「天空の里 いもい農場」通信

長野市芋井広瀬の里山で、自然を身近に感じ、環境・農業・食べ物を大切に思う気持ちが育まれる事を目指した活動です。

朝活と畑の様子

2017年05月27日 | 活動こぼれ話

天空の里 いもい農場の活動は、5月20日(第3回)から6月10日(第4回)の間で3週間空いてしまうため、中間管理の一環で草刈りを行いました。畑の様子も含めてお伝えします。


苗の植え直し・・・前回田植えをした田んぼで、株間が空きすぎていたり、深植えしすぎていたりする箇所を、地主の和田さんにフォローいただきました。


草刈り・・・この時期は、野菜たちも元気に育つのと同時に、雑草も勢いよく伸びます。50㎝以上伸びた雑草をバッサバサ刈っていきます。


アカハライモリ・・・きれいな水だから、どこを泳いでいるのか丸見え。


ヤマバトと畑・・・ヤマバトがジッとこちらを見ていました。かなり近づいても警戒しつつ逃げずにいました。


落花生・・・不織布をかけて鳥のエサにならないようにした箇所で、無事に芽をだしました。今年は、たくさんの落花生、期待できそうです。


ジャガイモ・・・メインのジャガイモ畑。


ジャガイモ・・・今年、フードバンクや子ども食堂へ収穫したジャガイモを贈呈しようと、作付けを増やした箇所。


エダマメ・・・鳥のエサにならず、無事に芽を出しました。


ニンジン・・・本葉が出てきました。


サツマイモ・・・5月20日以降の晴天続きで枯れている様子ですが、安心してください。乾燥に強いサツマイモ、生きています。


ミニトマト・・・そろそろ支柱を立てないといけない様子。脇芽もボウボウ、天空らしい自由な育ち方です。


オクラ・・・こちらは立ち枯れ状態。生き残っているオクラは2本だけになってしまいました。


ハツカダイコン・・・順調に生育中。6月10日だと成長しすぎてしまうかもしれません。間引きを行いました。


ピーマンとナス・・・こちらも支柱が必要な状態。次回活動で支柱を立てるまで、風雨で苗が倒れない事を祈るところです。


暑い時間を避けて、朝5:30から7:30までの活動。名付けて「朝活」。今後も適宜予定していきたいと思います。

第3回活動報告「田んぼはドーロ泥!?」

2017年05月23日 | 活動報告
5月20日(土)天気:晴れ 参加家族:3家族9人
活動テーマ:「田んぼはドーロ泥!?」泥んこになって、みんなで楽しく田植えをしよう!
活動内容:田植え、サツマイモ、くらかけ大豆、黒豆の作付け、花の種まき


今回の報告は、事務局の西沢よりお届けします。
2017年度第3回目の活動は、年間の活動で一大イベントの田植え。大勢の参加者を期待していたところ、スタッフ家族を除くと「1家族3人」という参加人数でした。少人数でも農作業の量は変わらないので、年中の子どもから大人まで、今日の作業をやり終えるという共通目標のもと、農作業に頑張って取り組みました。


(はじまりの会で、全員、「頑張るぞ!」「おー!!」。かけ声をかけて活動をスタート。)

(黒板に、今日の流れやポイントを書いて共有。)
毎回、スケジュールややること、注意点などを黒板に書いて共有した上で活動を始めています。スタッフの運営側で道筋をつけた上で、主体は参加者の皆さんが動くことで活動が進行していきます。とはいえ、今回は、総勢9人中3人のスタッフも全力参加でした。普段活動を見守る立ち位置の五味副代表は「思いっきり田植えをやってみたかった!」と、気合い十分。フィールドを田んぼに移して田植えに取りかかりました。


(天空でお借りしている田んぼ(棚田の下)と、今年から本格的に活用を始める畑(手前))
芋井には、至る所に棚田があります。芋井の棚田は、江戸時代に開発が本格化し現在の棚田が形成されました。先人のお米作りへの熱意を感じる場でもあります。残念ながら、私たちがお借りしている田んぼの下の林の中にも2枚の棚田がありましたが、森林化・竹林化で放棄され、田んぼとしての機能が失われています。詳しくは、6月17日の活動で触れたいと思います。その中、私たちの田んぼも竹林化の進行で畦の崩壊の危機がありましたが、崩壊の進行を少しでも食い止めるべく、山岸代表を中心に竹を伐採しました。手を入れ続けないと棚田は維持できない、そんなことも語りかけてくる田んぼです。


(3本程に育った苗を観察した後に田植えを始めました。)


(田んぼに第一歩。ヌルル~冷たくて気持ちいい!)


(アカハライモリ)
日本の固有種で、環境省レッドリストで準絶滅危惧種として記載されていますが、この地には、たくさんの個体を例年の生き物調査で確認しています。早速生き物たちとのふれあいがありました。


(一列づつお手植えをしていきました。)


(泥だらけ。一生懸命田植えをした汚れは”勲章”モノ。飯綱山からの湧き水を引き入れているため、泥臭く感じません。)


(田植え終了!)
大人から子どもまで全員が一生懸命田植えをした中で、渡邉紬弘君(7)は、「たくさん田植えをできて楽しかった!今から新米を食べるのが楽しみ!」と、苦労をさておき9月の稲刈りと新米を味わう10月の活動を心待ちにしている様子でした。


(汚れついでに種まき)
田んぼの横の畑は、昨年まで遊休農地で、荒れにあれた場所でした。今年から借り受けて、活用をスタートしました。畑は2枚あり、1枚はクラカケ大豆と黒豆の栽培で活用。もう1枚は、お花畑として活用するために、マリーゴールドとコスモスの種まきを行いました。田んぼで泥だらけになったついでに種まきを行い、午前の作業を終えました。


(耕運機運転体験)
参加人数が少ないメリットを活かして、耕運機運転体験を行いました。さわるのも運転するのも初めての渡邊さん。貴重な経験になった様子でした。


(泥おとし?水遊び?)
30度近くまで気温が上がった今日は、水浴び日和となりました。全身泥だらけを、ホースからのシャワーで洗い流していきますが、どう見ても水遊び。大はしゃぎでした。子どもたちの髪の毛についた水滴が太陽の光にキラキラ輝く光景と子どもたちの笑顔は、それは幻想的な様子で、見ている大人がピュアな気持ちになりました。


(労をねぎらう地産地消の昼食)
五味副代表とスタッフの曽根佳代子さんの発案で、ウド、ヨモギ、フキを天ぷらにしました。また、自生していたアスパラを茹でて、素材の味わいを楽しみました。その他、ニラ炒め、三つ葉のおひたしと、収穫したて野草や野菜を即調理して味わいました。また山岸代表からワラビとゼンマイの煮物やキャラフキの差し入れもあり、豪華な昼食になりました。田植えの感想をシェアしながらの昼食では、「裸足で感じるドロの感触や、苗を差し込むときのサラサラしたドロは癖になりそう」とか、「毎年同じ事の繰り返しだけど田植えが楽しみ」、「実は田植えは初体験だった」というカミングアウトがあったり、参加者の1人ひとり、貴重な思い出ができたようでした。


(サツマイモの植付け)
少しゆったり目のお昼休憩の後に、午後はサツマイモ植付け。「マルチ敷き→マルチ穴あけ→水やり→サツマイモ植付け→乾燥防止のためもみ殻まき」を流れ作業で行いました。全員役割を持っての作業。田植えに引き続き、全員が主役となりました。


(3畝、100本のサツマイモ植付け終了)
今回植えたサツマイモは、秋に収穫を行い、焼き芋や煮物にして味わう予定です。野菜を味わう陰に、苦労もあることを感じた今回の活動日となりました。参加された皆さん、本当にお疲れさまでした。



(信濃毎日新聞社の取材がありました)
天空の里 いもい農場を紹介するための取材で、伊藤さんにお越し頂きました。長野市ボランティアセンターより打診があり、今回の取材となったわけですが、参加人数が少ない中での取材活動となってしまい、申し訳ない気持ちで一杯です。ただ、笑顔が多くあふれる会でもあったので、ご勘弁いただければと思います。取材や写真撮影でお世話になり感謝です。


■今日の「芽」

(ニンジンの芽)
種を蒔いて発芽ができれば栽培が成功、と言われるくらい発芽までの条件管理が難しい野菜の一つ。湿り気を切らさないよう、こまめな水やりが必要な中、種まき以降、放置状態で様子を見ていたら、2週間で発芽することができました。成長に応じて間引きや土寄せを行い、成長したニンジンを味わいたいと思います。



【次回、6月10日(土)の予定】
活動テーマ:「ぬか漬作り体験 ~発酵の世界を体感!~」きゅうりのキューちゃんでおなじみ、東海漬物さんを講師に、ぬかについて学びます。
活動内容:草取り、ジャガイモ・長ネギの土寄せ、りんごの摘果、ぬか漬け作り学習


第2回活動報告「いもい探検隊!」

2017年05月08日 | 活動報告
■遊びも、仕事も、食べるのもみんな本気で

 「遊ぶのも本気! 仕事も本気! 食べるのも本気! 中途半端は絶対だめ。農業を楽しんで行って」―。長野市芋井広瀬の芋井社会会館を拠点に活動している「天空の里 いもい農場」は6日、山岸茂晴代表のこんなあいさつを皮切りに、本年度2回目の活動に取り組みました。山岸代表は初回の4月22日は所用で欠席し、本年度はこの日が初の活動参加。あいさつの言葉に力が入りました。


(あいさつする山岸代表)

 この日は、飛び入りで参加した東京都内在住の現役新聞記者夫婦の1家族4人を含む7家族24人が参加。雑草よけの黒い「マルチシート」(幅約1メートル)を張り、カボチャやズッキーニなどの苗を植えたり、落花生やカブ・ニンジンなどの種をまいたりしました。


(みんなで苗を植え、種をまきました)

 急斜面に広がる天空の里の畑。谷の向こうの集落で白い糸のような雨が降っているのが見えたかと思えば、急にわたしたちの周りが暗くなって雨が降り出したり、風が吹き出したり。長野地方気象台によると、この日の午前10時の気温は17.0度(芋井は標高が高いので、おおむね10度前半くらいかと)。雨や風の中で作業するのもなかなか気持ちの良いものでした。


(雨あがり。善光寺平の向こう側に広がる山々までくっきりと見えました)


■初のオリエンテーリングを開催

 2017年度2回目の活動では、農作業の他に、芋井での農業の営みを学ぼうと、「オリエンテーリング」を初めて開きました。スタッフの浦中綾子さんが企画しました。

 オリエンテーリング(Orienteering)は、野原や山中に設置されたポイントを指定された順番に通過し、スタートからゴールまでにかかった時間を競うスポーツの一つです。参加した7家族は2チームに分かれ、
▽私たちが田植えをする予定の田んぼの水の入口(取水口)はどこか
▽その田んぼの土と水を使って泥団子を作る
▽2016年度に設置した天空の里 いもい農場の看板を見つける
―という3つのポイントを順番に歩きました。



 泥団子を作るミッションで、及部倫太郎君(11)は、泥で手が汚れるのが嫌だったので「子どもたちが泥団子を作ればいいね」。すると、一緒に歩いていた親たちがすかさず「あんたも子どもでしょ!」と笑い声。冗談はさておき、棚田の田んぼに水を引き入れる取水口を見学した及部君は「急な滝から水を取っているとは知らなかった。昔の人は、苦労をしながら田んぼに水を引いたんだろうな」と話しました。箕輪歩さん(8)も「あんな急なところから水を取るなんて」と驚いていました。


■昼食にアサツキの薄焼きなど

 持参したお弁当の他に、その日とれた野草や農産物で昼ご飯を食べるのが、天空の里 いもい農場の魅力の一つ。この日は、アサツキやニラの薄焼きと、ノビロ味噌(ノビロに味噌を付けてかじって食べる)、甘草の酢みそ和えなどを作って食べました。スタッフの草間智恵さんが料理を紹介してくれました。


(説明する草間さん)

 実はこの日、あんまり野草が採れませんでした。「これじゃ足りないかも!」と気付いた副代表の五味美穂子さんが昼食前の間隙を縫って、こっそりと1人でアサツキや菜の花のつぼみを採りに出掛けていました。


(野草を採りに出掛けた五味さん)

 「みんなのうれしい顔をみたいから」。そんな風に五味さんはせっせと野草を摘んでいました。みんなでおいしくいただきました。


(昼食を食べる参加者)


■最後まで居ると、得をする?

 毎回の活動はおおむね午後2時で終了します。ただ、活動が終わっても、子どもたちは芋井社会会館の中や運動場で遊んだり、親子で周辺を散策したりして、流れ解散するのが通例になっています。

 午後2時過ぎ。
「おーい、タラノメを採ってきたぞー」
 用事で、昼食前から中座をしていた山岸代表が芋井社会会館に戻ってきました。ビニール袋の中には、タラノメとコシアブラ。曇天にもかかわらず、残って遊んでいた家族でさっそく山分けしました。「山岸さん、ありがとうございます」


(タラノメとコシアブラを持って戻ってきた山岸さん)



 「タラノメっていうのはな・・・」。みんながタラノメとコシアブラを山分けしていると、山岸さんが語り始めます。「1回目に採る時はやわらかい芽。2回目はちょっと硬くなる。3回目になると芽から汁が出てくる。これを『タラノメの涙』って言うんだよ。『これ以上採ると、出てこなくなって枯れちゃう』っていうメッセージなんだ」

 「コゴミも、7本生えているときは3本は残す。6本あるときは2本は残す。それ以上採ると、次からは生えてこなくなってしまうんだ」

 参加した大人たちが結構真剣に耳を傾けました。こんな身近なところをスタート地点に、自然との共生や持続可能な社会といった大きな社会の問題に目を向けて行くことも大事かなとも思います。


■きょうの花
 ヒメノオドリコソウ

 花の姿が、新潟県佐渡市(佐渡国)に伝わる「佐渡おけさ」の踊り子の姿に似ている。茎を指先でつまむとコロコロしている。茎の断面がカクカクしている為で、これはシソ科の植物の特徴だそうです(山岸さん談話)



【次回、5月20日(土)の予定】
活動テーマ:「田んぼはドーロ泥!?」泥んこになって、みんなで楽しく田植えをしよう!
活動内容:田植え、サツマイモとくらかけ豆の作付け、りんごの摘果