、と思う。リアリティーに乏しい。

ま、最終的には部長とくっつくんだろうな、ってのもなんとなく読めますが。部長役の「干物女」を目の当たりにした藤木直人のとまどいと困惑が面白いね。でも、気取らなくていい、素の半ばだらしない自分を出せる相手というのが、結局落ち着く相手になるんでしょうな。おなら、ぷっ、とかさ。

こんなかわいい古民家に住めるんだったら、わたしゃ干物女で、万歳だね。

綾瀬は「干物女だって恋に落ちるんです~」と泣いていたけども、どうかね。本物の干物女は「たかがキス」されたくらいでそんなにうろたえないよ(笑)。キスされたくらいで「恋に落ちない」し、多分寝た所で「恋に落ちない」でしょう(笑)。

干物女は、そういう相手に対する期待、から突き抜けちゃったところにいるのです。干からびて、何をするにも「面倒くさい」(笑)。恋で頑張ったりするともう疲れるし、面倒、面倒。セックスなんて誰が相手だろうが、たかが知れているしね(笑)


ここにいるのが、「本物」の干物女です(笑)。

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おすそわけ

2007-07-10 | Weblog


梅園のあんみつ。
疲れて甘いものが欲しくなって、早速ぺろりといただきました♪

おすそ分け♪

あんずがおいちぃ♪
コメント (2)
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