怒りを呑みこんで愛想よく対処する。
これが「穏便」ってやつである。
先日、父の年金をもらっている会社から書類が届いた。
いつもなにかしらん父関係の書類が届き、一つこなしたと思うと次が来るという感じで、結局コンスタントになにかしらん事務作業をしなければならない。面倒くさい。はーっ。
今度はなんだ?
封書を開いてみると、年金受給者はご存知と思うが一年に一度、自分が生きていますという証明に「現況届」というものを先方へ提出しなければならない。不正受給を防ぐためもある。
1月末までに提出せねばならないその書類が「未着」との連絡であった。
役所に行って指定の書類に捺印してもらってくるか、あるいは住民票の控えを1部取って、至急送るようにと。
あ゛~っ?
これを提出しなければ年金がもらえませんからね?
こんな重要な書類をアテクシが「出し忘れる」なんて、まず「あり得ない」。
意外にちゃんとした人なんですよ(笑)。
念のため、調べてみたら送られてきた「現況届」の半分を切り取られた用紙が残っていた。
つまり、返信部分を切り取っているわけだよね、アテクシ。
だいたい、なにかアクションを取らねばならないものはクリアファイルに入れて持ち歩いているし、その日、こなさねばならない用事を、一番効率的に回れるような順番でメモして、コンシェルジュのように組み立てている。
そのアテクシが、切り取った用紙を「出し忘れる」などということがあるはずがないよ、うん。
もう3ヶ月以上も前の話なので覚えていないけれど、用紙が届いてすぐぐらいに出しているはずだ。
ムカついてねー。
でも「未着」として連絡が来ているからには、結局再提出はしなければならないだろう。
簡易書留などで送り返しているわけではなく、普通郵便なのだからトレースのしようがないのだ。
「アテクシが確実に出した」ということを証明できないのだから。
郵便局が紛失したか、先の銀行内で紛失したか。
しかし、どちらも考えづらいよなぁ。
外国ならそういうことは頻繁にある。
郵便物なんて金目のものなんていれたら、まぁ、100%届かないし。
年中紛失なんてある。
でも、日本の郵便局は優秀だからね。そうそう失くさない。
めっちゃムカついていたけれど、役所まで足を運んで住民票を取りましたよ。
有料だろうと思っていたら、現況届代わりに住民票を提出する時は、うちの区では無料でした。
ラッキー♪
それで役所で封筒に入れ(ちなみに返信用封筒も自腹で切手はるんでっせ?)送付した。
それからいくつか用事を済ませた後、家に帰る。
そして先方に電話する。
担当の男性が出る。
「オリジナルの『現況届』は期日内に既に返送しているのですが…」と切り出すと、相手の声のトーンが「あぁ、面倒なのが来たよ、おい」という感じに変わる。そうだろうな、この人も嫌でしょうね。何度も同じようなことを送ったの、でも届いていないだの、やり取りをせねばならんのだろうから。
身構えているところへ、「期日内に返送はしているので、おそらくは郵便局か御社内で紛失したものかと思われますが、いずれにしましても現状、未着ということですので、本日、住民票を取りまして長峰様あてにご送付いたしました。普通郵便でお送りしましたので一両日中にはお手元に届くかと思いますが、よろしくご確認のほどお願いいたします」と。
そう聞くと、途端に彼の声のトーンが明るくなった(笑)。
「あ、そうですか、ご丁寧にご連絡ありがとうございました。」
ということで、電話を切る。
つまるところ、これは一番有効な電話代の使い方だったのではないかな、と(笑)。
クレームしたところで、結局「責任の所在」が証明ができない。
同じ書類を送ってアクションを取るのであれば、再び紛失することがないように「送りましたよ」という連絡をして、相手に気持ちよく動いてもらうのが最善のような気がする。
そして、先方と話していて思ったんだけれど。
たぶんね、オリジナルのも届いてますよ、これきっと。
先月、父がこの会社のOBとしてかけていた保険を解約したのね?
もう出歩けない人が怪我や交通事故の保険をかけてもしょうがないし。
そのデータがおそらくこの会社の人事部に行っているんでしょうな。
だから「死んでるんじゃないの?」ということで、再確認のため書類を要求しているんじゃないかな、と。
なんとなく、そんな気がした。
だって、出し忘れているはずがないし、そうそう郵便物が途中で紛失するということもなかろう。
日本だもん。
ま、これでちゃんと年金払ってくれよって。
父の介護施設代、払えねーし。(←切実ョ)