久しぶりにジローと電話で話す。
いつぶりだろうか?
半年振りか?もっとか?はて?
先日、ジローから珍しくメールがあった。
彼はメールを打つのが嫌いなので、滅多にメールが来ることはない。
「同じ大学の卒業生である美里さんが、去年末に心不全で亡くなったそうです。」
えーっと…。
ごめん。アテクシ、その美里さんという人の記憶が皆無である。
ジローはとにかく知己が多いし、社交的なのであれこれやり取りがある。
一方、アテクシは引きこもりがちだし、大学時代の誰とも連絡をコンスタントには取っていないので(ジロー以外)、正直、記憶にないのだ。すまんな。
しかし、年齢的にはまだ死ぬような年ではなかろうと思うし。
心不全で若くして亡くなるなんて、随分なことである。
お悔やみのメールは返したものの、たぶんそのことについてジローは少し話したいのだろうなとも思っていた。
大体、ジローは「私に話を聞いてほしい」時以外、連絡なんてこないからな(笑)。
大使館の通訳として活躍されていた美里さんだそうだ。
死の2週間前くらいに、ジローは彼女と会っていたのだそうである。
非常に仕事で疲労していて、もともと生真面目で思い込みやすく、下手をすると「自殺をしてしまいそうな」タイプだったと言う。
(ますます、俺の記憶にはないが…でも、きっと、どこかで会っているんだろう、たぶん)
40歳も越えると、段々と訃報が増えてくる。
死ぬには早いが、でもぽつぽつとそういうニュースが舞い込んでくるのも事実だ。
要はジローもそういう年になってきたんだねということ。
時間は永遠にあるのではないのさ。
顔を覚えていないけれど、おそらく1-2回はジローを交えて寮で一緒に食事をしたこともあるのだろう。
人間、あんまり真面目に生きちゃいけないよなと思う。
神経をすり減らして仕事をするなんて、ナンセンスだよ。
どうにか、食っていければそれで十分なんだよ。
いくら金を稼いだところで、死んでしまったらそれでおしまいなんだから。
どれほど高級な家財を持っていたところで、死んでまで持っていけるわけでもない。
田中正造のように。死んだ時に、ずた袋にチリ紙しか入っていないような人生こそ。
アッパレ。
何も遺さんでいいのよ。
むしろ、生きているうちに使い切ることこそ、重要。
アテクシは、そう思う。
美里さんも、たとえ時間は短くとも。
充実した人生を全うされたのだと、願っている。