さて、あっとゆう間に出来たフロントホイールのスポークテンションアップと振れ取りをしていきます。
設定するスポークテンションの数値ですが、最終的に実走行してみないとどんなホイールになるのかわかりません。
ですので700cのメリダジュリエットの現在の数値をとりあえず基準にしました。(バラツキが多かったので平均値でメーター読み25でしたので23に設定)
パークツールのスポークテンションメーターを使用します。
余談ですがこのメーターは個体ごとの誤差が激しいらしく正確な設定数値のスポークテンションを出しにくいそうですが、トラック使用でギッチギチに締め上げて1レース使い捨て、スポークの塑性域ギリギリにするために使うわけでなし、スポークのテンションが全数揃っていることが肝要であって、そんな使い方をする限りこんなにコストパフォーマンスに優れたメーターはないと思うのです。
まずはスポークのネジ山にニップルがかかり始める点をスタートとし、大体で良いので2回転なら2回転、3回転なら3回転と全てのニップルがスポークのネジ山に同量刺さっていることを確認します。
ここから全数のニップルを同じだけ回していきます。
時々テンションメーターを当てながら設定したテンションの数値の半分まで締め込んでいきます。
設定したスポークテンションの数値の半分に近くなったところで1度全数のニップルの数値を揃えます。
これは最初にスポークのネジ山にニップルの掛かりが浅かったり深かったりしたバラツキを修正するもので大抵は1~半回転域で修正できます。
同時に縦・横の振れを大体で良いので修正します。
スタートが揃っていますので大きく振れが出ることはありません。
振れ取り台の説明は割愛します。
スポークテンションが揃ったら同じようにニップルを同量全数締めてスポークテンションを上げていきます。
これを繰り返すと自然とラジアル組みのフロントホイールは完成してしまいます。呆気ない。
振れもこのくらいまで詰められます。
100~200kmほど実走行してアタリがついたのちに振れ取りし直して本物の完成になりますからここまで詰めなくても良いです。
組んだばかりのホイールはニップルを締め込んだ時にスポークがよじれて応力がたまっています。
良く組んだばかりのホイールをハブのロックリング方向に押し付けて応力を抜こうとする人がいますがあれはやめた方がいいです。はっきり言って無意味&部品を故意に壊しているようなものです。
ロックリング方向に押し付ける行為は実走行よりもはるかに強大にスラスト方向にそれもリム直径の2点にのみ力がかかりますのでリム単体で歪みが出ます。
またハブベアリングの荷重は動荷重よりも圧倒的に静荷重の負荷に弱く、
またスラスト方向に強く耐えるようには構造上作られていません。
ボールまたはカップを傷めるだけです。
あと、5700の105ハブはラジアル組み非推奨です。
完成車には同ハブのラジアル組みホイールで1年間の保証を付けて販売されているものがあります。
が、これはスポークテンションや素材&製法工程が違いますのであくまでも自己責任でおこなうことは言うまでもないことでしょう。
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