Sleeping in the fields of gold

小麦畑で眠りたい

穏便に

2017-04-20 | Weblog

怒りを呑みこんで愛想よく対処する。
これが「穏便」ってやつである。

先日、父の年金をもらっている会社から書類が届いた。
いつもなにかしらん父関係の書類が届き、一つこなしたと思うと次が来るという感じで、結局コンスタントになにかしらん事務作業をしなければならない。面倒くさい。はーっ。

今度はなんだ?

封書を開いてみると、年金受給者はご存知と思うが一年に一度、自分が生きていますという証明に「現況届」というものを先方へ提出しなければならない。不正受給を防ぐためもある。

1月末までに提出せねばならないその書類が「未着」との連絡であった。
役所に行って指定の書類に捺印してもらってくるか、あるいは住民票の控えを1部取って、至急送るようにと。


あ゛~っ?

これを提出しなければ年金がもらえませんからね?
こんな重要な書類をアテクシが「出し忘れる」なんて、まず「あり得ない」。

意外にちゃんとした人なんですよ(笑)。


念のため、調べてみたら送られてきた「現況届」の半分を切り取られた用紙が残っていた。
つまり、返信部分を切り取っているわけだよね、アテクシ。
だいたい、なにかアクションを取らねばならないものはクリアファイルに入れて持ち歩いているし、その日、こなさねばならない用事を、一番効率的に回れるような順番でメモして、コンシェルジュのように組み立てている。

そのアテクシが、切り取った用紙を「出し忘れる」などということがあるはずがないよ、うん。
もう3ヶ月以上も前の話なので覚えていないけれど、用紙が届いてすぐぐらいに出しているはずだ。

ムカついてねー。
でも「未着」として連絡が来ているからには、結局再提出はしなければならないだろう。
簡易書留などで送り返しているわけではなく、普通郵便なのだからトレースのしようがないのだ。
「アテクシが確実に出した」ということを証明できないのだから。

郵便局が紛失したか、先の銀行内で紛失したか。
しかし、どちらも考えづらいよなぁ。

外国ならそういうことは頻繁にある。
郵便物なんて金目のものなんていれたら、まぁ、100%届かないし。
年中紛失なんてある。
でも、日本の郵便局は優秀だからね。そうそう失くさない。

めっちゃムカついていたけれど、役所まで足を運んで住民票を取りましたよ。
有料だろうと思っていたら、現況届代わりに住民票を提出する時は、うちの区では無料でした。
ラッキー♪

それで役所で封筒に入れ(ちなみに返信用封筒も自腹で切手はるんでっせ?)送付した。

それからいくつか用事を済ませた後、家に帰る。
そして先方に電話する。

担当の男性が出る。

「オリジナルの『現況届』は期日内に既に返送しているのですが…」と切り出すと、相手の声のトーンが「あぁ、面倒なのが来たよ、おい」という感じに変わる。そうだろうな、この人も嫌でしょうね。何度も同じようなことを送ったの、でも届いていないだの、やり取りをせねばならんのだろうから。

身構えているところへ、「期日内に返送はしているので、おそらくは郵便局か御社内で紛失したものかと思われますが、いずれにしましても現状、未着ということですので、本日、住民票を取りまして長峰様あてにご送付いたしました。普通郵便でお送りしましたので一両日中にはお手元に届くかと思いますが、よろしくご確認のほどお願いいたします」と。

そう聞くと、途端に彼の声のトーンが明るくなった(笑)。
「あ、そうですか、ご丁寧にご連絡ありがとうございました。」

ということで、電話を切る。

つまるところ、これは一番有効な電話代の使い方だったのではないかな、と(笑)。

クレームしたところで、結局「責任の所在」が証明ができない。
同じ書類を送ってアクションを取るのであれば、再び紛失することがないように「送りましたよ」という連絡をして、相手に気持ちよく動いてもらうのが最善のような気がする。

そして、先方と話していて思ったんだけれど。
たぶんね、オリジナルのも届いてますよ、これきっと。

先月、父がこの会社のOBとしてかけていた保険を解約したのね?
もう出歩けない人が怪我や交通事故の保険をかけてもしょうがないし。
そのデータがおそらくこの会社の人事部に行っているんでしょうな。
だから「死んでるんじゃないの?」ということで、再確認のため書類を要求しているんじゃないかな、と。

なんとなく、そんな気がした。
だって、出し忘れているはずがないし、そうそう郵便物が途中で紛失するということもなかろう。
日本だもん。

ま、これでちゃんと年金払ってくれよって。
父の介護施設代、払えねーし。(←切実ョ)





死活問題

2017-04-20 | Weblog

そんなことがあるんだねぇ…。
そして、案外こういうことは頻繁に起こっているらしいねぇ…。

先日、母から電話があった。
その少し前に彼女の趣味であるという絵手紙が届いていた。のだが。
「どこかで遺伝子操作でもされたのだろうか?」というような不気味な桜が舞っている絵であった(笑)。
絵心ないんだ、あの人~。シュール過ぎてある意味面白いけど。
ちなみにアテクシもそんなに上手い方ではないが、そこそこ。姉はとっても上手い。美大とか行けばよかったんだろうな、あの人。
母の絵の下手さは、ある意味天才的。

それはさておき。

何の用だろうか?(←基本、用事がなければ家族と連絡取らない人)

絵葉書を出したのに返事がないからということ(しなきゃいけないのか?)は、ある意味「前菜的」で。
要は自分に起こったアクシデントの話をしたかったらしい。
まぁ、そりゃ、結構なアクシデントであったよ、それは。

母は祖父母から譲り受けた古い戸建てに、再婚した夫と住んでいる。
庭仕事が趣味でその日も草刈やらなんやらと精を出していたようだ。
そんななか、突然便意を催してサンダルを脱ぎ捨て、庭側の窓から急いで室内に入ったそうである。
そして急いでトイレのドアノブを掴んだら、なぜだかドアノブが「抜けてしまった」と。

は?てな展開であるが。
でも、とにかく母は急いでいたので、まぁ後で直せばいいとそのドアノブを捨ておいて、急いでトイレに駆け込んだのだそうである。すると、震災以来、実はうちも結構そうであるが、建物が若干傾いているせいで、トイレのドアが勝手に閉じてきてしまって「カチャ」と閉まってしまったそうなのだ。

まぁそれでも、あとで開ければいいやくらいに母は思っていた。

さて、すっきりして。
いざ、ドアを開けようと思ったら、これがなんと開かない。

回そうとしても外側のノブがついていないのでピクリともしない。
鍵のところを爪で回そうとしてみたり、色々試行錯誤してみたそうなのであるが、なんとしても開かない。

その時ようやく彼女は理解した。

「閉じ込められた」と。

母がトイレに閉じ込められたのが午後の3時過ぎ。
生憎と携帯も持ち歩いていない。

その日に限って、旦那は飲み会だかなんだかで帰宅が遅い。
待てど暮らせど助けは来ず。

トイレに窓はあるものの、肥っている母はそこから出られるわけもない。
お隣の奥さんが時折出入りしているのは音で分かるが、そこまで親しいわけでもなく助けも呼べなかったそうだ。

汗だくになって色々トライしてみたもののドアは開かず。
喉も乾いてきて、仕方がないのでトイレのタンクの水を飲んでいたそうだ。
(便器の中じゃなくて、良かったね…)

結局、旦那さんが帰宅したのが11時半。
いつもなら閉まっているはずの雨戸も閉まっておらず。
いつもなら開いているはずの玄関チェーンもかかったまま。

嫌な予感がして、旦那さんは庭に回って、唯一開いている窓があったからよかったようなものの。(母がトイレに急行した際に開け放していたもの)

ようやくトイレから出られた時には、「泣いてしがみついちゃったわよ」と。

携帯も持ってなかったらしい。
アテクシも部屋では携帯持ち歩かないもんな。

そんなことがあったので、アテクシは一人暮らしだからなんかあったらどうしようかしらと思って連絡をしてきたということである。もうね、アテクシはその点については諦めています。
孤独死だろうから。しょうがないよ。

ただね、どんなに急いでいても、アテクシだったらドアノブが取れていたなら、まず念のため、トイレのドアになんか挟んでおくよね。うん。アテクシは割とそういう性分の人間なのですよ。逃げ道をまず確保するというか。

そして仮に閉じ込められたのなら、もう仕方ない。恥も外聞もなく、お隣の奥さんに助けを呼ぶと思う。まずね。声が届くなら指示して、窓から入ってもらえばいいじゃない?なぜそれをしなかったんだろうと思うよ。

トイレの中で8時間(汗)。
いや~、しんどいね。

助かった今だから笑い話だけれど、もっと暑くなっていた頃だったら、本当に熱中症とかで亡くなっていた可能性もあるよね。同居人がいてくれたから今回はほんと助かったけれど、これが一人暮らしだったら母は死んでいたかもしないよなー。アテクシ、自分から連絡することとか、ほとんどないからね。

案外ね、こういう風にトイレなどに閉じ込められて亡くなっている人、多いんですよね。
この前もネットで、北欧のどこかだった気がするけれど、母子がサウナに1時間も閉じ込められて、のちに救急搬送されたけれど亡くなってしまったというニュースを目にした。

とりあえず、ことに高齢者は部屋の中でも携帯を持ち歩くようにしておいた方がいいですね。
いざとなれば警察を呼べますからね。

母も「携帯に紐つけて、これからは持ち歩くようにするわ~」って言っていたけれど。

いやさ、その前に。

ドアノブを直そうよ!(←正論)

いや、しかし。
こんなことがあるんだなぁと。

皆様、本当にお気をつけくださいまし。
高齢者は、トイレのドアを開けたままでいいです、うん。

ちなみに在宅で父を介護していた時は、「大」の時でも、開け放しておきました。
なぜならば、時折、トイレの中で動けなくなって彼は転倒とかしてしまうから。
高齢者相手になるとね、もうマナー云々言っている場合じゃないんですよ。
汚くっても臭くっても、しょうがないんですよ。

死活問題だから(苦笑)。