「天空の里 いもい農場」通信

長野市芋井広瀬の里山で、自然を身近に感じ、環境・農業・食べ物を大切に思う気持ちが育まれる事を目指した活動です。

第2回活動報告「いもい探検隊!」

2017年05月08日 | 活動報告
■遊びも、仕事も、食べるのもみんな本気で

 「遊ぶのも本気! 仕事も本気! 食べるのも本気! 中途半端は絶対だめ。農業を楽しんで行って」―。長野市芋井広瀬の芋井社会会館を拠点に活動している「天空の里 いもい農場」は6日、山岸茂晴代表のこんなあいさつを皮切りに、本年度2回目の活動に取り組みました。山岸代表は初回の4月22日は所用で欠席し、本年度はこの日が初の活動参加。あいさつの言葉に力が入りました。


(あいさつする山岸代表)

 この日は、飛び入りで参加した東京都内在住の現役新聞記者夫婦の1家族4人を含む7家族24人が参加。雑草よけの黒い「マルチシート」(幅約1メートル)を張り、カボチャやズッキーニなどの苗を植えたり、落花生やカブ・ニンジンなどの種をまいたりしました。


(みんなで苗を植え、種をまきました)

 急斜面に広がる天空の里の畑。谷の向こうの集落で白い糸のような雨が降っているのが見えたかと思えば、急にわたしたちの周りが暗くなって雨が降り出したり、風が吹き出したり。長野地方気象台によると、この日の午前10時の気温は17.0度(芋井は標高が高いので、おおむね10度前半くらいかと)。雨や風の中で作業するのもなかなか気持ちの良いものでした。


(雨あがり。善光寺平の向こう側に広がる山々までくっきりと見えました)


■初のオリエンテーリングを開催

 2017年度2回目の活動では、農作業の他に、芋井での農業の営みを学ぼうと、「オリエンテーリング」を初めて開きました。スタッフの浦中綾子さんが企画しました。

 オリエンテーリング(Orienteering)は、野原や山中に設置されたポイントを指定された順番に通過し、スタートからゴールまでにかかった時間を競うスポーツの一つです。参加した7家族は2チームに分かれ、
▽私たちが田植えをする予定の田んぼの水の入口(取水口)はどこか
▽その田んぼの土と水を使って泥団子を作る
▽2016年度に設置した天空の里 いもい農場の看板を見つける
―という3つのポイントを順番に歩きました。



 泥団子を作るミッションで、及部倫太郎君(11)は、泥で手が汚れるのが嫌だったので「子どもたちが泥団子を作ればいいね」。すると、一緒に歩いていた親たちがすかさず「あんたも子どもでしょ!」と笑い声。冗談はさておき、棚田の田んぼに水を引き入れる取水口を見学した及部君は「急な滝から水を取っているとは知らなかった。昔の人は、苦労をしながら田んぼに水を引いたんだろうな」と話しました。箕輪歩さん(8)も「あんな急なところから水を取るなんて」と驚いていました。


■昼食にアサツキの薄焼きなど

 持参したお弁当の他に、その日とれた野草や農産物で昼ご飯を食べるのが、天空の里 いもい農場の魅力の一つ。この日は、アサツキやニラの薄焼きと、ノビロ味噌(ノビロに味噌を付けてかじって食べる)、甘草の酢みそ和えなどを作って食べました。スタッフの草間智恵さんが料理を紹介してくれました。


(説明する草間さん)

 実はこの日、あんまり野草が採れませんでした。「これじゃ足りないかも!」と気付いた副代表の五味美穂子さんが昼食前の間隙を縫って、こっそりと1人でアサツキや菜の花のつぼみを採りに出掛けていました。


(野草を採りに出掛けた五味さん)

 「みんなのうれしい顔をみたいから」。そんな風に五味さんはせっせと野草を摘んでいました。みんなでおいしくいただきました。


(昼食を食べる参加者)


■最後まで居ると、得をする?

 毎回の活動はおおむね午後2時で終了します。ただ、活動が終わっても、子どもたちは芋井社会会館の中や運動場で遊んだり、親子で周辺を散策したりして、流れ解散するのが通例になっています。

 午後2時過ぎ。
「おーい、タラノメを採ってきたぞー」
 用事で、昼食前から中座をしていた山岸代表が芋井社会会館に戻ってきました。ビニール袋の中には、タラノメとコシアブラ。曇天にもかかわらず、残って遊んでいた家族でさっそく山分けしました。「山岸さん、ありがとうございます」


(タラノメとコシアブラを持って戻ってきた山岸さん)



 「タラノメっていうのはな・・・」。みんながタラノメとコシアブラを山分けしていると、山岸さんが語り始めます。「1回目に採る時はやわらかい芽。2回目はちょっと硬くなる。3回目になると芽から汁が出てくる。これを『タラノメの涙』って言うんだよ。『これ以上採ると、出てこなくなって枯れちゃう』っていうメッセージなんだ」

 「コゴミも、7本生えているときは3本は残す。6本あるときは2本は残す。それ以上採ると、次からは生えてこなくなってしまうんだ」

 参加した大人たちが結構真剣に耳を傾けました。こんな身近なところをスタート地点に、自然との共生や持続可能な社会といった大きな社会の問題に目を向けて行くことも大事かなとも思います。


■きょうの花
 ヒメノオドリコソウ

 花の姿が、新潟県佐渡市(佐渡国)に伝わる「佐渡おけさ」の踊り子の姿に似ている。茎を指先でつまむとコロコロしている。茎の断面がカクカクしている為で、これはシソ科の植物の特徴だそうです(山岸さん談話)



【次回、5月20日(土)の予定】
活動テーマ:「田んぼはドーロ泥!?」泥んこになって、みんなで楽しく田植えをしよう!
活動内容:田植え、サツマイモとくらかけ豆の作付け、りんごの摘果


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