フィギュアスケートの浅田真央選手が引退を表明した。
あぁ、ついに決めたかと。
膝の故障などがあって、ここ数年は思うような結果が出せなかった苦悩の日々だったろうと思う。
引退会見の映像を見た。
誠実な子だな、と。
金メダルのために頑張ってきて、その一歩手前の銀メダルまで及びながら手が届かなかったということは、それはそれは切ないことだったろうと思う。
私は人生をかけてなにか一つのことに頑張ってきたということがない。
血を吐くほどの努力をしたこともない。
いつも適当に、ほどほどに流してこなして生きてきてしまった。
だから、私には「何もない。」
でも、真央ちゃんは、26歳にしてそのうち21年間をフィギュアに捧げたのだ。
年若い女の子の両肩に、国の期待を背負わせてしまった。
どれほど辛かったことだろうよね。
引退に際してレスリングの吉田沙保里選手が「ここまで本当に日の丸を背負って頑張ったよね!」と言っていた。
沙保里さんだからこその、言葉だよな。
その言葉の「重み」と言ったら。
見ず知らずの1億もの国民の期待を背負うなんて、冗談じゃないよね。
それほどのサポートさえ、万全ではないのに。
日本て国はずるいんだよね。
メダルは期待するくせして、選手を心身ともにサポートする体制には一切予算をさかないんだから。
自力で頑張れ、でもメダルは取れって(苦笑)。
どの口で言うか。
引退の記者会見で、感極まって涙ぐむ場面もあった。
その涙を見せまいと、後ろを向いて耐える姿は、切なかったなぁ。
そして、その涙ぐむ瞬間にカメラのフラッシュがおぞましいほど飛ぶ。
こういう人生を、長い間彼女は生きてきたんだよね。
よく頑張ったよね。
本当に、よく頑張った。
ソチのフリーは、人々の記憶に残るスケーティングだった。
真央ちゃんはショートで16位と出遅れたが、フリーで会心の演技で。
人々を感動させたのは、あのフリーだったと思う。
誰もが、彼女の会心のスケーティングをあの時願っていたと思う。
あんなに世界から愛されたフィギュア選手は、いないだろう。
お疲れさま…。
本当に、見ず知らずの日本人達のために、あなたの人生をかけてがんばってくれました。
ありがとう。
ゆっくり休んで。
今度は自分のためだけに、好きなことをしてね。
真央ちゃん、Smile!